ジャイアント トード。 トード § Bestiary2 ▶ モンスター ― パスファインダーRPG参照ルール集

ウィザードリィ外伝 〜五つの試練〜 Five Ordeals

ジャイアント トード

現在、カズマとアクアは土木工事の作業員として働いているらしい。 本来は転生する際にある程度のお金は渡すみたいであるが、カズマの場合、アクアを選択した瞬間に異世界にとばされたため、そんな準備がなかったとのこと。 ………………おい、それなら文無しで異世界に転生した俺はどうなんだ?そんなお金をもらうことはなかったぞ?もしかしてあの時のミスってお金の渡し忘れだったのだろうか、それとも、この肉体になったミスかの判別がつかない。 どちらにせよ、駄女神に対してはもっと扱いが悪くてもいいだろうが。 ホント、商人一家に助けられなければ俺も冒険者登録の時に困っていただろうし。 ……今度、しっかりとマッサージでもしてあげたほうがいいだろうか。 しかしそんなのはいいと断られそうなのもなぁ……。 むぅ……。 今日から冒険者としてモンスター退治に乗り出すそうだ。 ただ、一週間では装備も整えられなかったのか、カズマはショートソードだけで鎧などの防具はなし。 アクアに至っては装備なしというもはや縛りプレイとしか思えない状況で挑むらしい。 …………本当にこいつら、モンスターを狩る気なのだろうか。 その話を聞いて頭が痛くなる。 むしろ食べられに行っているという方が説得力があるぞおい。 ……………………はぁ、流石に元同郷の奴が死ぬのは目覚めが悪い。 それにあの女神は性格とやることなすことに目を瞑ればステータスがとても優秀なアークプリーストだ。 今回だけ、臨時で、ついてやって補助することにした。 レベルも無事に上がり、また新しく取得したスキルの試し打ちにもちょうどいいしな。 別に他意はない。 しかもジャイアントトードに追いかけられている。 まぁ、初の戦闘の上、こういったのは日本では見たことがないだろう。 仕方ない場面もあるが………… 一方のアクアはそれを笑っているだけでなんの行動も起こさない。 笑っている暇があったら早く助けてあげろよ駄女神。 お前も追いかけられるようにしてやろうか?というか、逃げているカズマの方が囮として役立っているぞ。 ……はぁ、カズマも助けを求めているし、そろそろ助けてあげた方が良いな。 本当ならカズマやアクアに倒させてレベル上げした方が良いんだろうけど。 ……新スキルに関してはぶっつけ本番だが、何とかなるだろう。 「カズマ、そのまま、まっすぐ逃げてください!スキルを発動させますので気を付けてください!」 「分かったから!できるだけ早くしてくれええ!」 新しく取得をしたスキルがどんな影響を及ぼすか分からないため、一旦『ポラリス』を打ち切っておく。 ……狙いは大丈夫、イメージする象徴は重力というかブラックホール、そして、カズマには当たらないように、気を付けて…………! 「『コンプレスグラビティ』!」 その瞬間、ジャイアントトードの頭は一瞬縮んだように見え、そして勢いよく爆ぜた。 爆ぜた断面からカエルの体液が零れだし、そこらじゅうの草を染めていった。 もはやジャイアントトードと分からないような名状しがたい見た目と、スキルを使ったことによると思われる吐き気を覚える。 「「……………………」」 「……ちょっと強くし過ぎ、ました?」 「いやいやいや!強過ぎなんてレベルじゃねーよ!?」 『コンプレスグラビティ』。 手っ取り早く説明するのならある一地点に強力な重力、というよりかは引力か、を発生させるスキルだ。 やろうと思えば圧縮するみたいなことも可能だろう。 ただ、使ってみた感想としては、ものすっごくやりづらいというか引力を発生させるのに強くイメージしなければならないため、頭がとても疲れる。 あと、過大な集中力が要求されるため、他のことを行い余裕がないことだな。 『ポラリス』との併用は難しそうだ。 ま、これに関しては慣れていくしかないだろう。 「…………カズマ、大丈夫でしたか?怪我とかは、ありませんか?」 「あ、ああ、俺は大丈夫だが……それよりもユタカの方が大丈夫か?顔色が悪いぞ?」 「…………平気です、初めて使った、スキルなので、まだ使い慣れていない、だけです。 」 「そ、そうか?でも辛くなったら言ってくれよ?いざとなったら切り上げて帰ろう。 」 カズマには口ではそう強がったが、割と本気で吐きそうでヤバい。 使用する際には気を付けて使った方が良いな。 ……しかし、何か違和感を覚えるんだよな。 何か忘れたことでもあっただろうか? 「全く二人とも情けないわね!ほら、もっと働かないとジャイアントトードの駆除なんて無理よ!」 「お前は早く働け!人のこと笑っている暇があるのならカエルの一匹くらい倒して来い!……あ、もしかして女神さまはカエルの一匹も倒せないような雑魚だったんだな、そりゃすまないことを言ったな。 駄女神なんだからそんなことすら出来ないダメな奴だったな。 」 「はぁ?さっきまでひたすら逃げていたヒキニートが何を言っているのかしら!?私のような存在ならカエルの十匹や百匹、簡単に倒せるわよ!そこでちゃんと見ていなさい!」 そう言い放つとアクアは全速力でジャイアントトードのところまで走って行った。 あいつ、何の装備も無く行ったが何かスキルでも持っているのだろうか。 「たかがカエルが女神の攻撃に耐えられるわけがないわ!さぁ、神の怒りを思い知りなさい!『ゴッドブロー』ッ!」 おお、なんか強そうな名前のスキルだ。 それにゴッドということは神専用のスキルなのだろうか? ……あれ、ジャイアントトードって打撃みたいな攻撃は効かなかったはずじゃないのか? 案の定、ゴッドブローは柔らかい腹に吸収され、攻撃は無意味に終わった。 ……あ、アクア、丸吞みされてら。 「アクアー!?おま、お前、食われてんじゃねええええ!」 あ、カズマが剣持って行っちゃった……。 カズマ、あいつ本当に苦労人だな。 アクアの世話だけで手いっぱいになりそうじゃないか?今度、二人で酒を飲んだ時には愚痴くらい聞いてやろう。 ……ん?そういえば俺の脚、なぜかぬるぬるするんだが気のせいだろうか?というか、何かいたいくらい締め付けられててててて!?な、なんで俺宙に浮いているんだというかカエルが目の前にいるんだあと口を開けているんだこいつは?! 「ゆ、ユタカー!?お前もかああああ!」 ……あ、『コンプレスグラビティ』発動させるために『ポラリス』の使用を止めていたのを忘れていた。 通りでいつもやっていた俯瞰視点での周囲警戒がないからなんか違和感があったんだ。 そんなことを冷静に考えながら、俺は丸呑みされた。

次の

#ジャイアントトード #もしもシリーズ ミッキーの依頼

ジャイアント トード

「この素晴らしい世界に祝福を!」のダクネス。 趣味が高じて、スキルの振り分けを防御に寄せた女剣士です。 口を開けば出てくる、ダクネスの残念なドM発言や名シーンをまとめてみました。 いや違う!あんな年端もいかない2人の少女がそんな目に会うだなんて、騎士として見過ごせない。 ハァハァ」 ダ「私は力と耐久力には自信があるのだが不器用でその…攻撃がまったく当たらないのだ。 というわけで、 ガンガン前に出るので盾がわりにこき使ってほしい!」 カ「女性が盾代わりだなんて…」 ダ「望むところだ」 カ「それこそ毎回モンスターに捕食されて…」 ダ「 むしろ望むところだ!ハアハア」 カ「はぁ?」 ダ「私をあなたのパーティに入れ…」 カ「お断りします」 ダ「 んあっ…く。 即断…だと。 やはり 私の目に狂いはなかった」 めぐみんからも容赦なく下着を奪うカズマを見て ダ「こんな幼げな少女の下着を公衆の面前で剥ぎとるなんて親の鬼畜だ許せない! ぜひとも私をあなたのパーティに入れてほしい」 残念な仲間を増やしたくないカズマ カ「この先俺たちの冒険はさらに過酷なものになるだろう。 特にダクネス、女騎士のお前なんて魔王に捕まったりしたら大変だぞ。 それはもうとんでもない目にあわされる役どころだ」 ダ「ああ、全くその通りだ。 昔から魔王にエロい目に遭わされるのは女騎士の役目と相場は決まっているからな。 それだけでも 行く価値はある」 キャベツの攻撃から冒険者をかばうダクネス ダ「見られている。 むくつけき男たちが私の肌を見て興奮している。 なんという辱め、けがらわしい。 たまらん!」 冒険者「あんなになってまで人を守るなんて」 冒険者「俺も騎士として 見習わなければ」 カ「違う!みんな誤解してるぞ」 ダクネスが仲間に加わりました ダ「それではカズマ、これからも遠慮なく私を 囮や壁代わりに使ってくれ。 パーティーの足を引っ張るようなことがあれば強めに罵ってくれ。 なんなら捨て駒として見捨ててもらってもいい。 くっ…想像しただけで 武者震いが…」 カ(こいつアレだ。 頭からパックリいかれて粘液まみれにされたからな」 ダ「はっ! 粘液まみれ…」 カ「お前今興奮したろ」 ダ「してない」 とにかく危険な仕事をしたがるダクネス ダ「カズマこれだ、これにしよう。 ブラックファングと呼ばれる 巨大熊討伐を…」 カ「却下だ却下!」 アクアを説教で泣かせたカズマに対して ダ「ストレスがたまっているのなら、代わりに私を口汚く罵ってくれても 構わないぞ」 デュラハンを脳内で変態認定して ダ「この私の体は好きにできても、心まで自由にできるとは思うなよ! 城に囚われ魔王の手先に理不尽な要求をされる女騎士とか……どうしようカズマ、予想外に 萌えるシチュエーションだ 行きたくはない。 行きたくはないが仕方がない。 ギリギリまで抵抗してみるから 邪魔はしないでくれ。 それに、このデュラハンはやはり やり手だぞ。 こやつ、先程から私の鎧を少しずつ削り取るのだ。 全裸に剥くのではなく中途半端に一部だけ鎧を残し、私をこの公衆の面前で裸より 扇情的な姿にして恥ずかしめようと」 デ「へ?」 ダ「さあ来い、魔王軍の辱めとやらはそんなものか。 もっと打って来い、 さあ!」 とにかく危ないクエストしか選ばないダクネス ダ「カズマ、これはどうだ。 白狼の群の討伐、報酬100万エリス。 ケダモノどもの群れにメチャクチャにされる自分を想像しただけで…んんっ」 カ「却下」 雪精たちの親玉「冬将軍」に ダ「ハア、こいつはきっと 将軍の地位を利用して私を手篭めにする気だろう。 私も抵抗はするが、おそらく力及ばず辱められ…ハァハァ」 (冬将軍に謝らないダクネスの頭を、カズマが無理やり下げさせる) ダ「いや、やめろー! 下げたくもない頭を無理やり下げさせられ、地に顔をつけられるとはどんな ご褒美だ。 ああ、雪が ちべたい」 金もないのにメシを大量注文 ダ「なに、金がなくなったらまたクエストを受ければいい。 次はどんなモンスターが良いか。 粘液を大量に分泌させるやつとか、けがらわしい 触手を持つやつとか…はぁ、想像するだけで武者震いがぁ…」 風呂でカズマの背中を流させられて ダ「今のカズマはそのサキュバスに魅了され操られている!先ほどからカズマの様子がおかしかったのだ。 夢がどうとか 設定がこうとか口走っていたから間違いない。 おのれサキュバスめ、あんな辱めを…ぶっ殺してやる!」 自爆装置が作動したデストロイヤーの前に立つダクネス ダ「領民より先に騎士が逃げるなどあってはならない。 それに街を吹き飛ばすほどの爆弾に身をさらしているのだと思うと どうだろう? なんだこのかつてない湧き上がる興奮は。 果たして私は耐えられるのだろうか? いや、いくら頑丈だとはいえ、無事では済まないだろう…。 ああもう辛抱たまらん。 カズマ、私は突撃するぞ! いってくりゅう、 ひいいい!」 男たち「おいダクネスさんが突撃してるぞ!」 男たち「そうか、爆発前に破壊するつもりなんだ」 男たち「 街を守るために…」 まとめ かわいいのに残念な騎士・ダクネスのMセリフをまとめてみました。 まともなセリフのほうが少ないくらいですが…。 二期以降の発言は別記事でまとめました。

次の

トード § Bestiary2 ▶ モンスター ― パスファインダーRPG参照ルール集

ジャイアント トード

冒険者ギルドの酒場は今日も賑わっていた。 まだ昼間だというのに、酒気を帯びた男女たちの笑い声が店内に響き渡っている。 日々の疲れを吹き飛ばそうとするかのように、それぞれのテーブルでは冒険者たちがお祭り騒ぎのごとく盛り上がっていた。 ・・・・・・そんな中で、一つだけ、お通夜のように静まりかえったテーブルがあった。 店の片隅の、ある四人パーティが座っている所である。 「カエルを倒すクエストをしよう」 そう提案したのは四人パーティの内の一人、金髪の女騎士だった。 宝石のように透き通った碧眼を凜と光らせて、力強く仲間たちに訴えかける。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええー」 だが、残りの三人の顔は、そんな女騎士の態度に反比例するかのように曇っていた。 食卓の上の野菜サラダを食べる手すらピタリと止め、引きつった表情で提案者に視線を向けている。 「ん? 聞こえなかったか? 今日はカエルを倒すクエストを・・・・・・」 「いや、ちゃんと聞こえてるけど・・・・・・」 パーティのリーダーらしき若年の男、カズマが言葉をかぶせるようにして女騎士の二度目の提案を打ち消した。 同時に残りの二人に横目を向け、様子を窺う。 「か・・・・・・カエル・・・・・・な、生臭っ・・・・・・ああっ!」 二人の内の片方、羽衣を着た水色の少女はわなわなと身体を震わせていた。 まるで恐ろしい何かから我が身を守るかのように、両腕を強く抱きしめている。 「ヌルヌル・・・・・・温か・・・ううっ・・・・・・」 もう片方の魔法使いの格好をした少女も似たような状態だった。 俗にロリ顔と呼ばれる幼めの顔立ちを苦悶に歪ませて、悩ましそうに頭を抱えてしまっている。 そんな両者の姿を見た後、改めてカズマは女騎士と向き直った。 「なあ、ダクネス・・・・・・前に言わなかったっけ? この二人はカエルに食われかけたことがあるから、トラウマになってるって」 カエル。 それは、カズマたちのパーティ・・・・・・より正確に言えば、そのうちのアクアとめぐみんの二人に壮絶なトラウマを植え付けたモンスターである。 正式名称はジャイアントトードと言う。 その体躯は牛を上回るほどの巨大さであり、繁殖の時期になると、産卵のための体力を付けるため、エサの多い人里にまで現れ、農家の飼っている山羊を丸呑みにしてしまうらしい。 で、アクアとめぐみんは、少し前のクエストで農家の山羊よろしくパックリと丸呑みされてしまったというわけである。 「その話はちゃんと覚えているぞ」 だが、女騎士ことダクネスは記憶の中の恐怖に震えているアクアとめぐみんの姿にも、普段だったらアクアに向けられるカズマの視線にも動じた様子はなかった。 あくまで毅然とした態度で言い放つ。 「頭からパックリやられて・・・・・・ね、粘液で身体中をベトベトに! ベトベトにされてしまったというやつだろう? 私が初めて二人を見かけたときのことだから、良く・・・・・・本当に良く覚えている」 「だったら何でそんな提案をするんだよ? この二人にカエルの三文字は禁句だって、分かるだろ?」 女騎士の頬がピンク色に染まっていることには一切、言及せずに、カズマは呆れたようにそう言った。 もしかしてこの騎士様は、どこぞの女神様並みに知力のステータスが低いのでは・・・・・・そんな風にカズマが疑ったときである。 「 だ か ら こ そ私は、カエルを倒すクエストがしたいと言っているのだ」 今度のダクネスの顔には、邪念が見えなかった。 仲間を守るクルセイダーとしての真剣さを瞳に宿しながら訴えかけてくる。 「カズマは前に言っていたな。 『ガチで魔王を討伐したいと考えている。 自分たちはそのために冒険者になったのだ』・・・・・・と。 ならば、駆け出しの冒険者の街と呼ばれるこの場所を離れる前に、パーティのカエルへの恐怖心を払拭しておく必要があるのではないか?」 「む・・・・・・」 珍しく見かけ通りに理知的なダクネスの態度に、カズマは物怖じしてしまう。 「前に言ったと思うが、カエルはとても費用対効果が高いモンスターだ。 刃物が通りやすいから倒しやすいし、攻撃方法も舌による捕食しかない。 何より、倒したカエルは食用として高く売れる・・・・・・きちんと倒すことさえ出来れば、道中での生活がかなり楽になるはずなんだ」 そのダクネスの言葉に、カズマは少しばかり思案する。 確かに、この女騎士の言っていることは間違いなく正しい。 本気で魔王討伐を考えるなら、この先の旅がどれほど過酷なものになってもおかしくはないのだ。 その間、金欠で生活苦に陥ることだってあるだろう・・・・・・そんなときにカエルを狩って金稼ぎをしたり、直接食料を調達できたりすれば、かなり安心できる。 いや、というよりも、カエルを狩って金稼ぎをするなど手慣れた冒険者にとっては基本中の基本なので、それができないというのは相当、危険なんじゃないか? 「それに、前に魔王軍の幹部、ベルディアというデュラハンが街を襲ってきただろう? あのときは相手の軍勢がアクアの得意とするアンデッド系だったから何とかなったが・・・・・・この先、カエル系のモンスターが主力の軍勢と闘わないとも限らない」 「かっ! かかかか・・・・・・カエル系のモンスターの軍勢ですってぇ!?」 「ぬ、ヌルヌルプレイはもうイヤぁ!」 恐るべき未来が頭によぎったのか、アクアとめぐみんは悲鳴を上げて店の隅っこに縮こまってしまった。 「ちょっと待て、ヌルヌルプレイなんてしてないだろ!」とカズマがツッコミを入れる暇もなく、お互いに肩を抱いて身を寄せ合っている。 ・・・・・・想像するだけでこの有様なのだから、実際にカエルの軍勢を目の当たりにしたのならば、それだけで失神してしまうかも知れない。 「まあ、ダクネスの言い分は分かるけど・・・・・・でも、こんな調子じゃ前回の二の舞に・・・・・・」 「大丈夫だ、問題ない」 力強い口調で、ダクネスはそう言い切った。 「みんな、良く聞いてくれ。 私たちはこの間、とても強くなった。 カズマは新しくスキルを習得したし、めぐみんの杖も新しくなった。 アクアのレベルもだいぶ上がっている・・・・・・もう、私が加入する前のように苦戦を強いられることはないはずだ」 そのダクネスの姿は、まるで教え子に最後の言葉を贈る教官のようだった。 凜々しい外見に相応しい大人びた態度で、震える子羊たちの肩にポンと手を置く。 「それに、いざとなれば私が居る。 アクアやめぐみんが再び丸呑みにされそうになったら、私が盾になって代わりに飲み込まれてやるさ・・・・・・だから何も心配するな!」 「「「だ、ダクネス・・・・・・っ!」」」 アクアやめぐみんのみならず、遠目で様子を窺っていたカズマや、まったく関係のない野次馬の冒険者までもがダクネスに対し尊敬のまなざしを送っていた。 なんて頼もしい発言だろうか。 この女騎士が側に居てくれるのなら、ジャイアントトードごとき恐るるに足らず! むしろ、どうして先ほどまで怯えて 竦 ( すく )んでいたのか忘れてしまったほどである。 「よーし! 今日のクエストはカエル退治だ! みんな、気張って行くぞ!」 「「「おーっ!」」」 女騎士の説得によって、カズマたちの士気はかつてないほど高揚していた。 誰もダクネスの口の端からよだれが垂れていることに言及しなかったのは、そういう特殊な空気のせいだったのだろう。 で、クエスト募集の掲示板の前まで来たカズマたち一行だったのだが、 「な、なんじゃこりゃ・・・・・・!」 カエル絡みのクエストで張り出されているのは、今、カズマが握りしめている紙の一枚だけだった。 それも、とんでもない内容が書かれている。 『ジャイアントトード大量発生! 五十匹まとめて討伐で二百万エリス』 「ご、五十匹って・・・・・・」 書かれている数字のデカさに、カズマは頭をハンマーで打ち付けられたようにクラクラしてしまう。 前にアクアとめぐみんと一緒に討伐したときは、たったの五匹だった。 そのたった五匹にあれだけ手を焼いたのに、その十倍って・・・・・・ 一体、どうしてこんなことに? 「春先だからですね」 そこで、冒険者ギルドの受付のお姉さんが話しかけてきた。 「毎年この時期になると、冬眠から目覚めたカエルが平原に大量発生するんですよ。 この地域だと風物詩みたいなものなんですけど、まだご存じではありませんでしたか?」 「へぇ〜、知りませんでした・・・・・・」 顔を引きつらせながら、カズマはどうにか受け答えをする。 同時に後ろを振り向くと、真っ青な顔をしたアクアとめぐみんの姿がそこにはあった。 さっきまでの覇気は突きつけられた数字の前に、すっかり霧散してしまったようである。 ちなみに、期間は一日以内と書かれている。 「よし、やっぱりカエル退治はやめよう!」 「イヤだああああああああああああああああ!! 待ってくれカズマああああああああああああ!!」 スッパリとトラウマ克服を諦めようとしたカズマの背中に、金髪の女騎士が涙を流しながら 縋 ( すが )り付いてきた。 「ずっと楽しみにしてたんだ! 粘液まみれにされたアクアとめぐみんの姿を見たあの日から、カエル系のモンスターと闘う日をずっと楽しみにしてたんだぁ! いつか私もあんな目に・・・・・・頭からパックリやられて! 粘液で! 粘液でベトベトにされてしまうのかと想像すると、夜も眠れなくてぇ・・・・・・っ! 頼むぅ・・・・・・このまま焦らされ続けたら私、おかしくなってしまうぅ・・・・・・!!」 「だったらおかしくなってしまえ! この変態が!」 まるで普段の駄女神様を彷彿とさせるダクネスの懇願を、カズマは冷たく一蹴した。 やはり、一瞬でもこのドM騎士を頼もしく思ったのが間違いだった。 身をひるがえして掲示板の前から去ろうとするカズマだったが、女騎士が強靱な握力を駆使してそれを阻止した。 どうにか引きはがそうと奮闘するが、やはりステータスの差が大きいのか、いっこうにダクネスが離れる気配はない。 足蹴にされながらも頬を紅潮させている金髪碧眼の美女は、やがて酒場全体に響き渡るほどの大声で叫んだ。 「もしも・・・・・・どうしてもカエルと闘いたくないというのなら、カズマ! お前が・・・・・・お前が代わりに、私のことをメチャクチャにしてくれ!!」 「はぁ!?」 あまりに突飛な発言に、思わずカズマは彼女を踏みつけていた足を止めてしまった。 何を想像したのか、普段の誰かよろしく頬を紅潮させてしまっている。 しかし、対する女騎士は己の中の堅い決意を口にするのを止めはしなかった。 「もしもカズマが私のことをメチャクチャに・・・・・・あの日の思い出ごとメチャクチャにしてくれれば! 私は二度と毎晩毎夜あんな切ない思いをせずに済むはずなんだ! だから、頼むっ! ヌルヌルでもベトベトでも・・・・・・ネバネバしたのでも何でもいい! カズマの好きなやつで欲望のままに折檻して・・・・・・あの日に抱いた私の淡い気持ちを力尽くで塗りつぶしてくれえええええええええ!」 「だあああああああああああああ!! 分かったから! ちゃんとクエスト受けるから! クエスト受けてカエルを倒すから! だからこれ以上、俺の風評が悪くなることを言うのはやめてくれえええええええええええええええ!!」.

次の