オスマン 帝国 と は。 オスマン帝国がキリスト教徒と共生できた理由

オスマン帝国(オスマンていこく)とは

オスマン 帝国 と は

この記事はなが全く示されていないか、不十分です。 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( 2018年5月) オスマン帝国外伝 〜愛と欲望のハレム〜 ジャンル 、、 脚本 メラル・オカイ ユルマズ・シャーヒン 演出 ヤウムル・タイラン デゥルル・タイラン 出演者 ハリット・エルゲンチュ メルイェム・ウゼルリ オカン・ヤラブク ネバハット・チェフレ セルマ・エルゲチュ ヌル・アイサン メフメト・ギュンシュル オザン・ギュヴェン フィリズ・アフメット セリム・バイラクタル 時代設定 の治世(西暦 - ) 製作 プロデューサー ティムル・サウジュ 制作 Tims Productions 放送 放送国・地域 放送期間 2011年1月5日 - 2014年6月11日 放送時間 約90-150分 回数 139 特記事項: 日本では、2017年にシーズン1をテレビ放映 2019年12月現在、シーズン3のテレビ初回放送が終了。 動画配信中 『 オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜』(オスマンていこくがいでん あいとよくぼうのハレム)は、からまでで放映されたシリーズ。 世界で8億人が視聴した、とされている。 原題は(ムフテシェム・ユズユル)で、直訳すると「壮麗なる世紀」。 英題は The Magnificent Century。 概要 [ ] の最盛期を築いた第10代 治世下の帝都()のとその(後宮)で繰り広げられた、女たちの・・・によって引き起こされたややを中心に、それに加えて男たちが行ったヨーロッパ諸国との戦争や男の側の恋心も描いた、大河ドラマの超大作。 のオリジナル版は、放送時間は1回当たり約90分 - 約150分(約1時間半 - 約2時間半)と尺が長く、全139回。 2011年にトルコのショーTV()で、2012年 - 2014年にはスターTV()で放映されて大ヒット。 世界約80か国で放送されている。 主役の皇帝スレイマンは、トルコ人俳優 (、)がシリーズを通して、即位から崩御までを演じた。 このドラマで皇帝スレイマンと並び重点を置いて描かれるヒュッレム(戦争で家族を殺され一旦は囚われの身となり奴隷となった状態から、献上されハレムに入り皇帝の寵愛を得てのしあがり、ついには (、)にまで上り詰めた女性)はトルコ系ドイツ人女優 (、)が演じ、この作品が大ヒットした結果、一気にスターダムにのし上がった。 日本では、各回を分割して日本語字幕を付したバージョンが制作され、からテレビ放映・ネット配信が開始された。 詳しくは、 を参照。 評価 [ ] この節のが望まれています。 本作は、史実をもとに大幅に脚色されたフィクションであり、トルコ本国で放映が始まるとともに人気ドラマとなり、高視聴率を記録する大ヒット作となった。 中東・東欧・アジア・北米をはじめとする世界約80か国・地域で放送され、全世界で8億人もの視聴者を熱狂させたとされている。 トルコなどでの評価・批判・論争 [ ] 時代劇ドラマというものは、放送局と制作会社が視聴者の趣向に合わせて制作する娯楽作品であり、史実通りのドキュメンタリーではない。 本作も史実を題材としながらも視聴者に合わせて大幅に脚色されており、トルコ本国で放映が始まるとともに人気ドラマになっていったが、放送当初から保守層や現在の(皇帝スレイマンとヒュッレム妃の末裔)、与党・所属の議員や放送当時、を務めていたからの激しい批判にさらされ 、放送打ち切り論まで取り沙汰された ため、演出の一部を変更するなどの対策が取られた。 批判や論争には、次のようなものがある。 スレイマン1世の人物像 道楽好きで女性からの誘惑に弱い人物として描かれている。 彼は、ドラマで描かれている姿とは反対に、ハーレムではなく、戦場において一生を過ごした。 「このドラマの演出は皇帝だけでなく歴史家への侮辱である 」。 ドラマへの擁護 初回の放送は、ハレムの暮らしと飲酒が強調され、ゴシップ記事のような内容だった。 だが、偏見から遠い歴史学者は「これはテレビドラマだ、ドキュメンタリーではない」と言う。 史実どおりに作ったら、ドキュメンタリーどころか、つまらない歴史の授業になるかもしれない。 テレビドラマというのは、視聴率と広告収入のために、視聴者の興味を引くような要素に重きを置いて、フィクションをでっち上げるものだ。 歴史を学びたいのなら、学者の本を読むことだ。 おもなキャストとスタッフ [ ] メイン・キャスト [ ] ここでは、日本語字幕版において日本語でクレジットされた俳優とその配役をメイン・キャストとして掲げる(表中の数字は、出演したシーズンを示す)。 脇役も含めた詳細な配役は、 を参照。 俳優名 出演 役名 説明 ハリット・エルゲンチュ 1-4 オスマン帝国第10代皇帝。 メルイェム・ウゼルリ 1-3 (アレクサンドラ) スレイマンの3人目の寵妃。 奴隷身分から (、)にまで上りつめる。 ヴァーヒデ・ペルチン 4 オカン・ヤラブク 1-3 皇帝スレイマンの。 奴隷出身ながら、鷹匠頭から後に大宰相の地位に上りつめて権勢を極めるが・・・。 ネバハット・チェフレ 1-2 ハフサ・アイシェ スレイマンの母后( (、))。 セルマ・エルゲチュ 1-3 ハティジェ 皇女で、スレイマンの妹。 イブラヒムの妻となる。 ヌル・アイサン フェッタフオグル 1-4 マヒデブラン スレイマンの2人目の寵妃 で、長男ムスタファの母君。 メフメト・ギュンシュル 2-4 ムスタファ 皇帝スレイマンと皇帝妃マヒデブランの間に生まれたただ一人の皇子。 オザン・ギュヴェン 3-4 宮殿の主馬頭。 皇帝妃ヒュッレムの手足となって動くようになる。 フィリズ・アフメット 1-3 ニギャール 後宮女官長で、敬称は (架空の人物)。 セリム・バイラクタル 1-4 スンビュル 後宮長で、敬称は (架空の人物)。 いずれも、毎週水曜日の20時から放映された。 シーズン 回数 放送回 放送期間 放送局 シーズン1 全24回 第1回 - 第24回 2011年1月5日 - 6月22日 Show TV シーズン2 全39回 第25回 - 第63回 2011年9月14日 - 2012年6月6日 Show TV, Star TV シーズン3 全40回 第64回 - 第103回 2012年9月12日 - 2013年6月19日 Star TV シーズン4 全36回 第104回 - 第139回 2013年9月18日 - 2014年6月11日 Star TV 日本での放送 [ ] では、(本作のオリジナル版が日本で放送される連続ドラマとしては尺が長過ぎるためか) シーズン1(全24回)の各回を2話ずつに分割して日本語字幕を付したバージョン(全48話)が制作され、2017年8月7日(深夜24時)からのによってテレビ放映が、翌8月8日から動画サイトによって動画配信が開始された。 シーズン1の視聴率が想定を上回る好評だったため、シーズン2(全39回)も全79話に分割して、2018年7月23日(深夜24時)からチャンネル銀河によって放映され 、翌7月24日からHuluによって動画配信が開始された。 シーズン2の初放映が最終回を迎えた後、チャンネル銀河は「多くのリクエストをいただいている「シーズン3」の放送に関しては、現在鋭意検討中です。 」とサイトで告知した。 2019年6月3日、チャンネル銀河は本作が大反響を呼んだとして、シーズン3を8月8日 木 深夜から放映開始することを告知し、また2019年は「」でもあり、そのことと絡めて、ハサン・ムラット・メルジャン()からシーズン3日本初放送にメッセージが寄せられた。 翻訳は「トルコ狂乱」や作家作「黒い本」などを手掛けたが担当している。 日本での初回テレビ放映 シーズン 話数 放送話 放送期間 放送局 シーズン1 全48話 第1話 - 第48話 2017年8月7日 - 10月11日 チャンネル銀河 シーズン2 全79話 第1話 - 第79話 2018年7月23日 - 11月12日 チャンネル銀河 シーズン3 全92話 第1話 - 第92話 2019年8月8日 - 12月16日 チャンネル銀河 衛星放送• チャンネル銀河• シーズン1• 8月7日 - 10月11日に日本初放映(平日の深夜24:00から放映。 再放送は9月6日 - 11月10日)。 5月16日 - 7月20日に再放映。 シーズン2• 2018年7月23日 - 11月12日に日本初放映 (平日の深夜24:00から放映。 再放送は2018年8月4日-2019年2月2日、毎週日曜日8:30から3話連続放映)。 2019年5月23日 - 7月22日に再放映(平日の深夜26時-28時に2話連続放映)• シーズン3• 2019年8月8日 - 12月16日に日本初放映 (平日の深夜24:00から放映。 再放送は2019年11月2日- 終了未定 、毎週土曜日深夜25:00-28:00に3話連続放映)。 ( BS日テレ:日本テレビの系列) 1時間の放送枠に収めるために、いくつかのシーンがカットされていると思われる。 シーズン1:2018年10月1日から12月5日まで初めて放映された。 シーズン2:2019年1月7日から5月3日まで放映された。 (の系列)• シーズン1:2017年8月8日から動画配信が順次開始された。 シーズン2:2018年7月24日から動画配信が順次開始された。 シーズン3:2019年8月9日から動画配信が順次開始された。 ( Huluの株主であるの系列):2017年12月1日 - 2018年5月28日の期間限定で、順次公開されている• (とが出資) :2018年5月1日 0:00 から 無料で放送開始(放送後2週間、無料で視聴可能)。 放送後は「Abemaビデオ」という有料配信サービスでオンデマンド視聴が可能。 シーズン1:2018年7月25日から全48話の動画配信が同時に開始された。 第1話-第2話は、48時間レンタルなら0円で視聴が可能。 第3話以降は、SD(標準画質)かHD(高画質)か、レンタルか購入かによって購入価格が異なる。 (楽天TV:が運営)• シーズン1:2018年10月26日から配信を開始(第1話-第2話のみ無料)。 (FOD、が運営)• シーズン1: (配信開始日は不詳)-2019年8月31日まで、全48話が同時に配信されている。 (ティーバー、民放公式テレビポータル) BS日テレ(上記参照)の放送分が、放送日から2週間限定で視聴できる。 フル・キャスト [ ] ここでは、日本語字幕版ではクレジットされていない助演俳優も含めた役柄別のキャストの一覧を示す。 ウィキペディアの ( )、、、、並びに の(英語)、トルコ語による情報サイト 、、 などによる。 「出演」欄の数字およびS1、S2・・・は、シーズンを示す。 オスマン帝国の最盛期を築いて、ヨーロッパでは「壮麗帝」の名で知られる。 教養の高い文化人でもあり、詩人「ムヒッビー」として詩作を残し、語学にも堪能で、宝石細工の趣味を持つ。 臣下たちからは、 と呼ばれる。 のルテニア略奪により奴隷となり、オスマン宮廷に送られるが、スレイマンの3人目の寵妃 として皇妃 ハセキ・スルタン にまで上りつめる。 君主の娘。 後宮の頂点にいるが、不祥事を嫌って闇に葬ろうとする。 心労が絶えないため、いつも首筋が凝っている。 最初の夫と死別して宮殿にいる。 後にイブラヒムの妻となり、息子オスマンと娘フーリジハンの母となる。 気弱な性質で、何かと思いつめたりしやすいが、・・・。 ヒュッレムに対する敵がい心が強く、ねじ伏せようと企てる。 皇帝の子を授かったがすでに亡くしており 、劇中ではもはや皇帝から顧みられない。 皇女ハティジェと仲が良く、腹心の友として相談相手になる。 スレイマンが溺愛する最愛のひとり娘である。 詩人 兼 軍人のタシュルジャル、皇帝の近侍マルコチョールらに異性としての好意を示すが、母ヒュッレムの画策により、あろうことか関心のなかったリュステムに降嫁する破目になるが、やがて「小さなヒュッレム」と認識されるほどたくましくなってゆく。 4 Erhan Can Kartal 子役 3 シェフザーデ・バヤズィト バヤジト皇子 : 皇帝スレイマンと皇帝妃ヒュッレムの間に生まれた三人目の皇子。 4 子役 3 シェフザーデ・ジハンギル ジハンギル皇子 : 皇帝スレイマンと皇帝妃ヒュッレムの間に生まれた四人目の皇子。 宰相フェルハトを婿としていたが、・・・。 3-4 シャー・スルタン 皇女シャー : 皇帝スレイマンの妹で、ハティジェの姉。 アナトリア州の軍政官ルトフィーを婿としており、エスマハンという娘を持つ。 夫が宰相となるべく画策する(S3 第40話から登場)。 ミフリマーフの話し相手になる。 アイシェ・ヒュマーシャー : 皇女ミフリマーフとリュステムの娘、ヒュッレムの孫娘。 ギリシャ正教からイスラム教へ改宗し、奴隷から頭に出世。 スレイマン即位後さらに小姓頭に引き上げられ、後に大宰相の地位に上りつめて権勢を極めるが・・・。 ギリシャのパルガ出身であるため パルガル(パルガ人)と呼ばれたり、高官になってからは パシャと呼ばれたりする。 母后が後宮の頂点にいるため、諸事を取り仕切る後宮の責任者であり、宦官や女官たちをあごで使う。 すぐ図に乗るヒュッレムのことを苦々しく思っている。 妃の目や耳として後宮の情報を探り、妃の意を受けてさまざまな工作をするが、やり過ぎて暴走してしまうことが多い。 図に乗りやすいヒュッレムを根気強く諭して味方する。 普段は冷静沈着で仕事をテキパキとこなす能吏だが、強引なイブラヒムに弱い。 大宰相イブラヒムの愛人となってしまい、皇女ハティジェと対立することになる。 娘エスマヌル(カデル)を産むが、・・・。 皇帝スレイマンの乳母で、ギュルフェムが出納官を辞任したため、その後任に任じられる。 息子ヤフヤは、皇帝スレイマンの乳兄弟。 やがて、ファーリエという名で、ヒュッレムへの刺客または間諜として皇女ハティジェや皇女シャーによって帝都の後宮に遣わされるが、・・・。 側女たちを厳しくしつけ、目上の者には忠実で、仕事をよくこなすが、かなりのお調子者で風見鶏でもある。 スンビュルの部下で、側女たちに礼儀作法を教える(S1 第2話)。 シーズン2ではヒュッレムに引き立てられて、スンビュルのライバルとなる。 皇女ミフリマーフ付き。 皇女シャーの画策により、内廷宦官長に就任して、ヒュッレムの取り巻きである後宮宦官長スンビュルらににらみを効かす。 食材を調達するため、たびたび街へ出かける。 厨房ではよくスンビュルに叱られている。 ヒュッレムの味方であるために、数々の争いに巻き込まれて・・・。 たびたび他の側女と相部屋にされ、特にヒュッレムやサドゥカを敵視するのだが・・・。 夫の仇を討つため、王命によりオスマン皇帝の宮殿に潜入するが・・・。 海で遭難していたところをフズル提督に救助され、帝都で奴隷として売られるが、ヒュッレムに助けられて後宮に入り、皇帝スレイマンのお気に入りとなる。 皇帝の寵愛をめぐってヒュッレムと対立するようになるが、彼女にはある重大な秘密があり、・・・。 3 ギュルスム : 後宮の側女の一人で、ナズルに代わって皇帝妃ヒュッレムに仕える。 皇子・皇女たちに仕える人々 [ ] 俳優名 出演 役名 日本語字幕における役名 および 説明 ムスタファ皇子の後宮の人々 (ムスタファ皇子とその母マヒデブランについては前出) Gamze Dar 2- Fidan Hatun フィダン・ハートゥン フィダン : 帝都の後宮の側女の一人。 ニリュフェルに代わって皇帝妃ヒュッレムに仕えていたが、マヒデブラン妃付きの女官となる。 母后やマヒデブラン妃に仕え、ヒュッレム派と対立する。 ムスタファ皇子の子であるスレイマン皇子を産むが、・・・。 2 Efsun Hatun Nora エフスン(ノラ) : 帝都の後宮の側女の一人。 ムスタファ皇子の寵愛を受け、その子を身ごもりながらも、皇帝妃ヒュッレムの意を受けて皇子に害をなそうとするが、・・・ (S2 第47話から登場)。 皇子とは知らず相思相愛になるが、悪徳商人アッバスと婚約させられる破目になる。 ムスタファ皇子が結婚すると言い出し、父帝スレイマンやマヒデブラン妃は猛反対するが、・・・。 ディアナ : マニサでムスタファ皇子に助けられて後宮入りし、マヒデブラン付きの女官となるが・・・(前掲)。 実は、ヒュッレム妃や主馬頭リュステムによって刺客として送り込まれたが、・・・。 ムスタファ皇子の娘ネルギスシャーの母となる。 実は、の女貿易商ガブリエラの実の妹(S3 第62話から登場)。 大宰相イブラヒムに引き立てられ、やがてムスタファ皇子を命の恩人と感謝し、その側近になってマニサに赴任する。 他方で、ミフリマーフ皇女と想いを寄せ合う。 実在の有名な詩人(1498—1582)。 メフメト皇子の寵愛を受け、その子を身ごもるが、・・・(S3 第22話~第43話に登場)。 Patricya Widlak 3 Cihan Hatun ジハン・ハートゥン ジハン : メフメト皇子から寵愛される側女で、その子を懐妊し、皇子がサルハン県軍政官として赴任したマニサにともに赴く。 だが、その正体は、異母兄ムスタファ皇子の母マヒデブラン妃が遣わした刺客であった。 やがて、ミフリマーフにも仕えることになる。 ロードス島遠征では失態を演じる。 シリアの県軍政官ガザーリの反乱を鎮圧する。 奴隷出身の寵臣イブラヒムに強い反感を持つ。 ロードス島遠征では攻城戦で戦功を立てる が、・・・。 ロードス島遠征の総司令官に任命されるが、作戦に失敗して解任される。 元小姓頭。 皇帝スレイマンの 近侍となるが、皇女ミフリマーフから想いを寄せられたり、ベネチア大使の姪シルヴィアと恋仲になったりする。 のだったが、帝国に帰順した。 スレイマンの遠征の留守中に宰相を任されるが、母后の計略で、ヒュッレムは彼の息子バトゥルに嫁がされそうになる。 (S1 第7話-第14話に出演) 3-4 ヤフヤ・エフェンディ ヤフヤ : 皇帝スレイマンの乳母であるアフィフェの息子で、スレイマンの 乳兄弟。 学者・医師・詩人。 このドラマでは、大宰相イブラヒムをめぐる処断にも重要な助言をすることになる。 に昇進、さらに・・・。 実は、ハンガリーの間者で、サドゥカ(ビクトリア)に指図する。 皇帝妃ヒュッレムに仕え、その意を受けてイブラヒム暗殺などを企てる。 棒術遣い・数学者で、発明など多彩な才能を持ち、史実でも数々の史書や数学の業績を残した。 イブラヒムの信頼も厚い親友・側近で、サドゥカに想いを寄せたり、マルコチョールとつるんだりする気さくな人柄の、このドラマの重要な脇役。 皇帝スレイマンに仕えた実在の著名な史家(S1 第11話から登場)。 このドラマでは、大宰相イブラヒムの命運にも大きく関わることになる。 3-4 : オスマン帝国軍の工兵隊長として軍功を立て、 首席建築家に任命され、モスク建築などに従事する(S3 第68話から登場)。 オスマン史に残る著名な建築家。 イブラヒムとスレイマンの外交顧問。 オスマン帝国とを戦う(S1 第13話-第21話に出演)。 オスマン帝国を敵視して、スレイマンの勅使ベフラムを殺し、スレイマンの軍勢とで戦う。 本作では、イサベラ王女の婚約者フリードリヒの従兄弟という設定。 サポヤイからハンガリー王位を奪取し、でスレイマンと戦う (後にとなる)。 でスレイマンと戦う。 (カルロス1世として広大な植民地を抱えるも兼ね、「」と呼ばれたの盟主であった。 前任外交官リンコン の後を受け、フランス国王の命により、カール5世を共通の敵とするオスマン帝国との同盟を結ぶべく、大宰相イブラヒムと交渉する。 東方の君主や大使 3 : の第2代君主()。 遠征してきたスレイマンやイブラヒムの軍勢と戦う。 弟サームとは意見が対立する。 エジプト・シリア・ヒジャーズなどで学び、ムスタファ皇子の教師に就任。 母后が皇女ハティジェとの縁談を勧めるが、・・・。 セチュキン・オズデミル 1-2 Leo レオ レオ : アレクサンドラ(ヒュッレム)のルテニア時代の恋人(架空の人物)。 侍女カルミナとともに海賊に拉致され、オスマン帝国の捕虜となる。 後宮入りし、嫌っていた皇帝スレイマンの寵愛を拒んでいたが、・・・。 2 Armin Hatun アルミン・ハートゥン アルミン : ユダヤ人両替商ジョシュアの娘で、マルコチョールの猛烈アプローチを受けて迷惑がるが・・・。 2 Aybige Hatun アイビゲ・ハートゥン アイビゲ : の王女、君主サーヒブ の娘。 伯母である母后ハフサが、クリミアの内紛時に身を案じて帝都の宮殿に呼び寄せる。 小姓頭マルコチョールとの恋は・・・。 イブラヒムの妻ハティジェ皇女は、当初は死産として、その存在を隠して秘かに養育させていた。 私生児であるためか、「運命」を意味するカデルと名づけられたが、娘の生存を知ったイブラヒムによってエスマヌルと改名された。 ヒュッレム妃と面会し、親しくなる。 その美貌と妖しい魅力ででマニサのムスタファ皇子に近づく謎めいた女性。 ルメイサ(ルクレツィア)の実の姉(S3 第54話から登場)。 ゲスト出演者や端役 [ ] オープニングのタイトルロールではクレジットされない端役など。 俳優名 出演 役名 日本語字幕における役名 および 説明 ゲスト出演 や端役 Yasemin Olena 1 Hurrem's mother アレクサンドラ(ヒュッレム)の母 : タタール人によって殺害されたが、夜な夜なアレクサンドラ(ヒュッレム)の夢枕に立つ( 第1話、第16話などに数回出演)。 Giovanni Rufo 1-2 枢機卿 : ローマ法王の最高顧問で、固有名は示されない(S1 第1話など数回出演)。 モチェニーゴに帝都の様子を教えたり、イブラヒムに蝶のブローチを売ったりする(S1 第1話などに数回出演)。 彼の店には、イブラヒム、マトラークチュらが訪れる。 S2では、マルコチョールが想いを寄せるアルミンの父親として存在感を示す。 1 ジャフェル・アー ジャフェル : オスマン帝国の海軍提督。 新帝スレイマンによって収賄などの不正により処刑される(S1 第1話-第2話にゲスト出演)。 お忍びの皇帝スレイマンから学校へ通えるように取り計らってもらう(S1 第6話に出演)。 Mehmet Korap 1? 1 ヒュスレブ・メフメト : オスマン帝国の県軍政官(S1 第9話に出演)。 Murat Dada 1 Bali Bey バリ・ベイ : オスマン帝国のボスニア県軍政官(S1 第9話・11話に出演)。 ベオグラード陥落後に、皇帝からとベオグラードの県軍政官に任じられる。 母后の計略で、ヒュッレムは彼に嫁がされそうになる(S1 第9話- 第10話に出演)。 Yasin Sertdemir 1 Kont Ariel アリエル伯爵 : ハンガリー王国の軍指揮官で、ビクトリア(後のサドゥカ)と結婚するが、オスマン軍に攻められ、スレイマンによって絶命する(S1 第10話に出演)。 マヒデブランの意を受けた女官ギュルシャーにそそのかされて、ヒュッレムが食べる料理に毒を盛るが、後で口を封じられてしまう(S1 第11話-第12話にゲスト出演)。 Melih Atalay 1 : オスマン帝国の海軍軍人で、地図製作者。 を作成したことで有名な人物(S1 第17話に出演)。 では騎士団に味方してオスマン軍と坑道戦を展開する(S1 第20話に出演)。 Melih Rahmi Akyol 1 Sultan Murat スルタン・ムラト ムラト : 皇帝スレイマンの大おじの息子で、オスマン帝国の追討を逃れてロードス島騎士団に匿ってもらっている(S1 第20話に出演)。 1 Manolis マノリス マノリス : イブラヒム(テオ)および実弟ニコの父。 故郷パルガで漁師をしている(S1 第25話-第26話に出演)。 2 Yakup ヤクップ : 占星術師。 かつては宮廷に仕えていたが、マヒデブランの流産を予言したために、イブラヒムによって宮廷から追われた。 ヒュッレムに関心を持たれ、ハティジェとヒュッレムの運命を占ったり、毒薬を作ったりする。 イブラヒムを敵視するが・・・。 マルコチョールとアルヴィーゼ・グリッティが言い寄る。 Hande Kaptan 2 Carmina カルミナ : カスティーリャ王女イサベラの侍女。 王女とともに海賊に拉致され、オスマン帝国の捕虜となるが・・・。 2 Melek Hatun メレク・ハートゥン メレク(アンヘラ) : 後宮の側女の一人で、カスティーリャ語が話せるため、イサベラ王女の世話・通訳とオスマン語教育を任される。 2 イブニ・ケマル : イスラムの長老()で、ゼンビリ・アリの後任 (在職1526年-1534年)。 2 Remmal Elmas レッマル・エルマス : 砂占いをする女占い師。 後宮に呼ばれて占うが、不吉な予言をして皇族たちを驚かせる(S2 第44話に出演)。 ムスタファ皇子の夜伽を務める。 2-3 Rakel Hatun ラケル : ユダヤ人の女 両替商。 3 ナディア : 帝都の後宮の側女の一人。 フィルーゼをヒュッレムたちから守るために、皇帝のお気に入りに仕立て上げられるが、・・・。 3 ビラル : 宮廷の 毒味役(S3 第33話-第34話に出演)。 3 アントニオ・プリマルド : ローマ法王の刺客。 「オトランドの騎士」と呼ばれ、法王の命令を受けて、スレイマン暗殺を企てる(S3 第50話-第51話)。 3 サーリハ : 魔術師と呼ばれる謎の女官。 皇女ハティジェがすがり、マニサから帝都に呼び寄せて、ヒュッレムに罠をかけさせようとする(S3 第55話から登場)。 3 シャーヒン : 内廷宦官長。 皇女ハティジェの失踪について、ヒュッレムの意を受けて証言するが、そのため皇女シャーからにらまれて、・・・。 3 ジャフェル : 皇女シャーの意を受けて、内廷宦官長を襲撃し、ファーリエやヒュッレムをも亡き者としようとする。 聖者とされるアリの息子であるため、処刑を免れて一度は追放されるが、・・・。 Melisa Kavsak 3 Signora Silvia シルヴィア : ベネチア駐オスマン大使トマソの姪。 近侍マルコチョールと恋仲になるが、皇女ミフリマーフからにらまれて、・・・。 シーズン1 [ ] シーズン1は、トルコ語オリジナル版では第1回-第24回であり、2011年1月5日-6月22日に放映された。 日本語字幕版では第1話-第48話であり、2018年8月7日 深夜 -10月11日 深夜 にチャンネル銀河でテレビ初放映され、Huluではそれぞれ翌朝付で動画配信が開始された。 シーズン1の各話のあらすじ [ ] 以下、「回」はトルコ語オリジナル版の回数を、「話」は日本語版の話数を、「サブタイトル」は日本語版の副題を示す。 回 話 サブタイトル 各話のあらすじ 1 1 新帝の誕生 西暦1520年、領地のにいたオスマン帝国の皇太子 スレイマンは、崩御の知らせを受け、ので第10代皇帝に即位する。 同年9月、ルテニア(現在のウクライナ)からクリミアに拉致されていたキリスト教徒の娘アレクサンドラとマリアは、海路で帝都に送られて皇帝に奴隷として献上される。 によりイスラムに改宗していた皇帝の鷹匠頭 イブラヒムは、宮廷の小姓頭に任じられる。 側女の一人に選ばれた アレクサンドラ(後のヒュッレム)は、皇帝の前で失神のふりをして気を引こうとする。 2 皇帝の宴 新帝スレイマンは、宰相たちの前で欧州や東方を征服する意思を表明。 さらに初めての御前会議で、海軍提督ジャフェルの不正を断罪し、ジャフェルは斬首される。 マニサから、皇帝妃 マヒデブランが息子の ムスタファ皇子を連れて宮殿に到着。 その晩、妃を呼ばずに皇帝の宴が催され、側女たちが踊りを披露するが、アレクサンドラは狙い通り皇帝を魅了し、夜伽の印である紫色の手巾を与えられる。 女官長 ダイェを通じて、アレクサンドラが図に乗っていることを知った 母后ハフサは、アレクサンドラの夜伽を阻止するためにマヒデブランを皇帝の寝所へ送り込む。 2 3 初めての夜伽 夜伽にアレクサンドラではなくマヒデブランが来たことに唖然としたスレイマンは、伽を済ませた妃を息子の元へ返し、小姓頭イブラヒムに「招かれざる者」が来たことを厳しく叱責。 母后の差し金と察して、翌朝母后に「私生活に干渉するな。 私を操ろうとすれば仕返しがある」と釘を刺す。 シリアの県軍政官ガザーリ が旧残党とともに謀反を起こしたと報告され、御前会議で第二宰相フェルハトらを鎮圧に差し向けること、さらに朝貢が滞っているのへ勅使ベフラムが遣わされる事が決められる。 水曜日、夜伽に呼ばれたアレクサンドラは、浴場で身を清め、美しく着飾る。 夜伽でスレイマンを喜ばせたアレクサンドラは、皇帝が妃や息子と過ごす予定だった「神聖な」木曜日も皇帝の寝所に留まり、マヒデブランを悲嘆させる。 皇帝は息子らを伴って、にに出かける。 側女たちの大部屋に母后・皇女や妃たちが来場して宴が催されるが、アレクサンドラはマヒデブランの挑発に乗って無礼な態度を取り、入牢を命じられる。 イブラヒムは、街で記録者・数学者・棒術遣いの マトラークチュ・ナスーフと知り合い、皇帝に紹介する。 ヒュッレムが入牢させられたと知った皇帝スレイマンは、直ちに放免させ、自分が作った見事な エメラルドの指輪を彼女に授ける。 3 5 皇帝の指輪 の王宮で、オスマン帝国の勅使ベフラムが、朝貢せよとの皇帝スレイマンの親書を渡すが、激昂した王 によって斬殺されてしまう。 一方、御前会議には、第二宰相フェルハトがガザーリ を討伐したとの吉報が届く。 マヒデブランは、自分が賜るものとばかり思っていた皇帝自作のエメラルドの指輪をヒュッレムがはめているのを見て、半狂乱になる。 マヒデブランは具合が悪くなり寝込んでしまうが、医女の診察により懐妊だと判り、後宮は慶事を祝う。 皇女ハティジェは、小姓頭イブラヒムを秘かに想っていたが、ギュルフェム妃に背中を押されて、互いの距離を縮めようとする。 マヒデブランの意を受けた 女官ギュルシャーは、側女アイシェをそそのかして、ヒュッレムから皇帝の指輪を奪い取ることを企てる。 6 渦巻く陰謀 ヒュッレムは、宦官長スンビュル(ヒヤシンスの意)に妃になるために力を貸して欲しいと頼むが、妃になるには改宗が必要だと言われてしまう。 ヒュッレムは浴場で外しておいた皇帝の指輪をうっかり奪われていまい、後宮は大騒ぎになる。 一方、スレイマンとイブラヒムらは街をお忍びで視察し、大砲製造所で製造について指示する。 ハティジェは、ギュルフェムを仲介役として、小姓頭イブラヒムと逢い引きする。 御前会議の席にハンガリー王ラヨシュ2世からの貢ぎ物が届くが、その壺を満たした蜂蜜の中から勅使ベフラムの斬首された首が見つかる。 激怒した皇帝スレイマンは、ラヨシュの討伐を誓う。 イブラヒムは、ニギャール女官長が見当を付けた側女アイシェを呼び出し、指輪がマヒデブランの手元にあることを知る。 そこで事態を内密にするため、母后がマヒデブランを呼び出している間に、ダイェ女官長がギュルシャーを問い詰めて指輪を取り戻し、側女の一人をスケープゴートに仕立てて、指輪をヒュッレムに返す。 ヒュッレムは、夜伽に召されると改宗を申し出て、皇帝の前でイスラムに改宗する。 指輪のことで母后から叱責されたマヒデブランは、指輪を失ったと知り慟哭するが、翌朝、流産していることが判る。 自暴自棄になったマヒデブランは、改宗して嬉しそうなヒュッレムに出くわすと、つかみかかり、ヒュッレムの顔面が損傷するほど激しく殴打し、半殺しにしてしまう。 4 7 命運を分かつ決断 マヒデブランがヒュッレムに暴行した現場をニギャール女官長が通りがかり、ダイェ女官長、スンビュル宦官長と3人で個室に運び込み、この恥ずべき暴行事件を表沙汰にしてはまずいと忖度して、秘かに看病する。 マヒデブランは、流産したため皇帝から見舞いを受けるが、暴行を知らされた母后から厳しく叱られる。 スレイマンのマニサでの恩師カスム師が宮殿に呼ばれ、御前会議が催される。 ハンガリーとの開戦について全会一致で、帝国の命運を分かつ決断が下される。 開戦準備が着々と進められる。 意識を取り戻したヒュッレムは、鏡で自分の無残な顔を見て泣き叫ぶ。 皇帝が夜伽にヒュッレムを召すとイブラヒムが宦官長に伝えるが、スンビュルは何とか拒もうとする。 ヒュッレムが夜伽を拒んでいると聞かされたスレイマンは、無礼だと怒り、後宮の個室へ押しかけると、ヒュッレムが待っていた。 8 燃える野望 ヒュッレムの傷だらけの顔に驚いたスレイマンは、マヒデブランの仕業と知ると、マヒデブランに我々の関係は終わりだと告げる。 マヒデブランを旧宮殿(エスキ・サライ)に追放しようとするが、母后の取りなしにより追放は免れる。 スレイマンは、ヒュッレムを自分の寝所に移させて、自ら看病する。 やがて、ヒュッレムは全快し、皇帝から豪華な品々を贈られる。 有頂天のヒュッレムはマリアに「私は宮殿を支配する。 …あんたは私のダイェね」などと放言して、立ち聞きしているダイェを敵に回す。 ダイェは、ヒュッレムが図に乗っていると母后に報告し、母后は策を練る。 イブラヒムのせいで皇帝を独占できないと感じたヒュッレムは、イブラヒムともぶつかる。 スレイマン、イブラヒム、マトラークチュらは、大砲の開発など開戦準備に余念がない。 さらに、御前会議で作戦が取り決められ、カスム師が遠征で留守中の宰相に任命される。 1521年5月18日、ついに皇帝スレイマンは軍を率いて、ハンガリー遠征に出陣する。 5 9 母后の計略 母后は、スレイマンの遠征中にヒュッレムを宮殿から追い出すために、カスム師の子息バトゥルに嫁がせようと企てる。 1521年6月17日、に野営するスレイマンらは作戦を検討し、まずは要塞を攻略してから城塞を攻める策を採ることにする。 ヒュッレムは、スンビュル宦官長に皇帝遠征中の指導を頼み、まず母后に気に入られてから皇子を産むことにし、皇帝への手紙をニギャール女官長に代筆してもらう。 だが、母后は、ヒュッレムを宮殿の庭園に呼び出してバラを摘ませ、その様子を見せられたバトゥルは一目で気に入ってしまう。 母后は宴を催す一方で、ダイェを通じてヒュッレムに降嫁してに行く件を告げるが、ヒュッレムは泣き叫び大騒ぎで抵抗する。 さらに翌朝、母后から改めて降嫁を命じられたヒュッレムは、皇帝の御子を身ごもっていると口からでまかせを言ってしまい、部屋で謹慎させられる。 スレイマンは、ボスニアの県軍政官バリ・ベイとの県軍政官ヒュスレブ・メフメトから情勢を聞き、その晩にゼムン城で敵軍司令官の婚礼があることを知り、夜襲をかけることにする。 10 ハンガリー進攻 宰相カスム師と子息バトゥルは、ヒュッレムの降嫁準備を今か今かと待ちわびている。 スンビュル宦官長とニギャール女官長は、妊娠してると言いだして部屋に謹慎中のヒュッレムの口を割らせようとするが、うまくいかない。 カスム師の催促に、母后は日延べを伝える。 ハンガリーの城では、国王ラヨシュ2世を招待して、アリエル伯爵とビクトリア嬢の結婚を祝う宴が催されていた。 ビイェルデレン要塞が陥ち、いまゼムン城にラヨシュがいると知ったスレイマンは、火矢と大砲で総攻撃を開始させる。 城は陥落し、ラヨシュは逃亡するが、アリエル伯爵はスレイマンにより絶命し、ビクトリアは新郎を失った。 ヒュッレムは、母后の指示で、医女による内診を受けさせられるが、医女は懐妊と診断した。 ヒュッレムの懐妊を知らされたマヒデブランは卒倒したものの、その後ヒュッレムを薬で流産させることを思い付く。 母后は、バトゥルに何と伝えさせようか思い悩むが、ヒュッレムを呼び出して妊娠中の事について教え諭し、懐妊を祝って後宮の者たちにソルベと菓子を配らせる。 他方で、ヒュッレムの親友マリアは、宦官長にイスラムに改宗したいと申し出る。 スレイマンは、大宰相が包囲していた「の心臓」ベオグラードの攻略に本腰を入れ、砲撃を開始する。 6 11 男の戦、女の戦 1521年8月29日、スレイマンはオスマン軍の総攻撃によって城塞を陥落させ、オスマン帝国領とすると宣言し、降伏した者に危害を加えないこと、1年間の免税、街の修復、モスクや学校の建設などを指示した。 バリ・ベイをとベオグラードの県軍政官に任じる。 勝報は帝都にも届き、母后はカスム師に皇帝凱旋の宴について話すが、ヒュッレムについては重体と偽る。 そのヒュッレムとマヒデブランは、相変わらず憎まれ口の応酬を繰り返している。 ニギャール女官長がヒュッレムを強く諌めるが、耳を貸そうとしない。 遠征中のイブラヒムは、ハティジェからの恋文を読み、ヒュッレムの懐妊を知る。 スレイマンが語る戦果を、書記官ジェラールザーデが「征服の書」に記す。 スレイマンは厳しい冬が訪れる前に軍の帰還を命じ、ヒュッレム懐妊の朗報に喜ぶが、ラヨシュ2世はスレイマンがブダ進軍に怖気づいて逃げ帰ったとうそぶく。 1521年10月19日、スレイマンが帰還して家族に挨拶するが、無視されたマヒデブランは、お付き女官ギュルシャーに、ヒュッレムの毒殺を命じる。 ギュルシャーは、その晩の料理を皇帝の寝所に運ぶ役だった側女ハシベをそそのかして、デザート(マルメロの蜜煮)に毒を仕込ませる。 イブラヒムの方は、皇女ハティジェとイチジク園で密会している。 夜伽に召されたヒュッレムは、毒入りのデザートを喜んで頬張る。 12 後宮の毒 ヒュッレムは、皇帝の寝所に運ばれた毒入りデザートを食べてしまい、意識を失う。 急いで呼ばれた医女が食べたものを吐かせるが、なお高熱が続く。 ハティジェと密会していたイブラヒムは、皇帝のもとへ呼び出され、料理に毒を盛って暗殺を企てた者を捕らえよ、と命じられる。 後宮は大騒ぎになり、イブラヒムは腹立ちのあまり、ニギャール女官長の首を激しく絞め上げる。 思わぬ大事に、毒を盛った側女ハシベが一人で泣きじゃくっていると、ギュルシャーに見つかり、その後、首吊り死体で発見される。 ハシベを殺害したギュルシャーは、マヒデブランの前で泣きじゃくるが、妃から「お前一人の罪よ」と冷酷にも突き放される。 現場近くにいたギュルシャーは、イブラヒムに呼び出され、泣きながら、マヒデブランの意を受けて毒を盛らせたこと、ハシベを殺害したことを自供する。 皇帝に訊かれたイブラヒムは妃の名を伏せるが、ギュルシャーを見かけたスレイマンは毒を盛らせた張本人がマヒデブランだと確信するが、本人にではなく、母后に対して「あの女を制御できないなら、私が(処罰を)やる」と警告する。 スレイマンは、ムスタファ皇子のことを思い、母親であるマヒデブランの処罰を思いとどまったのだ。 翌朝、マヒデブランはイブラヒムに呼ばれて、ヒュッレムと関わらず、皇子の養育に専念するように忠告される。 ヒュッレムの快復に安心したスレイマンは政務に向かうが、ヒュッレムはまたもやイブラヒムと対立する。 7 13 秘めた思い ヒュッレムは、臨月が近いため、母后の計らいで世話係が付き、ニギャール女官長の指揮のもとで角部屋へ引っ越すことになった。 御前会議の場では、ベネチア大使モチェニーゴが皇帝に戦勝の祝辞を述べるが、スレイマンはハンガリー王ラヨシュ2世に対して「臣従しなければ、へ進軍する」との声明を発してベネチア大使をおびえさせる。 ムスタファ皇子は、会議の場に戯れようとする。 の大使が戦勝を祝う書簡を差し出す。 マヒデブランがヒュッレム毒殺を企てたことは秘せられたが、お付きの女官ギュルシャーは旧宮殿(エスキ・サライ)へ追放処分となる。 ヒュッレムは、親友マリアが世話係になって喜ぶが、彼女からイスラムに改宗して ギュルニハル(「若くて細身の美人」)という名になったと告げられると、急に警戒心が頭をもたげて、怒り出す。 スレイマンは、翌年の春にへ遠征することを計画し、側近たちとロードス島の詳細を検討する。 島は大おじジェムを人質にし、彼の子孫が今も捕虜になっていると憤る。 スレイマンは、長に書簡で外交戦を仕掛ける。 ヒュッレムは、皇女ハティジェとは仲良くし、お守りをもらう。 が、ハティジェは、イブラヒムのことをペラペラ話してしまい、秘めた思いを知られたのではと、後悔する。 母后は、寡婦であるハティジェを心配し、縁談について皇帝に相談するが、ハティジェは、年寄りに嫁ぐくらいなら死ぬ、とギュルフェムにぶちまける。 皇帝はカスム師に、来年のロードス島遠征の間の留守を頼むが、師から先に母后に持ちかけられた縁談について問い合わせられて唖然とし、母后に釘を刺す。 ヒュッレムは、イブラヒムとハティジェの仲睦まじい光景を目撃して、2人の秘めた思いを察してしまう。 密会をヒュッレムに見られたことを知ったイブラヒムは、ヒュッレムの排除に傾き、皇帝の夜伽にヒュッレムの親友ギュルニハルを召すように宦官長に指示する。 支度を整えたギュルニハルが皇帝の寝所に赴いたのと同じ頃、ヒュッレムが産気づいてのたうち回る。 14 危険な出産 ヒュッレムが陣痛のため叫び声を上げ続ける難産となり、医女やニギャール女官長たちがお産の世話をする。 ヒュッレムと反目する小姓頭イブラヒムは、ヒュッレムの世話係になっていた側女ギュルニハルを皇帝の夜伽に差し向ける。 やがて、玉のような皇子が無事に産声を上げ、ヒュッレムはやっと安堵する。 が、駆け付けた母后は、ヒュッレムが赤子を抱こうとするのを妨げ、皇子にお清めをせよと命じる。 出産の報告を受けた皇帝スレイマンは、皇子を抱いて メフメトと名付ける。 気落ちしていたマヒデブランも祝いに訪れた。 母后らは、ヒュッレムの出産の付き添いをするはずだったギュルニハルが、お産の晩にイブラヒムの差し金で夜伽に召されていたことを知り、ヒュッレムが気付いたら大騒ぎになるだろうと声をひそめる。 ギュルニハルは、夜伽のことをスンビュル宦官長から口止めされ、ヒュッレムからは出産の昨晩にどこにいたと責められて苦悩する。 出産後、眠っている間に悪夢にうなされたヒュッレムは、目覚めてから息子がいないと大騒ぎしながら後宮をうろつきまわり、母后のもとで医女の診察などの世話を受けていた息子を見つけて、母后に対して「息子をさらった」と無礼な態度を取るが、逆に母后から「メフメトは帝国に属する皇族の一員であり、側女一人には任せられぬ」と諭されてしまい、しょげかえって引き下がる。 母后の指示で、メフメト皇子の誕生を祝って、後宮の女たちに金貨が配られる。 一方、皇帝スレイマンと宰相たちのもとへロードス島騎士団長フィリップ・ド・リラダンからの挑発的な書簡が届く。 宰相カスム師は、前に母后から息子とヒュッレムの縁談を持ちかけられていたので、ヒュッレムが皇子の母として妃になったと知って愕然とするが、後ほど皇帝から大金と耕地を贈られて隠居する羽目になった。 皇帝妃となった ヒュッレム妃に、の毛皮などの品々を贈られ、皇帝から妃と認められて喜ぶが、後で側女エスマから出産の晩に皇帝が側女の誰かと同衾していたと聞き知って激昂し、事もあろうにそのギュルニハル当人に向かって、皇帝と同衾した女が誰なのか調べるように迫り、勢い余って彼女の首を激しく締め上げる。 8 15 裏切り ロードス島侵攻の事前準備として、イブラヒムは宮廷史家マトラークチュに潜入調査を命じる。 砦を視察して細密画を描かせるのだ。 ロードス島騎士団長リラダンから援護を求められたバチカンの枢機卿は、オスマン帝国が地中海の制海権を得てしまう重要な地を易々と明け渡せないとはいえ、帝国との貿易協定も捨てがたい様子。 一方で窮地に陥ったギュルニハルはニギャール女官長に相談する。 ヒュッレムは皇子を抱き皇族の毛皮を得意げに身に付け、母后ハフサの許を訪れる。 母后とマヒデブランからはメフメト皇子と引き離すため乳母に託すよう勧められるが毒殺を恐れて断る。 産後40日経過しないと夜伽に上がれない産褥中の慣習にも焦りを抱えている。 ハティジェは服従と慣習としきたりに従うようヒュッレムに諭すが、自らも強いられた婚約に従えず内に秘めたイブラヒムへの思いを断ち切れない。 イブラヒムは来たる遠征での別離を思い、ギュルフェムの助けでハティジェに蝶のブローチと恋文を贈る。 明け方の寒冷の中、ご寝所から忍び足で戻ったギュルニハルが皇帝スレイマンの温情で毛皮をまとっているのを見て逆上したヒュッレムは騒動を起こしてしまう。 母后はこれを機に皇子を奪う罰を与えようとしたが思いとどまる。 ギュルニハルは側女アイシェとの相部屋の個室に一時退避された。 本意ではなく命令に服従しただけの者や傍観者を含め周囲が皆で親友の夜伽に共謀したことに感付いたヒュッレムは、指輪の盗難、毒殺未遂、牢屋行きの経験を経て、秘密裏に計略を謀ることを覚えてしまい、皮膚に炎症を起こす毒を手に取ってしまう。 16 汚れた手 ハティジェは母后から大宰相ピリーメフメトの息子でムスタファ皇子の教師としても博識を誇る人物チェレビーとの縁組みを知らされ、思い悩んだテラスで雪が降りしきる中倒れて高熱を出す。 縁談に浮かない様子に母后は首を傾げる。 産褥が開けたヒュッレムはスレイマンに螺鈿鏡の贈り物をして愛を伝える。 一方でニギャール女官長に命じてギュルニハルには忘れ物の毛皮を届けさせる。 実は毒が塗られていた毛皮を夜中巻いて寝たギュルニハルは顔の皮膚がただれて溶けてしまう。 調査に当たったダイェはヒュッレムの関与を知り、ニギャールに口止めして母后に報告する。 ヒュッレムは夢で亡き母と再会するが、仇を討って欲しいとはいえ一度悪事に染めた手は止まらなくなると責められる。 ニギャールは知らずに共犯の運び役とされたことをヒュッレムに詰め寄るがしらを切られ、ダイェからの口止めにも関わらずスンビュル宦官長を含め側女たち後宮中がヒュッレムの犯行を知るよう仕向ける。 通路で母后とダイェに出くわしたヒュッレムは、自分の関与はニギャールの嘘でニギャールを罰するよう示唆するが、母后は顔をそむけ、メフメト皇子を乳母に託すよう命じる。 最初に毒を盛ったマヒデブランは皆に庇われるが、自分は罰としてついに皇子と引き離され、ヒュッレムは待遇の差に慟哭する。 9 17 王の刺客 ヒュッレムはスレイマンに直談判を試みるがイブラヒムに阻止され、マヒデブラン側に付く者と確信する。 ハティジェの看病中に胸中を知ったマヒデブランはイブラヒムとの逢瀬に進んで加担する。 その頃ハンガリーのブダ王宮ではラヨシュ2世がスレイマン暗殺の企てを図っていた。 婚礼の夜にゼムン城で新郎を殺されたビクトリアを帝国の後宮に送る算段だった。 後宮ではギュルニハルがヒュッレム付きに復帰する。 ヒュッレムは祈祷師を呼び、スレイマンが他の女によそ見をせず、次期皇帝にはメフメト皇子を、自分は母后になれるよう祈りのお守りを作るよう命じる。 御前会議でアフメト宰相はフェルハト宰相を謗ることに余念がない。 ベネチア大使からラヨシュ2世の報復の可能性を指摘されたスレイマンだが一笑に付した。 ビクトリアは宮殿の内通者の斧槍持ち(衛兵の一種)ボンジュクとの港での待ち合わせに失敗したが、ロードス島の視察から戻ったばかりの宮廷史家マトラークチュに保護され、イブラヒムの推薦でニギャール監督のもとに側女アイシェ付きの女官として後宮に上がった。 マトラークチュは持ち帰った細密画を手に、スレイマンにロードス島の城塞は強固なため坑道を掘り内部の協力者を得て城内に到達する策を提案する。 18 皇女の婚約 皇帝スレイマンは病気から快復した妹ハティジェにロードス島遠征後の婚儀の挙行を通告した。 正式に婚約中となったハティジェは毒薬を飲んでしまう。 知らせを受けて駆け付けたダイェによってハティジェは食あたりとされ母后には自害を伏せられる。 ビクトリアは奴隷ではないという出身についての嘘を側女アイシェに怪しまれる。 完成したお守りを持って参上した祈祷師から第ニ子懐妊を予見されたヒュッレムは喜びに沸く。 婚約勅状を自らの手で筆したイブラヒムは愛用のバイオリンを叩き壊す。 マヒデブランの差し金で毒を盛ったギュルシャーは追放を解かれ後宮に戻る。 ハティジェの婚約式で大宰相の息子チェレビーは咳が出ている。 婚約式でスレイマンの近くに控えたビクトリアはゼムン城の落城を回想し、皇子たちの別部屋にわざと放火する。 10 19 ロードス島への出陣 火災騒ぎの中、第一皇子ムスタファと第二皇子メフメトを抱えて煙立つ中現れたビクトリアは偽りの手柄を立て母后付き女官となる。 気が動転したヒュッレムはムスタファが火事を起こしたと言い放ちスレイマンの不興を買う。 疑心暗鬼になったヒュッレムはギュルニハルにメフメト皇子の小守を厳命し、ニギャールに祈祷師を呼ぶよう命じる。 ロードス島の遠征中は頼るべきスレイマンも不在となり何が起こるか分からない。 スレイマンに許しを懇願する恋文を書くが、メフメト皇子のみ呼ばれ、ヒュッレムは自室に取り残される。 スレイマンは島民の命と財産を保証する降伏勧告を書くが、ロードス島騎士団長リラダンは破り捨て、バチカン枢機卿に救援を要請する。 1522年6月18日出陣前の別れの挨拶時、スレイマンはマヒデブランに手を差し伸べ、ヒュッレムを無視する。 地中海を航海中、追憶に囚われたイブラヒムは思わず故郷の話をして遠征後の帰郷を許可される。 ヒュッレムは自室から出られない幽閉状態で遠征中を過ごす。 スレイマンとイブラヒムは真夜中の海上で砲撃に遭う。 20 皇帝の命 いのち 母后ハフサは皇帝スレイマンの乗った船が沈んだとフェルハト宰相から報告を受ける。 後宮は悲しみに包まれ、スンビュルから知らされた懐妊中のヒュッレムは姿見を割り気絶してしまう。 スレイマンはオスマン帝国の前線基地に戻り、船や人員など数か月の準備を水泡に帰した大宰相ピリーメフメトの失策を詰る。 ピリーは国璽を返上して辞職を願い出るが戦時中のため保留となる。 アフメト宰相はチョバンの発案であり、ピリーの戦略の失敗ではないと擁護する。 スレイマンはチョバンのロードス島遠征の総司令官の職を解任し、アフメト宰相に兼任させる。 皇帝の代が変わると側女は全員追放になる習わしから側女たちは口さがない。 スレイマン生存の追報を受け後宮中が安堵する中、見せかけの改宗を行ってイスラム名でサドゥカ(貞淑)と名付けられたビクトリアだけが顔を曇らせている。 様子がおかしいと訝しむ同室の側女アイシェ。 ロードス島では騎士団長リラダンが皇帝スレイマンの大おじジェムの息子ムラトと親しく言葉を交わしている。 ヒュッレムはニギャールに手紙の代筆を頼む。 ギュルシャーを使い、ニギャールを呼び出したマヒデブランはヒュッレムと親しくし過ぎていることを叱責する。 ヒュッレムとマヒデブランの板挟みに悩むニギャールは、告げ口したギュルシャーを責め、スンビュルに助言を求める。 ロードス島騎士団長リラダンは再三要請したバチカンからの援軍が来ないことに諦念を固め、ムラトに降伏の意を伝える。 ムラトはスレイマンを害しようと使いを出す。 11 21 勝者と敗者 ロードス島の教会で最初のイスラム礼拝を行う中、ムラトから差し向けられた刺客がスレイマンを狙うが、イブラヒムが命を賭して助ける。 ヒュッレムは皇女を出産する。 母后は皇女をミフリマーフ(月と太陽)と名付ける。 マヒデブランは安堵して側女たちに金貨と菓子を配る。 戦火を経て騎士団長リラダンと対面したスレイマンは約束通り命と財産と宗教上の自由を保障し、兵士たちの略奪を禁じ、降伏したリラダンに長衣(カフタン)を授けムラトを差し出すよう命じる。 イスラム教徒のオスマン帝国の皇族でありながらキリスト教徒としてロードス島に育ったムラトと対峙し、スレイマンは深くため息をつく。 側女アイシェはサドゥカが十字架に祈っている姿を発見してニギャールに告げ口する。 大宰相ピリーメフメトの息子チェレビーはムスタファ皇子の授業中、咳が止まらなくなってしまう。 22 煉獄の住人 チェレビーが倒れた報告を受けたスンビュルは母后に報告する。 母后は教師の任を解き人を手配する。 第ニ子として皇女を産むも側女たちからも敬意を払われず状況の変わらないヒュッレムはニギャールに助言を求める。 マトラークチュはサドゥカ(ビクトリア)を忘れられない。 サドゥカと斧槍持ちホンジュクが言葉を交わしているところを目撃したスンビュルとニギャールは訝しむ。 スレイマンは遠征から帰還してヒュッレムと再会し、父帝セリムが母后ハフサに贈った詩を詠む。 ニギャールは帰還したイブラヒムに後宮の様子を報告する。 イブラヒムはチェレビーを見舞い、吐血を見てしまう。 ギュルフェムに頼み、ハティジェに会うため危険を冒して夜のイチジク園に誘う。 ダンテの神曲を読みながら、天国と地獄の間の煉獄の住人であることを思う。 スレイマンは改めて大宰相ピリーメフメトを解任し、イブラヒムの姿を探すが、小姓頭の居室で天国と地獄について書かれた文を発見する。 ヒュッレムが宴を開いているところにマヒデブランが現れる。 12 23 イブラヒムの運命 マヒデブランは誰の許可で宴を開いたかとヒュッレムを叱責する。 マヒデブランは皇帝妃を自称するとは厚かましいと一蹴するが、皇女ハティジェ・スルタンが割って入り威厳をもって双方ともにきつく注意する。 皇帝スレイマンは短刀(地獄)を片手に国璽(天国)とどちらを選ぶか、どちらを選んでも命に関わるとイブラヒムに覚悟を迫り、ピリーメフメトに代わりイブラヒムが大宰相となるよう言い渡す。 ピリーメフメトは息子の病気を知らない。 ニギャールは一朝一夕では皇帝妃になれないと言い、ヒュッレムに少し慎むよう諭す。 御前会議でイブラヒムの就任が正式に発表されると、昇進を期待していたフェルハト宰相、アフメト宰相、元宰相チョバン、イスラムの長老ゼンビリ一同が驚愕する。 赤い礼服(ヒラット)を賜ったイブラヒムはアフメト宰相と対立する。 ヒュッレムはスルタン(皇帝妃)と呼ぶ手本を示すようニギャールに言いつける。 チェレビーが結核を患っていることをイブラヒムから知らされたマヒデブランは血相を変え母后に相談する。 母后はハティジェには秘密にするよう言い渡す。 24 神聖な木曜日 イブラヒムは約束された故郷パルガへの帰郷をスレイマンに嘆願する。 ムスタファ皇子が高熱を出し、勉強中にチェレビーと長く過ごした息子が結核に感染した可能性に思い当たりマヒデブランは心を痛める。 前夫を亡くした寡婦ハティジェを思い、スレイマンに縁組みを考え直させるため、母后はチェレビーを診察した医師の診断結果を奏上する。 だがスレイマンはチェレビーが快復するまで婚儀は延期するとしただけだった。 ロードス島からの凱旋後に夜伽のお召しがないため、スレイマンがムスタファの容態を心配して一晩中マヒデブランの部屋で過ごしたことを伝え聞くと、ヒュッレムは心穏やかでいられない。 スレイマンは前大宰相ピリーメフメトが息子チェレビーの病気を知らせなかったと指摘する。 サドゥカは母后に呼ばれて来たスレイマンと部屋で二人きりの状況になったが、短刀を所持しておらず手が出せない。 母后はスレイマンに家族と過ごす慣習の神聖な木曜日はマヒデブランを夜伽に呼ぶよう諭す。 ハティジェはチェレビーが結核であっても結婚が撤回されないことを嘆く。 イブラヒムは故郷へ旅立つ前にスレイマンの部屋に手紙を残し、スンビュルにマヒデブランを最優先に考えるよう命じる。 ヒュッレムは久々にご寝所に召されたのはマヒデブランと知る。 13 25 故郷へ 皇帝の寝所から戻ったマヒデブランの機嫌が悪く、ギュルシャーは冷たくあしらわれる。 実態は手も触れられず皇帝スレイマンから一晩無視されていた。 スレイマンはイブラヒムの手紙を発見し、イブラヒムがパルガから戻らない決意であることを知る。 ハティジェへの愛のためイブラヒムは己の将来を投げ打ったのだった。 母后の計らいで木曜の夜をマヒデブランに渡した経緯を知ったヒュッレムは、ハティジェがイブラヒムに恋煩いしていることを母后に密告する。 長く思い悩んでいた理由をよりによってヒュッレムから聞かされた母后はハティジェを詰問し、ハティジェはイブラヒムの命乞いのためスレイマンに目通りを願い出るが叶わず憔悴する。 次第に対立していた側女アイシェさえもヒュッレム・スルタン(皇帝妃)と呼ぶようになるが、母后の影響力は大きく、スレイマンは次の木曜もマヒデブランを寝所に召す。 第三宰相アフメトは第二宰相フェルハトが不正をしているとスレイマンに奏上する。 26 ぬれぎぬ イブラヒムはパルガで父マノリスと双子の兄ニコと再会する。 ニコは亡き母のバイオリンをイブラヒム(クリスチャン・ネームはテオ)に贈る。 ヒュッレムはアイシェと側女たちの大部屋で激しく言い合うところを皆に目撃される。 ギュルニハルはアイシェにヒュッレムと対立しないよう諫言する。 夜中に起き出した同室のサドゥカを怪しみ尾行したアイシェは、サドゥカが斧槍持ちボンジュクに文を渡すところを目撃する。 サドゥカは発覚を恐れ、以前から脅迫を受けていたこともあり、アイシェを殺してしまう。 アイシェの擁護を叱責されたために昨夜はヒュッレムと部屋を共にしていなかったギュルニハルを始めとして、後宮中がアイシェを殺したのはヒュッレムと思い込む。 調査が行われる中、アイシェとの犬猿の仲を知られていたサドゥカも犯人候補となるが言い逃れる。 イスラムの長老ゼンビリの許にフェルハト宰相の傍若無人な振る舞いを訴え出る投書が舞い込む。 フェルハトはアフメトが指摘したようにハティジェの姉皇女ベイハンを娶っており皇帝家の婿だった。 母后は皇子皇女をヒュッレムから取り上げて軟禁状態とする。 イブラヒムの許へスレイマンから拝謁するよう手紙が届く。 スレイマンは母后から犯人としてヒュッレムの名を挙げられる。 14 27 聖断 イブラヒムの家族はイブラヒムがオスマン帝国に戻る付き添う決意をする。 スレイマンはヒュッレムを旧宮殿(エスキ・サライ)に追放するよう母后に言い渡す。 スレイマンの許に参内したイブラヒムとハティジェはついに結婚の許可を得る。 ヒュッレムは無実を訴えるが母后の冷淡な応対を浴び、スンビュル、ニギャール、ギュルニハルに全財産を差し出して助けを求める。 子供たちとも引き離され泣きじゃくるヒュッレムを、さすがに側女たちも同情する。 ハティジェからイブラヒムとの結婚を知らされた母后は最愛の娘ハティジェに秘密を打ち明けられずに疎まれていた心の距離を感じる。 息子スレイマンともハティジェの婿選びのことで判断を誤った謗りを感じ受けている。 母后の判断に全面的な信頼を置けなくなったスレイマンは逡巡してヒュッレムの件も思い直し、イブラヒムにアイシェ殺人の調査を担当させる。 28 ヒュッレムの追放 ヒュッレムはハティジェに無実を訴える。 マヒデブランはヒュッレムを信じるなと言うが、皇女ハティジェたる私に命令するつもりかと逆に叱責を受ける。 ヒュッレムはルテニア時代の恋人レオの夢を見るが、奇しくもレオは帝都に上陸しておりマトラークチュと親交を得ていた。 イブラヒムは故郷から持ち帰ったバイオリンをテラスで奏でる。 甘く哀しい調べはハティジェのテラスにも届き最上の時を過ごす。 ヒュッレムは対立しているイブラヒムにさえも無実を訴え出た。 母后はハティジェの結婚の件で意見が尊重されなかったことをスレイマンに漏らすが言い返されてしまう。 結婚式を前に皇女ベイハンが訪れる。 夫たるフェルハト宰相の命乞いを母后に頼むためだ。 ヒュッレム追放の日ギュルニハルはヒュッレムと共に後宮を去る覚悟を決め、ヒュッレムは自分にも酷い仕打ちをしたにも関わらず心からの味方が一人だけいたことを知り哀しく微笑む。 ヒュッレムのいない後宮はスンビュルとニギャールにも退屈に思われ、メフメト皇子との別離の悲嘆に心動かされた側女ルフサルがずっと黙っていたヒュッレムに有利になる目撃情報を伝える決心をする。 イブラヒムは初の御前会議で議決権をスレイマンから一任され、第二宰相フェルハトのスメデレボ軍政官、第三宰相アフメトのエジプト州軍政官への左遷をそれぞれ言い渡す。 イブラヒムはルメリ軍政官アヤスと元宰相チョバンを新たに宰相とする。 イブラヒムは旧宮殿(エスキ・サライ)を訪れ、無実の罪からヒュッレムを救う代わりに交換条件を提示する。 15 29 服従か死か イブラヒムの交換条件はヒュッレムがマヒデブランに服従することだった。 スレイマンは第一皇妃となりながら御子を得て失い、スレイマンの寵愛も失ったギュルフェムを呼び出し語り合う。 ギュルフェムのお召しを知ったマヒデブランはスレイマンとの距離が自分よりも近いことに心中葛藤する。 メフメト皇子が母を恋しがって泣き通しであることに心を痛めたハティジェは、夜中にお忍びで旧宮殿(エスキ・サライ)を訪れる。 アイシェの死後、夜伽を務めてもいないサドゥカが個室を占有していることに側女たちが憤り、大部屋に入ることを余儀なくされる。 行動に周囲の目の制限がつくことを恐れたサドゥカは黄金の道を通り夜伽を望むようになる。 皇位継承権を持つ孫を伴った夜の外出を知った母后はハティジェを咎める。 ハティジェの婚約発表の宴の招待がないヒュッレムは、決意を固め馬車に乗り込む。 皇帝家の婿となることが発表されたイブラヒムは、エジプトに左遷されたアフメトの恨みを買う。 30 美しき悪魔 イブラヒムの交換条件を飲んだヒュッレムは後宮に戻る。 母后はまたしても自分の許可なく決定が下されたと知る。 ヒュッレムはマヒデブランの服の裾に接吻をして敬意を見せスレイマンを喜ばせる。 後宮の闘争に終わりを告げるかのように見え、安堵を覚える一同だったが、ヒュッレムは秘めた決意を抱えて後宮に戻って来たのだった。 ヒュッレムの改悛を快く受け止めたスレイマンは帰還したヒュッレムと一夜を過ごし木曜の約束を反故とした。 ヒュッレムの天下にさせないため母后は新しく対抗馬となりうる側女としてサドゥカを用意する。 アヤスが第二宰相となったため空席中のルメリ(ヨーロッパ)軍政官の任命について、イブラヒムはスレイマンの沙汰を仰ぐが、スレイマンはベネチア(現在のイタリア)のパルガ出身のイブラヒムの兼担が適任だと言う。 ハティジェとの新居の下見に訪れたイブラヒムはマトラークチュに天使の壁画制作の手配を依頼して推挙されたレオと会う。 ヒュッレム不在中にサドゥカの夜伽を敢行するべく、母后はヒュッレムを連れて大宰相邸に赴く。 自分が呼ばれなかったことを知ったマヒデブランは失意に陥る。 壁画制作のためハティジェの屋敷に訪れていたレオはヒュッレムとすれ違う。 16 31 心の嵐 レオは大宰相邸で忘れもしないアレクサンドラことヒュッレム(「朗らかな声」の意味)の声を聞く。 後宮ではサドゥカがご寝所で復讐を実行に移す寸前のところで、メフメト皇子が庭園の池に落ち、血相を変えメフメトの許に向かったスレイマンの背中を見送る。 ヒュッレムは不在中のメフメト皇子の不慮の事故にマヒデブランの関与を疑わず完璧な服従の態度をスレイマンを含め、改めて皆に見せてスレイマンの寵愛が深まる。 実は本心を隠し通すことを学んだだけなのだが、成長を素直に喜んだニギャールはサドゥカが不在中にご寝所に上がった情報を提供してしまう。 ベネチア大使モチェニーゴはヨーロッパ情勢に明るいイブラヒムの就任を祝福する。 ハティジェがイブラヒムとの結婚により後宮を去る際ギュルフェムも伴えないことをこぼす中、ヒュッレムは皇子たちを火難から救ったサドゥカを大宰相邸に連れて行くよう示唆する。 大使から情報を得たイブラヒムとスレイマンはバチカンが目下躍起になっているプロテスタント系ルターに密かに肩入れし、キリスト教世界の対抗構造を生み出すよう策案する。 またイブラヒムはアフメトのエジプト赴任にあたり、自らの息がかかった補佐を密使とする。 ヒュッレムの後宮復帰、ギュルフェムの召喚、ハティジェの新居下見に母后が自分を伴わなかったこと、木曜夜伽でスレイマンに無視され続けた等々の心痛が重なりマヒデブランは体調を崩す。 マヒデブラン付き女官ギュルシャーはもしや懐妊ではないかと言う。 32 クリミアの恋人 ハティジェは母后に新居に伴う側女としてサドゥカを賜る。 大宰相邸に送られる決定を聞いたサドゥカは焦燥し、内通者の斧槍持ちボンジュクと相談するが、ボンジュクは後宮を去る運命と分かった美しいサドゥカに乱暴する。 ギュルシャーはマヒデブランの体調不調について懐妊だと側女たちに先走って話してしまう。 懐妊の噂を聞きつけた母后の祝福を受けるが、木曜の夜は触れられることもなく同室しているだけの真実を打ち明けられないマヒデブランはギュルシャーを叱責する。 辱められたサドゥカの悲鳴にスンビュルが駆けつけ、ボンジュクは斬首刑となる。 イブラヒムは大宰相邸に飾る絵画にスレイマンの肖像画を願い出る。 イスラム教徒にとって偶像崇拝につながる禁忌(ハラム)に近いものであったが、他ならぬイブラヒムの頼みであり、メフメト2世もベリーニに肖像画を描かせたと言ってスレイマンは快諾する。 イブラヒムはレオに肖像画を描くことを命じる。 大好物のウズラのピラフを際限なく食べたがるヒュッレムにニギャールは妊娠中みたいと言い、ヒュッレムは医女を呼んで確認させる。 結果は第三子懐妊だった。 マヒデブランの涙を見たギュルシャーはヒュッレムの命を奪うことを誓う。 17 33 壮麗な祝宴 マヒデブランはギュルシャーに思い留まるよう命令する。 サドゥカは寵臣イブラヒムの大宰相邸であれば皇帝自らの訪問もあると納得する。 ハティジェとの婚礼の前夜、庭園で会えるよう手引きをしたニギャールはイブラヒムに頬をなでられ動揺する。 祝典は9日間続く壮麗なもので国の威信をかけて行われるが、先のロードス遠征で得た国費を費やしたと言って一般庶民と歩兵常備軍(イェニチェリ)は反感を持つ。 ベネチア大使は親欧派のイブラヒムに取り入り、婚礼祝いとして欧州風テーブルを贈る。 祝宴に馳せ参じる馬車の中、ヒュッレムは産気づき、三度目の出産も皇帝スレイマン不在の中で行わねばならなかった我が身と、壮麗な祝宴を挙げてもらっている皇女ハティジェとの身分の違いを痛感する。 第三子は第三皇子の誕生でマヒデブランが産んだ皇子の数をついに超す運びとなった。 34 蜜月 皇子誕生の命名式への参加に気が乗らないマヒデブランだが皇妃の矜持をかけて出席する。 第三皇子は父帝セリムに倣って名付けられる。 ハティジェとの婚礼の夜を迎えたイブラヒムは思いを遂げる。 マトラークチュはサドゥカが大宰相邸にいることに気が付く。 マヒデブランは重要なのは皇子の数ではなく皇帝の地位に就くかどうかだと言い放つ。 スレイマンは皇子を2人産んだ褒美にヒュッレムを外出に誘って森で籠に入った小鳥を贈り共に自然の中で一晩を過ごす。 母后以外の、奴隷として強制連行された全ての側女、女官、宦官、またイブラヒムを含む宰相たちにとっても前例のない外遊は禍根を掘り起こす。 ハティジェはイブラヒムから欧州風テーブルを使った食事習慣を求められ戸惑う。 エジプトに左遷されたアフメトがマムルーク朝のスルタンと接触したとイブラヒムは報告を受ける。 ハティジェの夕食会に招待された一同のうち、特に母后と皇帝は欧州風テーブルを使った食事に眉をひそめる。 サドゥカは自分に恋心を寄せるマトラークチュに、処刑されたボンジュクの代わりに港に行きハンガリーとの連絡係となるよう謀る。 サドゥカの正体を知らないマトラークチュは受けてしまう。 夕食会の席にて大宰相邸に欧州風壁画を描いた絵師として正式にレオを紹介されたヒュッレムは顔色を変える。 18 35 再会 ヒュッレムは大宰相邸の別室で昏倒してしまう。 ハティジェはサドゥカを呼び介抱させる。 イブラヒムとの結婚を当初から良く思わない母后は欧州風の暮らしに疑念を持つ。 夕食会の席でスレイマンはヒュッレムとの肖像画を描くようレオに命じる。 マトラークチュはサドゥカに得意げに連絡手段が整ったと伝える。 エジプト州軍政官として赴任したアフメトは皇帝を自称して独自に新たな金貨の鋳造と人事を命じる。 肖像画の制作時にレオと顔を合わせることを懸念したヒュッレムだが、レオを目前にして思わず母国語ロシア語で密かに会話を交わす。 実はロシア語を解するニギャールは訝しむ。 マヒデブランはハティジェが後宮を去ったことで空室となったテラス付きの部屋を母后に請う。 イブラヒムは自ら後見役を務めるマヒデブランの産んだ第一皇子ムスタファを歩兵常備軍(イェニチェリ)の訪問に伴う。 マヒデブランがテラス付きの部屋を母后に請願していることを知ったヒュッレムは、母后に先んじて皇帝スレイマンに直訴して部屋を賜る。 36 争いの火種 エジプトの密使からアフメトの謀反を知らされたイブラヒムはスレイマンに伝達する。 スレイマンはイブラヒムに反逆者(ハーイン)アフメトの討伐を命ずる。 母后の命で元ハティジェの部屋を新しく整えるよう命じられていたスンビュルは、スレイマン直々の命令との板挟みに陥るが、マヒデブランの前で覚悟を決め皇帝の命を明白に優先させる。 スレイマンとイブラヒムとムスタファ皇子は連れ立って歩兵常備軍(イェニチェリ)の棒給の儀に出席する。 イブラヒムはエジプトへアフメトの討伐に向かうことをハティジェに告げ、万が一の安全のため父マノリスと双子の兄ニコをミストラ県に送る手配を第二宰相アヤスに命じる。 ヒュッレムは肖像画やイブラヒム邸の壁画制作にかこつけてレオと個人的な言葉を交わす。 ハティジェはイブラヒムとの別離を嘆くがイブラヒムとの子を身籠り幸福の絶頂を味わう。 19 37 反逆者 ハーイン の末路 ヒュッレム有利と見て次第に肩入れを深めるニギャールだったが、マヒデブラン付き女官ギュルシャーに見咎められ袋を頭に被せられ暴行を受け、マヒデブランに自分の側に付くよう二重間諜(スパイ)を命じられる。 反逆者(ハーイン)アフメトを手際よく斬首の後晒し首の刑に葬ったイブラヒムはスレイマンに朗報を伝え、遠く離れたハティジェへの思いを霊鳥(シームルグ)になぞらえて恋文をしたためる。 皇帝スレイマンが第一皇子ムスタファとエディルネ宮へ狩りに赴くことを知ったヒュッレムは、マヒデブランに代わり第二皇子メフメトとともに相伴に与るよう画策する。 エディルネ宮にて皇帝のエメラルドの指輪がないことに気付いたヒュッレムは必死に探し、小守の側女エスマにも問うが見つからない。 後宮に残ったマヒデブランはテラス付きの元ハティジェの部屋で指輪を発見する。 38 不吉な兆し 帝都イスタンブルでは、異教徒からの改宗者イブラヒムが最高要職に就き良い暮らしをしていること、皇帝スレイマンが遊びの狩りに出て不在であることに、歩兵常備軍(イェニチェリ)が不満を溜めていた。 ニギャールはイブラヒムとの情事を夢見るようになる。 イブラヒムは一人エジプトで法整備を進めている。 エディルネ宮では可愛がっていた小鳥が死んだことと指輪の紛失に不吉の兆しを見たヒュッレムがスレイマンに先んじてムスタファ皇子とメフメト皇子と共に後宮へ戻ることにする。 だが既に皇帝不在を機と見た歩兵常備軍(イェニチェリ)の暴動が始まっており市場が略奪され今にも後宮に押し入らんとしていた。 後宮では第二宰相アヤスから報告を受けた母后がハティジェを心配して気を失いかける。 ハティジェは歩兵常備軍(イェニチェリ)が憎悪を向ける大宰相邸にギュルフェムと取り残されているのだ。 マヒデブランは緊急事態で失念しておりエメラルドの指輪を嵌めたまま避難していたところをニギャールに目撃される。 後宮への道が封鎖されたヒュッレムは大宰相邸に向かう。 サドゥカを思うマトラークチュ、ヒュッレムを思うレオも合流するが、ハティジェは気が動転して足を滑らせ階段から落ちてしまう。 20 39 反逆の代償 第二宰相アヤスの使者から報告を受けたスレイマンは迅速に行動を起こす。 海路を取り帝都イスタンブル入りを果たし、歩兵常備軍(イェニチェリ)の要求を聞き暴動を抑えつける。 後宮に戻ったスレイマンは母后と再会するが、自分に先立って出発したヒュッレムの姿がないため、二人の皇位継承権を持つ皇子たちの行方不明を伝える。 母后から第一皇子ムスタファの消息を聞かされたマヒデブランは卒倒してしまう。 20万金貨(ドゥカ)の臨時金を勝ち取った歩兵常備軍(イェニチェリ)だったが、暴動を先導した長官はスレイマン自らの手で斬首される。 手引きをした書記官長も処される。 ハティジェの腹の子は流れてしまっていた。 大宰相邸にハティジェを迎えに行ったスレイマンは、ヒュッレムと皇子たちと再会する。 無事に戻ったムスタファから、ヒュッレムが自分を守ってくれたことを聞いたマヒデブランは、エメラルドの指輪を返そうとヒュッレムの部屋を訪れるが決心をつけられない。 ギュルシャーとニギャールが対立する。 イブラヒムが宮殿へと戻る。 40 痛みの記憶 イブラヒムと再会したハティジェは流産を伝える。 スレイマンは再びヒュッレムに籠の小鳥を贈る。 ヒュッレムはエメラルドの指輪を探すため大部屋の側女たちに情報提供を呼びかけ、ニギャールにも問うがニギャールは知らないふりをする。 マヒデブランに呼び出されたニギャールは指輪の返却を言いつけられる。 ヒュッレムはレオへの手紙を報奨金に紛れ込ませニギャールに届けさせるが、感付いたニギャールは手紙をこっそりと読んでしまう。 ヒュッレムの秘密の過去の恋を知ったニギャールはギュルシャーを浴場の桶に沈めてやり返す。 イブラヒムは新しい書記官長にジェラールザーデを任命する。 ハティジェを心配したスレイマンは大宰相邸に外泊するが、見覚えのあるサドゥカを見つけ果たせずにいた夜伽を迫る。 21 41 疑惑 突然のことでサドゥカは武器を所持しておらず意のままになってしまう。 新郎を殺した憎き皇帝に抱かれてしまった無力さに一人むせび泣く。 イブラヒムはレオを帝国に留めおくため宮廷工房に送る。 マヒデブランに呼び出されたニギャールは情報を持ち込めば役職の昇格を約束される。 一度は母后からの懇願により左遷のみで済まされたフェルハトの税金の不正徴収と賄賂の横行が、再び取り沙汰され御前会議の議題に上がる。 ニギャールは報奨金を返却するという名目で忍ばされたレオの手紙を今回も読んでしまう。 フェルハトと皇女ベイハンが勝手に任地スメデレボを離れ母后を訪れる。 依頼された母后はスレイマンに再度命乞いをするが跳ね除けられる。 42 悲しみと死の宮殿 アッケルマン(現在のウクライナ)軍政官が送って来た特別扱いの2人の側女ニーナとターニャが到着する。 自分の出身に近いロシア方面ウクライナ出身であり明るい色の髪と肌を持つことにヒュッレム(史実では「ロシア女」を意味するロクセラーナという通り名が欧州では有名)は憂慮する。 徐々にイブラヒムへの懸想を深めるニギャールは、ヒュッレムとマヒデブランとイブラヒムの三者に挟まれ困惑する。 誰の奴隷でもなく自分自身であれと言われたニギャールは思わずイブラヒムに迫ってしまうが突き放される。 もはやスレイマンの意思が揺るがぬことを確信した母后は、フェルハトの処刑予定時間にベイハンをハティジェと共に大宰相邸へ誘い出す。 後宮に戻ったベイハンはフェルハトの処刑をスレイマンから伝えられる。 ベイハンは悲しみの余り錯乱し、兄としての温情を持たないとスレイマンに避難の言葉を、処刑時間に連れ出した母后への不信を、慰めの言葉をかけたハティジェには「いつか皇帝である兄が夫を処刑したときに初めて私の気持ちが分かる」と言い放ち、後宮を後にする。 ダイェがターニャの夜伽の準備をニギャールに命じ、ニギャールは即ヒュッレムに情報提供する。 心痛のヒュッレムは籠の鳥をテラスから空に放ち、スレイマンの寝所に乗り込み、他の女と寝るなら私を先に殺してと嘆願する。 22 43 愛の反乱 私の忍耐と良心を試すなとスレイマンは言うが、愛と貞節ゆえに懇願するのだとヒュッレムは言い募る。 もし明日中に自分とは別のロシア女を追放しなければ後宮を出て行くと主張する。 立派な皇帝ではあるが近辺の者への感情が無いと他ならぬ妹皇女ベイハンに言われたばかりのスレイマンは葛藤を抱える。 親兄弟を皆殺しにされ投獄され殺人の濡れ衣を着せられ親友が夜伽に差し出され私物が盗難されても服従の態度を見せ、素行が落ち着いていたヒュッレムを思い、奴隷はどこへも行けぬ子供たちにも合わせぬと迫るが、ヒュッレムは死体になってでも後宮を出て行くという。 ロシアの側女たちが出て行くか、自分が死ぬかの二者択一を曲げない。 後宮中がヒュッレムの敗北を確信するが、スレイマンは大方の予想に反しロシアの側女を送り返すよう命じ、後宮中がついにヒュッレムの愛の勝利を知る。 母后は愛など存在せぬと自室で息巻く一方、スレイマンもまた自室でイブラヒムを相手に命懸けの愛を平定するための妥協に不満はないと宣っていた。 ギュルシャーは再度ヒュッレムを廃することをマヒデブランに誓う。 ベネチア大使は元首の私生児アルヴィーゼ・グリッティを擁立する。 44 悪夢 ムスタファ皇子とメフメト皇子を教室から連れ帰ったギュルシャーは「ムスタファ皇子のついで」「私はムスタファ皇子に使える者」との差別発言をする。 無礼を聞き咎めたヒュッレムは叱責する。 ヒュッレム以上に嫌われ者のギュルシャーを大部屋の側女たちも笑う。 グリッティを気に入ったスレイマンは礼服(ヒラット)を贈る。 ギュルシャーはマヒデブランにヒュッレム殺害許可を請う。 サドゥカは近々欧州への遠征があることを立ち聞きし本国ハンガリーとの連絡手段を模索する。 ムスタファ皇子は皇位継承権を持つ皇子らしからぬ振る舞いでスレイマンに叱られる。 ヒュッレムはスレイマンから贈られた、本来であれば皇族にしか許されないモチーフである帝国国花チューリップのブローチを付けて母后の茶会(サロン)に出席する。 得意気なヒュッレムが憎くてならないギュルシャーはその夜、闇に紛れてヒュッレムとセリム皇子が就寝する寝台(ベッド)のふくらみに向け憎悪を込めて何度も短刀を振り下ろして突き立てた。 23 45 後宮の凶行 ヒュッレム付きの小守エスマがセリム皇子の泣き声を聞きつけ寝台を確認すると血が流れている。 仰天したエスマが大声で人を呼び騒ぎとなる。 スンビュルとニギャールが見るとふくらみの中に横たわる姿はヒュッレムではなくギュルニハルだった。 刺されて重体となったギュルニハルはすぐさま治療院へ送られる。 人違いで殺人を犯し呆然自失の体で部屋に戻ったギュルシャーは、刺客がギュルシャー本人だとマヒデブランに見破られてしまう。 命令を下してもいないのに殺人を疑われる立場となり激怒し血がのぼったマヒデブランはギュルシャーを折檻する。 アイシェ殺害に続き皇帝妃を狙った殺人鬼が後宮に潜んでいる状況に母后もダイェも戦慄する。 ギュルニハルの隣に臥せっており明らかに人為的な重傷を負っている不審に気付いたニギャールは、ギュルシャーの凶行を聞き出す。 46 最後の手紙 ムスタファ皇子からマヒデブランが自室で泣いて暴れたと聞かされたスレイマンは顔を曇らせる。 マヒデブランはニギャールに弱みを握られた形となり、ヒュッレムの過失を情報提供すれば昇格させると約束していた役職を母后に請願せざるを得なくなる。 両皇妃の部屋への出入りや恋心のため身綺麗に小まめに浴場に通うなど、仕事を疎かにしていたにも関わらず昇格したニギャールをスンビュルは訝しむ。 ハティジェはマトラークチュがサドゥカに懸想していることを確信する。 サドゥカから報告を受けたハンガリー王ラヨシュ2世はバチカンへ近々遠征があることを伝えるが、敗者に肩入れしない方針のバチカンは神聖ローマ皇帝カール5世のほうに保護を懇願するよう突き放し、ベネチア元首の息子グリッティは庶子に過ぎず教会の祝福を受けていないと言い放つ。 ギュルニハルは一命を取り止めた。 マヒデブランに疑念を抱いたスレイマンは自室を訪れる。 グリッティに満足したスレイマンはカール5世の宿敵フランス王フランソワ1世に関する書簡を託す。 フランソワはカールへの対抗心からプロテスタント派のルターを庇護していた。 ニギャールの後を尾行したスンビュルはレオから手紙を受け取っているところを目撃してしまう。 後宮の恋愛禁止の規則に則りスンビュルはイブラヒムに報告し、イブラヒムはレオの手紙を取り上げることに成功し、ヒュッレムの過去の恋愛を知ってしまう。 24 47 命がけの密会 思いを寄せるイブラヒムから詰問されるがニギャールはヒュッレムを可能な限り庇う。 明日庭園で待ち合わせる手紙を何事もなかったかのようにヒュッレムへ届けるようイブラヒムは命令する。 密会に来たところを検挙するための罠だった。 当日ニギャールはヒュッレムが庭へ向かわないよう邪魔をする。 それでも庭へ向かうヒュッレムだったが、母后とマヒデブランの前に現れたのみでレオは待ちぼうけとなる。 痺れを切らしたイブラヒムは更に強硬手段を取り、レオを拘束して監禁脅迫する。 48 死の宣告 グリッティは妹モ二カを伴って大宰相邸の夕食会に参加する。 スレイマンの肖像画の完成披露もされたが、イブラヒムはレオがすでに帝国を去ったと嘘をつく。 モニカはイスラム世界の女性の地位について意見を述べるが、キリスト教世界も同じだとヒュッレムにそつなくやり返される。 ヒュッレムは第四子を懐妊していた。 翌日ヒュッレムは大宰相邸でレオと引き合わされイブラヒムから脅迫を受け毒入りロクム(菓子)を手渡される。 サドゥカはヒュッレムを追って来たスレイマンの首に短刀を押し当て復讐を遂げようとしていた。 シーズン2 [ ] シーズン2は、トルコ語オリジナル版では第25回-第63回(全39回)であり、2011年9月14日-2012年6月6日に放映された。 日本語字幕版では第1話-第79話であり、2018年7月23日 深夜 -11月12日 深夜 にチャンネル銀河でテレビ初放映され、Huluではそれぞれ翌朝付で動画配信が開始された。 オリジナル版の各回は原則として2話ずつに分割されたが、最終回の第63回 は第77話-第79話に3分割された。 シーズン2の各話のあらすじ [ ] 回 話 サブタイトル 各話のあらすじ 25 1 愛の代償 「アレクサンドラ、君は生きて」と言い残してレオは自ら命を絶った。 皇帝スレイマンはサドゥカを投げ飛ばし危機を脱する。 大宰相邸の侍女の突然の凶行に責任を追及されたイブラヒムだったが、後から遅れて来たニギャールが密かにレオの死体の始末を付けていた。 マトラークチュの手引きでハンガリーと連絡を取っていたとのサドゥカの自白をスレイマンは立ち聞きする。 アイシェ殺害もサドゥカの犯行と判明する。 イブラヒムはアイシェの件で一度ヒュッレムを追放処分にしていた。 ヒュッレムは喪失に我を失う。 ニギャールを詰問するが一部は隠蔽しながら一部は事実を語り、どの妃どの臣官に対しても最後の一手の決定的な処分は手の及ぶ限り避け続ける態度に苛立ちを募らせる。 「私のお妃はあなただけ」と懇願するが、ヒュッレムはニギャールを見限る。 スレイマンに疑われたイブラヒムは焦燥で怒鳴り散らす様子が目立つ。 ヒュッレムはスレイマンから贈られた見事な黒いアラブ馬に「愛(アシュク)」と名付ける。 快復したギュルシャーはマヒデブランに懇願して許される。 一方、捕虜となっていたフランソワ1世をカール5世が解放したとの報告がなされる。 2 ラヨシュへの報復 ヒュッレム付き側女ナズルを連れて母后たちと昼食を取るヒュッレムは馬を贈られた話をする。 御前会議ではスレイマンが報復のためハンガリー侵攻を決する。 1526年5月イブラヒムの率いる先陣はプロヴディフ(現在のブルガリア)で断食月(夜明けから日没まで水一滴も飲まずに新月から新月への一ヶ月を過ごすイスラム教の慣習、ただし戦争中の男子や妊婦や子供は免除される)を終えようとしていた。 家族と過ごす神聖な断食月を優先させたスレイマンは、後から陣に発ちやすいよう帝国領のうち戦地にいちばん近い北方のエディルネ宮に妃たちと来ていた。 最後の日没後の食事(イフタール)は断食を無事に終えた感謝を込めて盛大に祝われる。 不興を買ったマトラークチュはイブラヒムの日没後の食事に呼ばれない。 エディルネ宮のギュル(薔薇の意)宦官は、(妊婦のため除外なのだが)ヒュッレムの好物のウズラのピラフを特別に用意する。 ヒュッレムはレオを殺したデザートのロクムを見て産気づく。 四度目にして初めてスレイマンがそばに控えてくれる出産。 第四皇子は祖父帝バヤジトに倣って名付けられた。 ベネチア庶子グリッティはバチカン法王に呼び出され、オスマン帝国が有利となるでしょうと進言する。 焦ったバチカンはラヨシュ2世へ軍資金を送る決定をする。 ギュル宦官の手腕が気に入ったヒュッレムは帝都トプカプ宮へギュルを連れ帰ることを願い出る。 ハティジェは懐妊していた。 イブラヒムを思うニギャールは懐妊をヒュッレムの耳に入れ、それとなくヒュッレムを焚き付けるが、忠誠心を疑うヒュッレムは「一度裏切れば何度でもやる」と耳を貸さない。 26 3 疑われた忠誠心 軍司令官マルコチョール・バリ・ベイ(S1-9と10登場のバリ・ベイ一族の者)は狙撃されたスレイマンを庇いながら勇猛果敢に刺客を殲滅する。 金属の甲冑の左胸に穿孔が残り、スレイマンは死は突然間近に来るものとの教訓を刻み込んだ。 ヒュッレムと不仲になったことを知られたニギャールはマヒデブランに目を留められる。 ギュルシャーはヒュッレムの小守エスマに事情を聞き込む。 マルコチョールは捉えた刺客からラヨシュの司令部の場所と兵士の数を聞き出した。 スレイマンは決戦地をトルナ城に近いモハーチ平原として、行く手を塞ぐ川に橋を架けるよう命じる。 無事に赤子を出産することに不安を抱くハティジェにヒュッレムは占星術師ヤクップを呼ぶよう持ち掛ける。 スレイマンはイブラヒムに奇襲の責任があるものと叱責する。 ヒュッレムはハティジェにも内密にギュルに命じてヤクップと接触する。 4 モハーチの戦い ニギャールを失ったヒュッレムは、エスマとナズルに加え新しく身辺に置く側女として後宮に来たばかりのニリュフェル(蓮花の意)を、スンビュルにもギュルにも助けを借りず自ら選んだ。 母后は犠牲祭(イスラム教の祝日の1つで神に生贄として捧げた羊やヤギなどの家畜を肉として後ほど貧民に配布するお祭り)の準備を進め、祭典の儀式を皇帝代理としてムスタファ皇子に務めさせた。 知っていればメフメト皇子を始めとして他皇子たちを連れて行けたのに、と自分の陣営側の手薄さを痛感するヒュッレム。 しかも懐妊を黙っているハティジェの姿勢を知らず、ヒュッレムはスレイマンに私信で伝えてしまっており秘密にしていたイブラヒムにも懐妊が伝わってしまっていた。 「勝手なことをするな。 私はオスマン帝国のハティジェ皇女。 奴隷のお前とは違う。 イブラヒムが浮気をしたら離婚して破滅させる」と息巻くハティジェ。 モハーチではトランシルヴァニア領主サポヤイが援軍を送らなかったため、イブラヒムの軍略が成功を修めて開戦から2時間程度でハンガリー国王軍2万を沈める。 27 5 皇妃と皇女 キリスト教世界の玄関口にたどり着いたスレイマンは、援軍を送らなかったサポヤイを好都合な傀儡としてハンガリー新国王に据える。 イブラヒムは戦略が成功した褒美にハンガリーで惚れこんだギリシャ神話の彫像を帝都イスタンブルに持ち替える許可をもらう。 ヒュッレムは激昂したハティジェの言葉を忘れられず、娘ミフリマーフ皇女に「いつか私より強くなる。 誰も命令できず誰もがひれ伏す」と言い聞かせる。 スレイマンは反乱防止のためべフラム宰相をアナトリアへ送る。 化膿した胸の軽傷が痛んだため従軍医師ヤセフに治療を命じる。 ニギャールはイブラヒムにヒュッレムに見限られた窮状を訴えるが冷たく応対される。 一方、地中海では海賊がスペイン船を捉え、カスティーリャ王女イザベラが捕虜となり、オスマン帝都にいるグリッティの知るところとなっていた。 6 囚われの王女 イザベラ王女はハプスブルグ家(神聖ローマ帝国皇帝カール5世の家柄)のオーストリア大公フェルディナントの従弟フリードリヒの婚約者で、国家紛争の火種となりかねない。 グリッティはイザベラを言い値で買うと交渉を持ちかけたが、海賊は帝国のトプカプ宮殿に売るという。 目下、地中海に名を馳せているバルバロス(赤ひげ)傘下だけに抜け目がない。 グリッティはイブラヒムに相談するが、イブラヒムは秘密裏にイザベラを買い受けて匿ってしまう。 グリッティは祖国ベネチアにも使いを出す。 懐妊中のハティジェが心配でたまらない母后はダイェの助言を受けてニギャールを大宰相邸付きにする。 イスラムの長老ゼンビリが死亡したため新たに軍法官イブニ・ケマリを任じる。 ヒュッレムは占星術師ヤクップに誰にも原因も治療法も分からない、ゆっくりと死に至らしめる毒の手配を依頼する。 28 7 イブラヒム邸の彫像 ヤクップは対象者が片時も手離さない物を持ってくるようヒュッレムに言う。 スレイマンはイブラヒムから報告を受け、狩りの館に幽閉されたイザベラを訪問する。 王女の世話は後宮からスンビュルだけがたまの外出を許され内密にされていた。 ハンガリー遠征から持ち帰ったギリシャ神話の彫像が大宰相邸に到着する。 唯一神を信望するイスラム教にとって神ならざる偶像を崇拝すること、また完全な裸の形態を人の目に触れる状態で庭に置くことは卑猥物陳列の禁忌(ハラム)であり、庭を見下ろすバルコニーから勤め始めたばかりのニギャールもハティジェと共に仰天する。 ハティジェは神罰を恐れ不吉だと言う。 マヒデブランはムスタファ皇子の教育を褒められスレイマンから特別予算を贈られる。 マトラークチュとマルコチョールは連れ立って酒場に出かける。 マルコチョールは街角で男に襲われていた娘を救助して一目惚れする。 大宰相邸を訪れたヒュッレムはイブラヒムの筆記帳に目を留める。 8 死の呪い 帝都ではイブラヒムの彫像が物議を醸していた。 詩人フィガーニーの「世界にイブラヒムは2人いる。 偶像を破壊する者と建てる者」を始めとして噂が流れている。 マヒデブランの予算を聞いたヒュッレムは母后に彫像の件を告げ口する。 イブラヒムとの結婚の経緯や生まれながらのイスラム教徒でないことに、当初から抵抗感のある母后は眉をひそめる。 マルコチョールは惚れた町娘の名を突き止める。 イザベラは共に拘束された侍女カルミナと失意の日々を過ごすが、スレイマンから欧州風テーブルを贈られ心を和らげる。 ヒュッレムに忠義心を見込まれたニリュフェルは大宰相邸からイブラヒムの筆記帳を持ち出す。 ヤクップから呪いがこめられた筆記帳は直接手に触れてはいけない制約付きだったが、口実を付けてうまく大宰相邸に戻した。 イザベラはさらに散歩と乗馬の希望を願い出てこれも許されるが逃亡を謀る。 ハティジェは産気づくが、生まれた赤子は息をしていなかった。 29 9 慢心の芽 ハティジェの絶叫に同情したヒュッレムは機転を利かせて赤子を救う。 確執があるイブラヒムからも礼を言われるが、イブラヒムはヒュッレム・ハートゥン(夫人)と呼び、ヒュッレム・スルタン(皇帝妃)とは呼ばない態度は変えない。 ヒュッレムは「もう1つ無垢な命の貸しがある」とレオを思い出させる。 呵責に耐えかね庭に出てヘラクレス、アポロン、ダイアナの彫像を眺めながら「帝都の海を抱く7つの丘、3つの国で、臣民はいつか我が彫像の前にひざまずく」と思わず独り言をしたところを皇帝スレイマンに目撃される。 「ヘラクレスの父親は神々の王ゼウス。 アポロンはディアナと双子。 ではお前は?」とイブラヒム自身も双子であることを暗喩しながらスレイマンは問う。 ハティジェの出産で大宰相邸を訪れた母后は彫像から目をそむけながら、苦難の出産は彫像の呪いだと呟く。 そばにいたマヒデブランはムスタファ皇子の後見役であるイブラヒムの絶対の信望者らしく母后をなだめる。 グリッティとマルコチョールは酒場で偶然の鉢合わせをする。 ギュルは後宮を抜け出して怪しい行動を取っているスンビュルの行動を疑う。 第二宰相アヤスからアナトリアの反乱が広まっていると報告を受けたイブラヒムはそのままアヤスに平定するよう命じる。 町娘アルミンの家を突き止めたマルコチョールは押しかける。 その頃、水の都ベネチア近辺の海上にフリードリヒの姿があった。 10 侵入者 思いが募るニギャールはイブラヒムの風呂をのぞき見る。 イブラヒムはアヤスに命じたことをスレイマンに報告するが、産褥中ハティジェが心配で一人で残したくなかった心を見透かされるように、お前自身が行けと言われてしまう。 スンビュルの痕跡を追ったギュルは狩りの館に辿りつき、美しく高貴な佇まいの女人であるイザベラを目撃する。 グリッティはイブラヒムにイザベラの件で使節が来たと報告するが取り合われない。 やむなく伝書鳩を使って王女に直接連絡を取る。 ギュルから報告を受けたヒュッレムは狩りの館に女人がいてイブラヒムがたびたび訪問しているとハティジェに伝える。 困惑に陥ったハティジェはニギャールを怒鳴りつけ、イブラヒムに「お前の職務は我が家族への奉仕。 私こそ至高の帝国。 私を失うときお前は高官の地位も失う」と言い放つ。 喧嘩を立ち聞きするニギャール。 ムスタファ皇子は癇癪を起こし、スレイマンから激を飛ばされる。 焦りを抱えるフリードリヒは自ら極秘でグリッティに会い、金貨でも通商協定でも何でも与えるから王女を解放するよう伝えよ、とグリッティに命じるがグリッティも無力さを感じている。 母后はアナトリア平定にイブラヒム以外の高官を遣るようスレイマンに願い出るが許可されない。 落胆した母后は「そなたの顔は一方には明るい光、他方には冷たく濃い影。 激高したときは自分が育てた子にも思えぬ。 不気味で恐ろしい。 父帝セリムを思い出させる。 行く末が恐ろしい」と言ってしまう。 大宰相邸では侍女を介して筆記帳の皮に丹念に仕込まれた経皮毒が赤子の肌に触れ、一瞬で紫に変色していた。 30 11 招かれざる客 ハティジェに讒言を吹き込んだとしてイブラヒムはやり返す。 狩りの館では思い詰めてイザベラ奪還を果たそうとしたフリードリヒが拘束されていた。 ハティジェの子は野生梨を煮出した湯での沐浴で一命を取りとめる(実は経皮毒であるため)。 狩りの館に囲った女人は皇帝陛下のとても大切な客人と聞かされたヒュッレムはハティジェに尋ねるが意地の悪い回答をされる。 本性を現し始めたイブラヒムは神聖ローマ帝国の血筋(皇帝カール5世の従弟)であるフリードリヒにも尋問中に行き過ぎた暴行をふるう。 愛人を疑うヒュッレムはスンビュルを詰問するが口を割らないことからスレイマン直々の命令と察しを付ける。 イブラヒムに留守中を任されたニギャールは笑顔を見せてハティジェと赤子を守ることを約束する。 12 疑心 アナトリアの反乱は3万の規模に拡大していた。 イスラム教の一派の長でトルクメン(現在のイランの北東部)人でありカリスマ性の高い人物が率いているからだった。 べフラムの他にカラマンとアレッポ(現在のシリア北部)の軍政官も参戦したが敵わなかったとのことで尊師と呼ばれ大変に慕われている様子。 勢力は熱心なイスラム教信者のみで構成されている。 更にかつて皇帝家の婿フェルハト宰相が赴任して搾取の限りを尽くしたこともあり同じ皇帝家の婿かつ改宗者でもあるイブラヒムに不信感を抱いている。 対するイブラヒムは強制徴用(デブシルメ)でイスラム教に改宗した奴隷兵士で構成される歩兵常備軍(イェニチェリ)五千で多勢に無勢。 その上いずれにしてもイスラム同胞同士の戦いとなるので血を流すのは最小限にしなければならない。 イブラヒムは対抗勢力を内部から崩そうと部族ごとに話を持ち掛けてまわる。 マルコチョールはアルミンの父の両替商の店でアルミンへの贈り物を購入し、アルミンが贈り物を身に付けたところを父に見られるよう策をこらす。 贈り物を見た父は激怒し、アルミンを家から出さないと言う。 我慢が効かなくなったヒュッレムは密かに狩りの館に足を運び、スレイマンとイザベラの様子を観察する。 31 13 燃え上がる炎 アルミンが待ち合わせに来なかったためマトラークチュが内密で両替商を訪ね、マルコチョールの身分はスメデレボ軍政官バリ・ベイの息子で将来を約束された高官だと明かす(なお史実では第8代皇帝バヤジト2世の娘ヒューマ皇女との子で、ヒューマ皇女は第10代皇帝スレイマン1世の叔母であることから従弟にあたる)。 イスラム教では利息を取る高利貸しは禁忌(ハラム)であるためユダヤ教の者が営むのだがアルミンの家もユダヤ教だった(イスラム教はキリスト、ユダヤ、イスラムのいずれかの信仰者であれば結婚可能だが、ユダヤ教は異教徒との結婚を禁じている)。 イザベラの美しさを目の当たりにしたヒュッレムはスンビュルを再度尋問してカスティーリャ王女であると突き止める。 イザベラのほうでは囚われた婚約者を案ずるあまり自棄になっていた。 狩りの館に火を放ち自殺を謀る。 スレイマンは王女を大宰相邸に送り欧州には火事で死んだと連絡が行くよう指示する。 反乱勢力の縮小化に成功したイブラヒムは3日以内にペルシャ方面に立ち去るよう尊師に求めるが、命だけは許すという言葉に宗教的な傲慢さを感じ取った尊師は最後まで抵抗する。 内情を知るハティジェはわざとヒュッレムとイザベラが遭遇するよう手配する。 14 皇帝の計略 ハティジェさえついに共謀に加わったとヒュッレムはミフリマーフにこぼす。 なりふり構わなくなったヒュッレムはニギャールに大宰相邸の情報提供を命じる。 反乱勢力の各部族長を懐柔で説得してまわり五百勢力まで減らしたイブラヒムは制圧に成功し、帝都イスタンブルに戻る。 従弟フリードリヒを投獄されたオーストリア大公フェルディナントはバチカンへ開戦を奏上する。 バチカンは大公の兄、神聖ローマ帝国カール5世の支持を取り付けられるのであれば開戦理由になるが、重ねてルターのプロテスタント派であるハンガリーの傀儡王サポヤイが変わらない限り厳しいという。 アナトリアから戻ったイブラヒムはギリシャ彫像を不吉として覆いをかけていたハティジェに詰め寄る。 目前では初めての喧嘩でニギャールは心中をひた隠しにする。 イブラヒムが無事に戻ったことで母后とスレイマンは和解する。 母后はオスマン帝国の皇位継承者の兄弟殺しの慣習を心配していた。 アナトリア制圧の褒美にイブラヒムの棒旧年額は120万銀貨(アクチェ)から200万銀貨に引き上げられた。 慢心したイブラヒムは詩人フィガーニーを告発する。 イザベラは修復の済んだ狩りの館に連れ戻されるが、スレイマンは火事で死亡を伝え広めたことと開戦理由にもならなかったことからとうとう王女に手を出す。 32 15 危険な一手 スンビュルに頼まれて王女の狩りの館への護送を手伝ったニギャールは、スレイマンが王女に口づけしたことをヒュッレムに報告すべきか思案する。 いまは帝都にいるマルコチョールがいずれ高官として地方赴任するまで消息不明にするため、アルミンの父の両替商は家に軟禁していた娘を身内の家に移送するために連れ出したところをふいをつかれて娘を奪われてしまう。 マルコチョールはマトラークチュの家にアルミンを匿ってくれるよう頼みこむ。 ヒュッレムはイブラヒムが隠蔽しているレオの件を探し出すよう命じるが、ニギャールは狩りの館でのスレイマンの振る舞いを、王女がスレイマンに口づけをしたと事実とは逆のあべこべにして伝える。 逆上したヒュッレムはイザベラに宣戦布告する。 気の強いイザベラはヒュッレムの挑発に乗ってスレイマンが私に興味を持っているのだと言い返す。 スレイマンは大宰相邸の夕食会でレオの名を持ち出す。 16 王女の告解 欧州風の暮らしのイブラヒムを高く評価するイザベラが馴れ馴れしくて不愉快だとハティジェはこぼす。 一方でイブラヒムは教会で告解をしたいという王女の頼みを聞いて教会へ連れて行く。 スレイマンに口づけされたことから(婚約中のイザベラは婚前交渉、婚外恋愛ともに罪になる)悩みを抱えているのも本当のことではあるが、牧師に2人きりの告解室で身分を明かし密かに助けを求める意図を持っていた。 またイブラヒムは思いがけず教会で磔の十字架を見かけて己の宗教を鑑み直す。 教会の神父はグリッティを呼び出してイザベラの生存を聞く。 マトラークチュの家に匿われているアルミンはマルコチョールへの恋心を自覚し始め、結婚するための改宗をも視野に入れ始める。 ヒュッレムは散策に出かけた庭園で蛇を見かける。 イブラヒムと2人で内密に町へ出たことを知ったハティジェは気持ちに整頓が付かない。 イブラヒムが告解へ連れて行ったことを知ったスレイマンは王女を狩りの館に戻し、自ら制作したルビーとエメラルドのネックレスを贈る。 アルミンの行方を捜して半狂乱になる両替商はマトラークチュを問いただし、マトラークチュから知ったイブラヒムはマルコチョールを尋問する。 製作中だったはずのネックレスが消えたことに気付いたヒュッレムはイザベラの首を飾っているのに気づき不敵な笑みを浮かべる。 大宰相邸ではイブラヒムが高熱を出し、ニギャールが甲斐甲斐しく介抱する。 ニギャールはヒュッレムがレオの秘密の捜索願いをしてきたと報告をする。 33 17 特別な贈り物 民間療法を知るニギャールはイブラヒムに吸い玉を施す。 親密な行為を見たハティジェはニギャールを宮殿付きに戻す。 快復したイブラヒムはマルコチョールに両替商ジョシュアの娘アルミンをいちど父のもとに帰して懐柔するよう命令する。 解放されたフリードリヒは神聖ローマ帝国のウィーン宮殿に戻りグリッティと連絡を取る。 狩りの館では、神父からの報告を受け生存を知ったグリッティが伝書鳩を使って届けた手紙を侍女カルミナが見つけて喜ぶ。 決意を固めたヒュッレムは王女に贈る衣装の製作を早め、庭で見た蛇を贈り物の箱に密かに入れさせる。 マヒデブランからカスティーリャ王女の話を聞いた母后はイザベラに興味を持ち、ひとめ見るため宴を開くが狩りの館から断りもなく連れ出したことをスレイマンに知られる。 スレイマンとイザベラがテラスに出ている姿を見たヒュッレムはイブラヒムにさえも助けを求める。 18 後宮の宣戦布告 スレイマンは母后に「私の判断は帝国のため。 王女を後宮の駆け引きに使うな」というが、母后は「国の問題が女人への関心や贈り物で解決するはずはない」と言い返す。 両替商の家を訪ねたマルコチョールは、一家がすでに家を引き払っていたことを知る。 母后とハティジェに再びイザベラと引き合わされた怒り心頭で、ヒュッレムは母后とハティジェとマヒデブランとギュルフェムの集う茶会(サロン)に勢いに任せ参上し、「ご皇孫を4人も産んで差し上げました。 私の誇りを踏みにじって面白いですか?私は不敬者ではありません。 私の罪は何ですか?母后の御子スレイマン様を愛したことですか?あとどのくらい罰を受ければいいのでしょう」「私は母后さまも皇女さまも敬愛していました。 でもお2人は私を愛してはくれなかった。 嫌がらせばかりなさった。 マヒデブランの肩を持ってばかりでも敬意を払いました。 でも無駄でした。 いまだに私は邪魔者のようです」と言い放つ。 母后は「千年の伝統の後宮では、いかなる女人も皇帝の支配者や絶対的な伴侶にはなれぬ。 さもなくば秩序が崩れ、後宮は保てぬ」と言い返すが、ヒュッレムは「このままのご対応を続けるのでしたら、私は自分と皇子たちを守らねばなりません」とついに宣戦布告をする。 翌日、母后はスンビュル、ギュル、ニギャールを呼びつけ職務を再確認させ、ヒュッレムからテラス付きの部屋を取り上げる。 ヒュッレムは4人の子供と再び側室の個室に戻る。 体調を崩していたイブラヒムは再び高熱に浮かされ、スレイマンはハンガリー遠征から連れ帰ったユダヤ人の侍医ヤセフを呼び寄せる。 イザベラはヒュッレムが贈り物の箱に仕込んだ蛇に噛まれる。 34 19 毒牙 スレイマンはイザベラに応急措置をする。 ヤセフ師はイブラヒムの容態を見抜いてレスボス島でだけ取れる土を処方し、毒を吸着させ助けた。 毒と知ったイブラヒムはヤセフ師に口止めする。 母后はヒュッレムから取り上げた部屋をムスタファ皇子に与える。 イブラヒムの看病に疲れて授乳したまま寝入ってしまったハティジェは翌朝、冷たくなった我が子を発見する。 窒息死させてしまったのだった。 ハティジェの絶叫を聞いたニギャールは駆けつけて状況を知り、医女とイブラヒムを呼ぶ。 イブラヒムは「私に毒を盛り、息子を殺したのはお前だな」と言うが、ヒュッレムは「自分が命を救った子を殺すわけがない」と言う。 血が上ったイブラヒムはレオの日記を持ち出して脅迫する。 目を覚ましたハティジェは窒息させてしまったのは自分だと告白する。 20 最後の切り札 ハティジェは夢と現実の間をさまよいながら、夢でニギャールが赤子を抱いているところを見て「もしやイブラヒムに懸想を抱いているから殺したのか」と、ニギャールを責める。 イブラヒムを殺しそこねたヒュッレムは占星術師ヤクップを呼び出して叱責する。 イザベラは脱出の手引きを密かに整え、スレイマンに「心に決めたことがあって許可をもらいに教会に行きたい」と頼む。 スレイマンは今回はイブラヒムではなくマルコチョールに命じて教会に付き添わせる。 イザベラは告解室で神父に扮した男から船の用意があると算段を説明されるが、逃亡後に責任を取らされるマルコチョールの身を案じ、決行を思いとどまる。 後宮でニギャールに遭遇したヒュッレムは、レオの日記を真剣に探しているのか、と改めて聞き直す。 だがイブラヒムに毒が原因だったと知らされたニギャールは筆記帳に思い当たり、ヒュッレムが復讐に燃えているから気を付けるよう警告する。 決心したイブラヒムはレオの日記帳を持ってスレイマンの前に奏上しに来る。 35 21 失ったもの ロシア語の日記を読むようスレイマンに命じられたヒュッレムはなるべく当たり障りのない箇所を選んでのろのろと読み上げる。 時間稼ぎをしているうちにハティジェが浴場で自殺未遂を起こした知らせがもたらされる。 駆けつけるスレイマンとイブラヒム。 日記と取り残されたヒュッレムは皇帝の自室から物を持ち出せして小姓たちの前を通れるはずもなく、テラスから中庭に向かって日記を投げる。 自室に戻る途中、ニリュフェルに中庭の日記を回収するよう命じるが、すでに日記は誰かに持ち去られた後だった。 血眼になって辺りを探しているニリュフェルを見かけたギュルシャーは問いただすが、ニリュフェルは口を割らない。 実は日記はギュルシャーが拾っていたが、ロシア語で書かれているため読めないでいた。 ハティジェを案じたスレイマンは母后とエディルネ宮へ行って気晴らしをしてくるよう提案する。 ヒュッレムはハティジェのもとに現れたイザベラに国外逃亡の手引きを申し出るが、イザベラは迷う。 部下にアルミン捜索をさせていたマルコチョールは両替商の家を訪れ、意外にも家に通された。 中には寝台に臥せったアルミンの姿があり、娘は悲しみに沈んで病気になってしまった、マルコチョールが最後の頼みの綱だと言われる。 マヒデブランはロシア語のできるニギャールを呼び出し、レオの日記を翻訳させようとするが、ニギャールは側女が後宮に辿りつくまでの日記だと嘘をつく。 トランシルヴァニアから大使が派遣されてハンガリーのサポヤイがカトリックの王を望む欧州に煩わされていると訴える。 22 死の病 神聖ローマ帝王カール5世はオーストリア大公フェルディナントにハンガリー王になるよう密書を送る。 マルコチョールの思い人アルミンは黒死病(ペスト)だった。 稀代の名医ヤセフ師でも治せないという。 余命いくばくもない感染症だがマルコチョールは一晩付き添う。 ヒュッレムはイザベラ逃亡の計画をギュルに命じる。 イブラヒムはニギャールにレオの日記の探索を命じる。 翌日マヒデブランの部屋に忍び込み、日記を発見したニギャールはイブラヒムにもヒュッレムにも献上せず庭に埋めてしまう。 イブラヒムにはマヒデブランではなくヒュッレムの部屋を探索したと嘘をつく。 夜中ハティジェがエディルネ宮に療養しているのをいいことに、ニギャールはイブラヒムの部屋に忍び込み、上掛けをかけ直す振りをしてイブラヒムを誘惑する。 一方、トプカプ宮殿にも黒死病患者が出始めていた。 ギュルの手引きで小船に乗り沖合に出たイザベラだったが、海上の船で待っていたのはイブラヒムの姿だった。 36 23 夢物語 イザベラはイブラヒムに連れ戻される馬車の中でかくも強大な至高の帝国の世界皇帝の妃になりたくはないかと示唆される。 またイブラヒムは関係を持ったことから、隠ぺいのためニギャールを宮殿付きに戻す。 黒死病にかかったアルミンとマルコチョールは残り時間が少ないことを思い、結婚することを決意するが、イスラム法による結婚の翌朝にはアルミンは息を引き取っていた。 イブラヒムはイザベラ王女の逃亡にギュルが関与したことを理由に責め、ヒュッレムを探るよう二重間諜(スパイ)を命じる。 イブラヒムの言葉をひとり反芻するイザベラはスレイマンに祖国カスティーリャに送還させると言われても浮かない顔をする。 ニギャールはイブラヒムに送り返された後宮で泣いてばかりで仕事をしなくなったことを理由に良縁を見つけて追放するよう言われる。 ハティジェはエディルネへの転地療法から大宰相邸に戻る。 24 奪い合う愛 ニギャールはイブラヒムに大宰相邸での仕事から遠ざけられても後宮から追放して結婚を命じるのだけはご勘弁くださいと懇願する。 レオの日記を探すギュルシャーはニギャールの部屋で見つかり騒動となる。 ハティジェは寝台のそばで女人の持ち物を発見する。 イザベラが逃亡に成功したと思い込み、宴を開いていたヒュッレムは母后から叱責を受ける。 ダイェはニギャールが何に悩んでいるのか見当がつかずスンビュルに聞くが、スンビュルも理由が分からない。 だがダイェは必死にニギャールには失態もないと庇う。 ハティジェはニギャールに落とし物を渡して疑惑の目で見つめる。 ギュルから相談されたヒュッレムはニギャールを問いただす。 イザベラの残留を知ったヒュッレムは再びイザベラを脅すが、勝気なイザベラは逆にヒュッレムに宣戦布告し、後宮に入ることを決意してしまう。 37 25 邪視 ヒュッレムは母后からイザベラの後宮入りを宣言される。 ヒュッレムはスレイマン自身の言質をもとに問いただすが、スレイマンは適切と見なしたとの一言で終わらせる。 スレイマンと暮らすと放言し、改宗もしないイザベラに、自分自身、身分の違い、男女の差に悩むニギャールは一笑に付す。 身分も宗教も男女の格差の違いも、身の危険さえも超えてニギャールもヒュッレムも愛する人を求めて来たのだった。 ニギャールを呼んだヒュッレムは、旧宮殿(エスキサライ)行きを阻止したことを理由にイザベラの排斥に関わるよう命じるが、ニギャールはイザベラの夜伽の準備を遂行する。 ミフリマーフに「お母様も王女?」と聞かれたヒュッレムは、母后、マヒデブラン、ダイェの前で皇子や皇女を産んでも奴隷は奴隷のままと答える。 「勝つのは私。 1人1人、排斥してやる」と言い残す。 ニギャールがイザベラを黄金の道へ誘うのを見たヒュッレムは、心配するニギャールに「触るな」と言い放ち、自室でスレイマンの恋文を燃やす。 アルミンを失ったマルコチョールはスメデレボ(セルビア)に一時帰郷する。 グリッティはサポヤイにはハンガリー王の重責が務まらないと奏上する。 ニリュフェルはヒュッレムに命令され、イザベラの馬のあぶみの調整を変え、王女は落馬する。 イブラヒムに呼び出されたニギャールは王女の排除を手伝い、ヒュッレムが王女を傷つけた証拠にするよう命じられる。 証拠が上がらないよう、黒死病の患者の血を吸った包帯をイザベラの落馬の傷跡に使うよう、ニギャールはヒュッレムに入れ知恵する。 26 狙われた王女 愛児を失う運命を共にしたとハティジェはギュルフェムに言う。 また占星術師ヤクップに会いたいとこぼすハティジェを押しとどめようとするが、ハティジェはヤクップに会いたいとこぼす。 故郷に帰ったマルコチョールは幼馴染のサーリハから思いを寄せられるが、マルコチョールは応えることができない。 ニギャールは庭でイブラヒムから毒薬を渡される。 マトラークチュは「スレイマン帝紀」をしたためていたが、それを知ったイブラヒムは「イブラヒム一代記」も記述するよう命じる。 イザベラ排除の決行日、ニリュフェルとギュルの手筈はすでに整っていたが、ニギャールはひとりで筋書きを変え、包帯を燃やす。 スンビュルはギュルに命じられた側女フィダンが対策を講じていた。 ニギャールの様子を伺っていたギュルはニギャールが包帯を燃やす様子を目撃する。 ニギャールはイザベラの食事に毒を盛るが、死んだのは侍女カルミナだった。 ギュルから報告を受けたヒュッレムはニギャールがイブラヒムと共謀したと責め、毒はニギャールの独断、カルミラとイザベラはお前の責任で始末しろという。 ギュルはニギャールを問い詰める、切り捨てられるのはイブラヒムに付いたとしてもヒュッレムに付いたとしても、ニギャールだったと。 それでもお前を守ったのはヒュッレム皇帝妃だったと。 イブラヒムに消される可能性はなかったのかと。 カルミナが死んでいることに気付いたイザベラは即座にニギャールとギュルに捉えられ、洗濯室に連れていかれる。 ニリュフェルはスンビュルの足止めをする。 ダイェに見咎められるが、うまく言いのける。 38 27 尽きぬ野望 ニギャールからイザベラの生存を知らされたヒュッレムは選択室に赴く。 翌朝イザベラの機嫌伺いに現れたスレイマンは姿がないことに気付く。 スンビュルやイブラヒムに行方を尋ねるが杳として知れない。

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欧亜にまたがる大帝国となった「オスマン帝国」をわかりやすく解説

オスマン 帝国 と は

パルガル・イブラヒム・パシャ 名前:イブラヒム(İbrahim ) 地位:オスマン帝国大宰相 生年:1493年 没年:1536年 父:ユスフ 母:不明 妻:ムシャン・ハトゥン、ハティージェ・スルタナ イブラヒムはヴェネツィア共和国の領土だったギリシア北部の町エピルスで産まれました。 父親は漁師か船員でキリスト教(正教)徒だったといわれます。 子供時代(1499~1502年)にデヴシルメ(徴用)でイスタンブルにつれてこられました。 イブラヒムはオスマン帝国で教育を受け知識を身に着けます。 イブラヒムはキリスト教徒(正教徒)の家に産まれましたが、オスマン帝国に来てイスラム教徒に改宗しました。 オスマン帝国のボスニア総督イスケンダー(Iskender Pasha)の領地で暮らしました。 イスケンダーの娘・ハフス Hafs がイブラヒムに愛情を注ぎ教育を行ったといいます。 1514年ごろ。 イブラヒムはオスマン帝国のマニサの宮殿に売られました。 マニサでイブラヒムはスレイマンと出会い親しくなりました。 ハフスがイブラヒムをスレイマンに紹介したといわれます。 スレイマンの側近として頭角をあらわす 1520年。 スレイマンが皇帝に即位。 イブラヒムは皇帝直属の鷹匠頭になり、その後も様々な役職を経験しました。 イブラヒムは政治や軍事で才能を発揮して昇進を重ねました。 しかしイブラヒムは他の高官からの反発をおそれて「これ以上昇進させないように」とスレイマンに直訴します。 スレイマンはイブラヒムの謙虚さに満足し、自分が即位している間はイブラヒムを処刑しないと言いいました。 イブラヒムはギリシアのパルガル出身だったため「パルガ人」とよばれることもあったようです。 イブラヒムはトルコ語以外にギリシャ語、アルバニア語、スラブ語が話せました。 イブラヒムはイスラム教徒に改修していましたが、キリスト教の習慣を完全に捨てたわけではありません。 両親を首都に呼び寄せました。 イブラヒムの父親はユスフという名前を与えられました。 オスマン帝国の官僚となりエピラフの総督を勤めました。 大宰相になる 1523年。 イブラヒムは大宰相になりました。 その後13年間大宰相の地位にありました。 歴代の大宰相と比べても強い権力を持っており、皇帝のスレイマンに匹敵するほどの権限を持っていたといわれます。 イブラヒムは自分を捕らえたイスケンダー・パシャの孫娘、つまりハフスの娘ムシャン・ハトゥンと結婚しました。 豪華な結婚式だったといわれます。 ムシャンは最初はかつての召使いだったイブラヒムを快く思っていなかったようでしたが、次第に心を通わせるようになりました。 スレイマンの妹・ハティジェとは結婚していない? 一般にはイブラヒムはスレイマンの妹ハティジェと結婚したと考えられています。 しかしハティジェとの結婚したという直接の記録はありません。 そのためイブラヒムはハティジェとは結婚していない、あるいはイブラヒムと結婚したのは別の皇女ではないかという説もあります。 ムシャンとの結婚は確実。 離婚した様子もありません。 ハティジェと結婚した場合はイブラヒムには二人の妻がいたことなります(イスラム教では妻は4人までもてるため)。 ムシャンの死後にハティジェと再婚した可能性もあります。 皇帝並みの力を持ち外交で活躍 1525年。 オスマン帝国の属領エジプト州の総督アフメト・パシャが反乱を起こしました。 アフメト・パシャは処刑され、後任としてイブラヒムがエジプト州総督になりました。 イブラヒムはエジプト赴任中に法律や軍の制度を改革しました。 イブラヒムはヨーロッパ諸国との外交でとくに高い成果をおさめました。 イブラヒムはカトリック国との交渉では自分自身を「オスマン帝国の全ての権力は私のもとにある」と主張して有利に交渉を進めました。 神聖ローマ帝国のカール5世、ヴェネツィア、フランスとも交渉を行いオスマン帝国に有利な条件で交渉をまとめています。 イブラヒムは普段は人に親切でしたが、規則を破った人には非常に厳しい人でした。 また一般人同様に王族にも税を支払うように要求しました。 イブラヒムのこのような態度は不公平だと感じている人々からは歓迎されました。 イブラヒム自身も膨大な富を得ましたが、学校、病院、モスクを作り福祉のために使っています。 スルタン・イブラヒム しかしサファヴィー朝ペルシャとの戦いをめぐって財務長官イスケンデル・チェレビと意見が対立。 さらに自身の称号として採用した「セラスケル・スルタン」がスレイマンへの冒涜になるとしてスレイマンの支持を失います。 「セラスケル」とは「軍隊の頭」という意味。 オスマン帝国では陸軍の最高司令官に与えられる称号です。 「スルタン」の称号はイラク周辺では部族長が一般的に名乗る称号でした。 だからスルタンは何人もいるのです。 ところがトルコ系民族のオスマン帝国では「スルタン」を名乗ることができるのは「皇帝」ただ一人でした。 イブラヒムは占領地の習慣にあわせて「セラスケル・スルタン」と名乗ったのかもしれません・ でも、イスタンブルにいる人々にとっては皇帝に対する侮辱と受け止められました。 スレイマンの命令で処刑される 1536年3月15日。 イブラヒムはスレイマンの夕食会に出席しました。 ところがイブラヒムは何の説明も受けずに、その場で死刑執行人によって絞殺されました。 スレイマンは自分の在任中はイブラヒムを処刑しないという誓いをたてていたため、モスクを建造して誓いを取り消したといわれます。 イブラヒムの財産は国に没収され息子も処刑されました。 イブラヒムは大きな権力と財産を手にしました。 しかし宮廷内にはイブラヒムの成功を妬む人も多かったようです。 皇后ヒュッレム・ハセキ・スルタンもイブラヒムを快く思わない一人です。 ヒュッレムは財務長官イスケンデルの発言を指示。 イブラヒムの悪口をスレイマンに吹き込みます。 スレイマンは幼馴染の裏切られたと思って激怒して処刑の命令を出しました。 ヒュッレムは自分の息子を次の皇帝にしようと考えていました。 しかしイブヒムはマヒデブランの産んだムスタファを支持していました。 そのため宮廷内のイブラヒムへの反発を利用したのではないかといわれます。 スレイマンは晩年イブラヒムの処刑を後悔するようになりました。 晩年のスレイマンが作った詩のなかに友情と信頼を強調する詩があります。 そこに描写された人物像はイブラヒムのものでした。 しかし後悔は遅すぎたのでした。 イブラヒムの屋敷は現在トルコイスラム美術館になっています。

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オスマン帝国

オスマン 帝国 と は

トルコ族の一首長を始祖とするから発展して成立したイスラム帝国 1299~1922。 ともいわれる。 13世紀末北西部に一族を中心とする新国家が形成され,隣接するビザンチン帝国を征服して勢力を拡大した。 オルハン1世のときダーダネルス海峡を渡ってヨーロッパ側に進出し 1357 ,ムラト1世は アドリアノープル を首都にして諸国の連合軍を 89 で破った。 バヤジッド1世はドナウ河岸のニコポリスにヨーロッパ連合軍を撃破し 96 ,公式に「」を号したが,小アジアに西進したチムールの軍にで大敗した 1402。 バヤジッドの子メフメット1世はオスマン国家を再建し,その子のときその版図はドナウ川に達した。 1453年はを陥落させ,ビザンチン帝国はした。 コンスタンチノープルはオスマン帝国の首都となり,イスタンブールと改称された。 これ以後東方イスラム世界に対する征服が進められ,セリム1世はマムルーク朝を滅ぼしてその首都カイロに入城した 1517。 カイロにあったカリフの末裔はセリムに「カリフ」の称号を譲り,ここにが成立した。 の治世 20~66 にオスマン帝国はに達し,アジア,アフリカ,ヨーロッパにまたがる大帝国が完成された。 スレイマン1世をもってオスマン帝国の征服活動はほぼ完了し,大宰相をはじめとする国家官僚による統治機構が確立されたが,帝国内部の諸矛盾は克服されず,の兆しが次第に明らかとなった。 1683年大宰相カラ・ムスタファ・の指揮するウィーン包囲が失敗した頃からヨーロッパにおいて守勢に立ち,露土戦争後に締結されたクチュク・カイナルジ条約 1774 によって帝国の後退は決定的となった。 1789年に即位したセリム3世は帝国の改革に着手し,これ以後開明的なスルタンが相次いで近代化に努めたがみるべき成果をあげえず,この間にギリシア,北アフリカ,エジプト,バルカン諸邦が西欧の影響下に帝国から離脱した。 戦後の混乱を収拾したは 23年トルコ共和国を宣言し,オスマン帝国は第 36代メフメット6世をもって消滅した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について の解説 オスマン・トルコ,オットマン帝国とも。 小アジアを中心に北アフリカ,西アジア,バルカン,黒海北部,カフカス南部を支配したイスラム帝国。 1299年から1922年まで存続。 が分裂した時,オスマンOsmanと名のる人物を中心とした勢力がトルコ系小王国を統合,独立した。 の領土を合わせ,を破ったが,1世の時,1402年とのに敗れて一時分裂した。 しかしたちまち再興し,2世の時にはに都を定めた。 1世の時全盛期に達し,地中海の制海権を握った()。 同時に君主専制・中央集権化が図られた。 文武諸官は身分に応じた封地を与えられ兵力を養ったが,のちには常備軍(イエニチェリ)が軍事力の中核となった。 素朴な民衆文学も芽ばえ,また大モスク,などが首都を中心に作られた。 国内の少数民族は自治を認められ,宗教,習慣を保持した。 16世紀末にはドイツ,ポーランド,ロシア,ベネチア連合軍の攻撃を受け,による政治の腐敗も加わって,バルカン半島を放棄。 さらにピョートル1世以来ロシアの侵略を受け,黒海沿岸からも後退し,西欧列強の干渉が続いてを招いた。 (西洋化改革)やオスマン主義を援用して近代国家としての再生を図ったが,帝国内の少数民族も半独立の状態を続けるなかで,1908年の革命が起こった。 さらに1911年,2次ので体制はくずれ,の革命によって滅亡した。 単にオスマンあるいはオットマン帝国とよばれる場合もある。 オスマンと名のるイスラム戦士(ガーズィ)をリーダーとする小集団として発祥し、第一次世界大戦後に滅亡するまで600年以上にわたって西アジア、バルカン、北アフリカの大部分の地域を支配し、世界史上に大きな足跡を残した。 [永田雄三] 帝国の発展1326年にビザンティン帝国の要都ブルサを征服して首都に定め、54年以後バルカン半島に進出。 61年ごろアドリアノープル(現エディルネ)を征服してここに首都を移した。 89年コソボ、96年ニコポリス、1444年バルナの諸戦役で、相次いでバルカン諸民族の軍隊を破って15世紀なかばにはブルガリア、ギリシア、アルバニア、セルビア地域を併合し、ビザンティン帝国を孤立させた。 1453年、メフメト2世(在位1444~46、1451~81)の率いるオスマン軍はコンスタンティノープルを攻略してビザンティン帝国を滅亡させると、この都をイスタンブールと改名し、国内各地からトルコ人、ギリシア人、アルメニア人などを移住させて新しい首都建設を行った。 その結果、16世紀中ごろにはイスタンブールの人口は約50万に達し、ヨーロッパ最大の都市となった。 この間に帝国の版図はさらに拡大し、15世紀末にはアナトリアとバルカンのほぼ全土を平定した。 16世紀に入るとシリア方面の領有をめぐって、エジプトのマムルーク朝と対立し、1517年にセリム1世(在位1512~20)指揮下のオスマン軍はエジプトを征服してマムルーク朝を滅ぼすとともに、メッカ、メディナの両聖都の保護権を獲得し、ここにオスマン朝の支配者(スルタン)は同時にスンニー派イスラム教徒の指導者カリフの地位をも手中にした(スルタン・カリフ制)。 スレイマン1世(在位1520~66)はモハーチの戦い(1526)でハンガリーを服属させ、1529年にはウィーンを包囲攻撃してヨーロッパ諸国を脅かし、ヨーロッパの政局に大きな影響を与えた。 地中海方面では38年にスペイン・ベネチア・ローマ教皇の連合艦隊をプレベザ沖の海戦に破り、またチュニジア、アルジェリアをも併合し、東方ではバグダード、バスラに支配権を確立して、メソポタミアを押さえた。 これによって、帝国は地中海、黒海、紅海、ペルシア湾の制海権を掌握して、東西と南北に広がる国際貿易路を掌握することに成功し、ここに最盛期を迎えた。 [永田雄三] 帝国内の諸制度国内においては、メフメト2世以後、歴代のスルタンたちはカーヌーン・ナーメとよばれる法典を整備し、アナトリアとバルカンに住むキリスト教徒男子を強制徴用(デウシルメ制)して、スルタンの奴隷身分である軍人および官僚層を育成したほか、イスタンブールなどの大都市に設置したイスラム高等教育機関(マドラサ)を通じてイスラムの諸学問を修めたウラマー層を育成して、これに教育、司法および地方行政を一任した。 都市民の大多数を占める商工民はギルドに組織されていたが、それはまたトルコ人民衆の間に浸透した神秘主義諸教団と密接な関係をもっており、ともに民衆の社会的組織化に貢献した。 広大な支配領域全土を通じて駅伝制が発達し、スルタンや高級官僚はモスク、隊商宿、橋、学校、病院などを都市や隊商路上に建設し、遊牧民たちがウマ、ラバ、ラクダなどの輸送手段を提供した。 帝国の主要な軍事力をなす在郷軍団はティマール(軍事封土)を与えられたスィパーヒー(騎士)が主力をなしていた。 国有地制度に基づく農村社会では6~15ヘクタールほどの耕地を保有する小自営農民が多く、大土地所有者はほとんど存在しなかった。 18世紀以後、帝国内部には徴税請負制と大土地所有が普及し、これらを基盤としてアーヤーンとよばれる地主層が勃興 ぼっこう してスルタンの専制支配を脅かした。 19世紀に入ると、これに加えてキリスト教徒被支配民族の独立運動が活発となった。 こうした危機に直面してスルタンは、フランス、イギリスなど西ヨーロッパ諸国の教育、技術、制度、法を導入することによって改革政治を行った(タンズィマート)。 しかし、19世紀後半以後、帝国の経済はヨーロッパ諸国に支配され、また、バルカン諸国は帝政ロシアなどの支援によって政治的独立をかちとり、エジプトもまたムハンマド・アリー朝が成立して事実上独立した。 これに対して国内では、青年将校の主導による民族主義的な立憲革命が起こった(1908年の「青年トルコ党」革命)。 第一次世界大戦に帝国がドイツ側に加担して敗北すると、アナトリアは連合諸国によって分割の危機にさらされ、ギリシア軍が西アナトリアに進攻した。 ここに至って、ムスタファ・ケマル(ケマル・アタチュルク)の指導の下にトルコ国民はオスマン王家に対して反乱し、同時に連合諸国に対する反帝国主義運動を展開した(トルコ革命)。 その結果、1922年11月にスルタン制が廃止されてオスマン帝国が滅亡し23年トルコ共和国が成立した。 しかし近年の研究で,君主(スルタン)がトルコ人でイスラーム国家だが,多民族と多宗教を包摂し,高級官僚も民族・宗教の別なく登用したところから,単にオスマン帝国と記述されるようになった。 【前期】始祖伝説によるとオスマン家は,セルジューク朝と同じトルコ系オグズ族出身で一部族の長だったといわれる。 中央アジアからイランのホラサーン地方に移り,建国の祖オスマン1世の祖父のときアナトリアにはいったとされる。 14世紀半ばころからバルカンへの進出を開始してエディルネ(アドリアノープル)に遷都し,1389年コソヴォの戦いに圧勝してバルカンを支配下におさめた。 この戦いのあと君主になった第4代バヤジット1世のときから,君主の称号もベイからスルタンに変わった。 バヤジット1世は,1396年ニコポリスの戦いで東欧連合軍に勝利して国勢を拡張したが,1402年に西進するティムール軍にアンカラの戦いで大敗し,国家も滅亡の危機にひんした。 約10年にわたる空位時代ののち再興され,メフメト2世の1453年,コンスタンティノープルを占領してビザンツ帝国を滅ぼし,イスタンブルと改称して遷都(以後1922年の帝国滅亡まで首都)。 徴税制度と軍事制度に関しては,トルコ系の辺境騎士に起源をもつ騎兵シパーヒーが中心で,彼らに対して軍事奉仕の見返りとして徴税権を与えるティマール制(イクター制と同源)も15世紀半ばころに確立された。 またスルタンの常備軍は,14世紀後半のバルカン進出とともに実施されたデウシルメ制(キリスト教徒子弟の強制徴用)のなかで,鉄砲を持つ歩兵イェニチェリ軍団として形成された。 続くスレイマン1世時代,モハーチの戦いの勝利(1526)によるハンガリー領有,第1次ウィーン包囲(1529),プレヴェザの海戦の勝利(1538)による地中海の制海権の確立などで帝国は全盛期を現出し,フランスにカピチュレーションを与えた(1536)。 彼の死後,レパントの海戦に敗北(1571)するも,地中海における帝国の優位は変わらなかった。 その後も第2次ウィーン包囲の失敗(1683),カルロヴィッツ条約(1699)によるハンガリーの喪失まで,帝国の安定期は続いた。 帝国内では,16世紀末〜17世紀にかけて火器を使用しないシパーヒーの重要性が薄れ,常備軍中心に移るとともにティマール制も形骸化して,徴税請負制へと変化していった。 またこの時期,整備された中央官僚制度はヨーロッパ諸国のモデルとされ,民族や宗教に寛容な政策もあって,国土回復運動にともなうイベリア半島のユダヤ教徒(セファルディム)の最も安全な亡命先となった。 18世紀の帝国は,否応なくライバルであるヨーロッパの情報を知り学ぶことが要求される時代となり,同世紀前半のこの動きはチューリップ時代と呼ばれた。 18世紀前半,帝国は領土的な大きな喪失はなく,最後の安定期だった。 また技術・制度面での西欧化改革の試み(新政)が18世紀末から開始され,セリム3世によって洋式軍隊(新式軍)が創設された。 いっぽう,19世紀にはいると,1821年からのギリシア独立戦争によって東方問題が本格化した。 1826年,マフムト2世によって,近代化の障害となっていたイェニチェリが全廃された。 1876年,この改革を打ち切り,ミドハト憲法が発布されるが,翌77年の露土戦争勃発を口実に,アブデュル=ハミト2世によって施行を停止された。 1908年エンヴェル=パシャらを中心とする青年トルコ革命が起こり,停止されていた憲法が復活した。 青年トルコ政権は,1912年の第1次バルカン戦争に敗北してマケドニアを失うと,外交面でドイツヘの接近をはかった。 第一次世界大戦には同盟国側で参戦するが降伏し,1920年8月セーヴル条約を結び西アジアの領土を失った。 講和条約交渉中の1919年,ギリシア軍のイズミル(スミルナ)侵入が始まるが,亡国の危機に対処できないイスタンブル政権に対して,ムスタファ=ケマルがトルコ国民党を結成して決起し,20年アンカラ政権を樹立,22年ギリシア軍を撃退した。 同年スルタン制が廃止され,600年以上にわたるオスマン帝国はここに滅亡した。 出典 旺文社世界史事典 三訂版 旺文社世界史事典 三訂版について 世界大百科事典 内のオスマン帝国 の言及 【ギリシア】より …ローマ帝政期には中流市民の没落に伴って,ローマの保護のもとで有産市民が市参事官となって地方自治の実権を握り,帝政後期以降には小作制による大土地所有制が発達していったものと推定される。 【太田 秀通】 【ビザンティン帝国,オスマン帝国時代】 [ビザンティン帝国下のギリシア] 前2世紀以降,すでにギリシアの地はローマ帝国に編入され,属州アカイア,マケドニアが設けられていたが,330年にコンスタンティヌス1世によってコンスタンティノープルが帝国の東の首都と定められ,さらに395年にローマ帝国が東西に分裂すると,コンスタンティノープルを首都としギリシア,バルカンを中心とする東のローマ帝国は,西のローマ帝国とは別の歩みを始めることとなった。 東の帝国は一般にビザンティン帝国とよばれるが,その歴史は,ローマ帝国理念,ギリシア文化,キリスト教の三つの要素を独自の形で結合させて発展していった。 初期にはイランのサファビー朝との対応で,北部のアレッポが軍事的にも通商上も重要な拠点であった。 … 【トルコ族】より …他方,カラ・ハーン朝によって促進された西トルキスタンのトルコ化は,16世紀におけるのこの地への新たな進出によって完成を見る。 【間野 英二】 [セルジューク朝とオスマン帝国] トルコ族と西アジア・イスラムとの関係は,8世紀の初めにアラブ軍が中央アジアに進出し,多くのトルコ族が戦争捕虜として,また購入奴隷として西アジア・イスラム世界にもたらされたことを発端とする。 そして,10世紀の中ごろにシル・ダリヤ北方の草原地帯で遊牧生活を送り,素朴なシャマニズムを信仰していた〈〉と総称されるトルコ系部族に属する人びとの一部が,やがて南下して,マー・ワラー・アンナフルに入り,イスラムを受容した。 出典| 株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版について.

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