唐衣 き つつ なれ にし つ まし あれ ば。 古今和歌集の部屋

無量寿寺 かきつばた

唐衣 き つつ なれ にし つ まし あれ ば

「唐衣(からころも)(=枕詞(まくらことば))きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ」 [訳] 唐衣を着なれるように、なれ親しんだ妻が都にいるので、はるかここまでやって来た旅のつらさを身にしみて感じることだ。 から-ころも 【唐衣・韓衣】 分類枕詞 「着る」「裁つ」「裾(すそ)」「袖(そで)」「紐(ひも)」など、衣服に関する語や、それらと同音をもつ語にかかる。 「からころも竜田(たつた)の山はもみちそめたり」 [訳] 竜田の山は紅葉しはじめたことだ。 以上ウエブリオ。 何故訳したり訳さなかったりするのか。 前の回答のように、比喩になっているから、訳さないと和歌全体の意味が通じない、という説明も出来る。 しかし、ウエブリオの和歌ではない方の所では例文で枕詞を訳していない。 この違いが分かるだろうか。 たしかにあとの方は比喩ではない。 しかしそれだけだろうか。 この違いはどこにあるか。 それは、用言に係る枕詞か、体言に係る枕詞か、というところにあります。 あとの方は、竜田の山という体言(名詞)にかかっています。 前の方は、着、という用言にかかっています。 専門的すぎるかも知れませんが、こういう考え方もあると思って下さい。

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唐衣 き つつ なれ にし つ まし あれ ば

こんにちは。 「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思う」この歌は「昔、男ありけり」と語られる「男 在原業平 」が京の都を離れ東国へと旅する模様、三河の八橋という場所での出来事を綴った部分です。 >昔、男ありけり。 その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。 もとより友とする人、 ひとりふたりして行きけり。 道知れる人もなくて、惑ひ行きけり。 三河の国八橋といふところに至りぬ。 そこを八橋といひけるは、水行く河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。 その沢のほとりの木の陰に下りゐて、乾飯食ひけり。 その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。 それを見て、ある人のいはく、「かきつばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心をよめ。 」と 言ひければ、よめる。 唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ とよめりければ、みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり。 との部分を読みますと、問題の和歌の直前に、どの様な光景がつづられているか。 それを踏まえて口語訳して下さいとの出題意図を読みとることができます。 旅の一行が道不案内な情況の中で三河の八橋との場所に辿り着いた。 するとそこには河が流れていてその様子がまるで蜘蛛が脚を広げたような形を示し、それぞれに橋が架かっていた。 その一つの流れ近くの木陰で食事をしていたら、すぐそばに燕子花の花が咲いていて、それを見た一人が「あのかきつばたの五文字を言葉の頭文字に据えて、旅している私たちの心情を詠じなさい」と言ったので、私は「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思う」との歌を詠んだ。 するとそこにいた他の人々は皆一様に落涙したので、食べていた乾飯 ほしい。 一度炊いた米を乾燥させて保存食とした食品 がみな粥のようにふやけてしまった。 以上がこの部分の大意です。 ですから先ずは 1 ここに示されている「かきつばた」がこの和歌全体に対する「折り句」であることを理解すること。 2 「唐衣」は平安時代の公家の女子が着用した正装であることから、別れを告げて都においてきた女性のこととその人物に対する断ち切れない想いの比喩であること。 3 「唐衣」が「着る・裁つ・裾・袖・紐」など衣服に関する語やそれらと同音をもつ語にかかる「枕詞」であること。 4 「唐衣きつつ」は「なれ」を導く「序詞」であること。 5 「つま・はるばる・きぬる・なれ」は共に「唐衣」の「縁語」であること。 以上の点を踏まえることが大切です。 では具体的にこの歌を読み解いてみましょう。 これらを歌の中に込めての口語訳を試みるなら 「今こうして私は旅路にあるけれど、都には着慣れた唐衣の様にように慣れ親しんだ妻がいる。 そのことを想うと長い間連れ添ってきたあの人のことが頭に浮かびとても切なく感じる。 都から離れ遥々やってきたことと重ね合わせると何とつらいことだろう」との独白くらいの意味でしょうか。

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古今和歌集の部屋

唐衣 き つつ なれ にし つ まし あれ ば

その男、身を えうなきものに 思ひなして、「京にはあら じ。 あづまの方に住む べき国 求めに。 」とてゆき けり。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 えうなき=ク活用の形容詞「要(えう)なし」の連体形、必要がない、役に立たない 思ひなし=サ行四段動詞「思ひなす」の連用形、思い込む、考えて~だと決める じ=打消意志の助動詞「じ」の終止形、接続は未然形 べき=適当の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 「べし」は㋜推量㋑意志㋕可能㋣当然㋱命令㋢適当のおよそ六つの意味がある もとめ=マ行下二動詞「求む」の連用形、探す、欲しいと願う、買う けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 昔、ある男がいた。 その男は、自分を役に立たないものと思い込んで、「京にはおるまい。 東国のほうに住みのによい国を探しに(行こう)。 」と思って出かけた。 もとより友とする人、ひとりふたり していき けり。 道 知れ る人もなくて、まどひいき けり。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 知れ=ラ行四段動詞「知る」の已然形。 直後に完了・存続の助動詞「り」が来ているため、已然形となっている る=存続の助動詞「り」の連体形、接続(直前に来る活用形)はサ変なら未然形・四段なら已然形 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 以前から友人としている人、一人二人とともに行った。 道を知っている人もいなくて、迷いながら行った。 三河の国八橋といふ所に いたり ぬ。 いたり=ラ行四段動詞「至る」の連用形 ぬ=完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形。 直前に連用形の「いたり」が来ているため、完了・強意の助動詞「ぬ」だと分かる。 打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」ではない。 打消しの助動詞「ず」の接続は未然形だからである。 また、文末で終止形と予測して活用から判断してもよい。 ただし、文末は係り結びによって連体形となることもあるので注意。 三河の国、八つ橋という所に到着した。 そこを八橋といひ けるは、水ゆく河の 蜘蛛手(くもで) なれ ば、橋を八つ 渡せ るによりて なむ、八橋といひ ける。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 蜘蛛手(くもで)=クモが手足を伸ばしている様子に例えて、八方に水が分流している様子を表している。 渡せ=サ行四段動詞「渡す」の已然形 る=存続の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 なむ=強調の係助詞、結び(文末)は連体形となる。 係り結びとなる係助詞は「ぞ・なむ・や・か・こそ」とあるが、結びが連体形となるのは「ぞ・なむ・や・か」であり、「こそ」の結びは已然形となる。 「ぞ・なむ・こそ」は強調の意味である時がほとんどで、訳す際には気にせず普通の文として訳せば良い。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形。 係助詞「なむ」を受けて連体形となっている。 係り結び そこを八橋と言ったのは、水の流れる川がクモの足のように八方に流れているので、(それらの八つの流れに)橋を八つ渡してあることから、八橋と言うのだった。 その沢のほとりの木の陰におり ゐて、乾飯(かれいひ)食ひ けり。 その沢にかきつばたいと おもしろく咲き たり。 ゐ=ワ行上一動詞「居(ゐ)る」の連用形。 すわる。 とまる、とどまる。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形。 おもしろく=ク活用の形容詞「面白し」の連用形、趣き深い、美しい。 興味深い たり=存続の助動詞「たり」の終止形、接続は連用形 その沢のほとりの木の陰に(馬から)降りて座って、乾飯を食べた。 その沢にかきつばたの花がとても美しく咲いていた。 それを見て、ある人のいはく、「かきつばた、といふ五文字(いつもじ)を句の上(かみ)に 据(す)ゑて、旅の心を詠め。 」といひ けれ ば、よめ る。 据(す)ゑ=ワ行下二段活用の動詞「据う」の連用形。 ワ行下二段の動詞は「植う(うう)」「飢う(うう)」「据う(すう)」の3つのみなので、覚えた方がよい。 けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 る=完了の助動詞「り」の連体形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形。 直後に体言である「歌」が省略されているため、文末にもかかわらず連体形(体言に連なる形)となっている。 「詠める(歌)。 」 それを見て、ある人の言うことには、「かきつばた、という五文字を各句の上に置いて、旅の心を詠みなさい。 」と言ったので、(男が)詠んだ歌。 ぬる=完了の助動詞「ぬ」の連体形、接続は連用形 ぞ=強調の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び 思ふ=ハ行四段動詞の連体形。 5文字以下で、それ自体に意味がほとんどないなどという点で序詞とは大きく異なる。 唐衣=枕詞、「着る」の他に「裾」「裁つ」などに掛かる。 序詞は前置きなので、作者の言いたいことは三句以降の部分である。 たいてい序詞の最後は「~のように」と訳す。 読者に意味を一つに限定されない配慮としてひらがなとして書かれることが多い。 なれ=「萎れ」と「馴れ」が掛けられている つま=「妻」と(着物の)「褄」が掛けられている。 はるばるの「はる」=「はるか遠く」と「(布を)張る」という意味が掛けられている。 ある言葉から連想できる言葉が縁語。 この和歌では、「衣」の縁語として「着(き)」「馴れ(なれ)」「褄(つま)」「張る」の 4つである。 唐衣を着続けて体になじむように、馴れ親しんだ妻が(都の京に)いるので、はるばるとやって来た旅をしみじみと思うことだ と詠め り けれ ば、みな人、乾飯の上に涙落として ほとび に けり。 ほとび=バ行上二動詞「潤(ほと)ぶ」の連用形、水分を含んでふやける に=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 と詠んだので、(その場にいた)みんなは、乾飯の上に涙を落として(乾飯が)ふやけてしまった。 続きはこちら 問題はこちら -.

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