請負契約書 雛形。 工事請負契約書の雛形|Word作成の2種類を無料でダウンロード

個人事業主&フリーランス用、業務委託契約書の雛形と注意点【重要です】

請負契約書 雛形

この記事を書いた弁護士 西川 暢春(にしかわ のぶはる)咲くやこの花法律事務所 代表弁護士• 出身地:奈良県。 出身大学:東京大学法学部。 主な取扱い分野は、「問題社員対応、労務・労働事件(企業側)、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」です。 事務所全体で300社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。 ・ 工事がトラブルになったときに自社に有利に解決できるかどうかの鍵を握るのが 「工事請負契約書」です。 様々な標準約款やひな形が公表されていますが、必ずしも工事業者の利益に重点をおいて作成されているわけではありません。 そのため、 よく確認せずに標準約款やひな形を使うと以下のような思わぬ損害をこうむることがあり、危険です。 例1: 工事遅延について高額の違約金が発生してしまう。 例2: 「地中障害物発生の際の除去費用の請求」や、「追加工事発生の際の追加工事代金」の請求が困難になる。 例3: 近隣からのクレームなどにより工事ができずに工期に遅れた場合でも違約金が発生してしまう。 今回は、 工事請負契約書の作成のポイントと標準約款の問題点についてわかりやすく解説します。 また、自社で工事請負契約書の作成が難しい場合に弁護士に依頼して作成してもらう場合の費用等についてもご紹介しています。 それでは見ていきましょう。 また顧問弁護士をお探しの方は、以下を参考にご覧下さい。 この記事を読めばわかること 最初にこの記事を読めばわかることを一覧でご紹介しておきます。 気になる項目は記事内の詳しい解説をご覧下さい。 1,オリジナルの工事請負契約書の作成すべき2つの理由 まず、 結論からいうと、工事請負契約書は、標準約款やひな形に頼るのではなく、自社オリジナルのものを作成することが必要です。 標準約款やひな形は、自社オリジナルの工事請負契約書を作成する際の参考程度と考えていただくのがよいです。 その理由は以下の2点です。 理由1: 標準約款やひな形は個別の工事にぴったり当てはまらない まず、 一般に公開されている標準約款やひな形が必ずしも個別の工事にぴったりくるものではありません。 工事請負契約書といっても、施主と工事業者との契約書もあれば、元請と下請との契約もあるのであり、それぞれ作るべき契約書の内容や注意点が異なります。 また、新築工事なのかリフォーム工事なのかによっても作成すべき契約書の内容が異なります。 実際、標準約款やひな形を読んでみて、自社の工事の内容と合わないのではないかと感じるケースは多いのではないでしょうか? 契約書がトラブル予防の役割を果たすためには、自社の工事内容にぴったり当てはまる契約書を作る必要があります。 理由2: 標準約款は工事業者に有利ではない 自社オリジナルの工事契約書を作成するべきもう1つの理由は、 一般に公開されている標準約款やひな形が必ずしも工事業者側の利益に配慮して作成されているわけではないからです。 例えば、比較的よく使用されている「国土交通省作成の民間建設工事標準請負約款(乙)を見ても、どちらかというと施主側に有利にできていて、工事業者がそのままこれを利用することはおすすめできません。 自社の利益に配慮したオリジナルの契約書を作成しておくことは必須なのです。 2,工事請負契約書の記載事項 一般的な 工事請負契約書の記載事項は次の通りです。 第1条(目的) 契約の目的を記載します。 どちらが発注者でどちらが受注者かが必ずわかるように記載しましょう。 例えば、「乙は、甲に対し、下記の工事を請け負い、これを完成することを約束し、甲は請負代金を支払うことを約束する。 」などと記載します。 第2条(工事の表示) 工事名、工事内容、工事場所、工期、代金額、支払方法、引渡時期について記載します。 例えば以下のように記載します。 第4条(工期の変更) 工事の遅延により工期を変更できる場合について記載します。 工期に遅れた場合工事業者が発注者に対して賠償責任を負うことになりかねないため、工期が遅れるような事情が発生した場合に工期を変更できるようにしておくことは重要です。 第5条(一般の損害) 工事の途中で建物や工事の材料、建設機械などに損害が生じた場合に、発注者、受注者でどのように損害を負担するかについて記載します。 第6条(第三者への損害) 近隣への迷惑、通行人のけがなど、工事によって第三者に損害を与えたときの損害賠償責任を発注者、受注者でどのように分担するかについて記載します。 第7条(近隣への対応) 工事にあたって必要になる近隣への説明や近隣からのクレームの対応について、発注者、受注者でどのように役割分担するかについて記載します。 第8条(検査、引き渡し) 工事完了後の検査、引き渡しの方法について定めます。 第9条(請負代金の支払い) 請負代金支払いの手続きについて定めます。 第10条(違約金) 「工事が遅延した場合に受注者が発注者に支払う違約金」や、「工事代金の支払いが遅れた場合に発注者が受注者に支払う違約金」について定めます。 第11条(瑕疵担保責任) 工事完了、引き渡し後に発見された不具合について、受注者が責任を負う期間や責任の範囲を定めます。 第12条(発注者による契約の解除) 発注者側から契約を解除できる場合について定めます。 解除の場合に契約解除までにした工事の工事代金の支払いをどうするかについても必ず定めておきましょう。 第13条(受注者による契約の解除) 受注者側から契約を解除できる場合について定めます。 第14条(権利義務の譲渡の禁止) 受注者、発注者とも、契約に基づく権利義務を第三者に譲渡することはできないことを定めます。 第15条(協議) 契約書に定めのないことについては協議により解決することを定めます。 第16条(合意管轄) 工事についてトラブルが発生した場合にどこの裁判所で審理するかを定めます。 合意管轄条項については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご確認ください。 3,工事請負契約書の作成のポイント それでは、 工事請負契約書の作成のポイントについてみていきましょう。 以下のポイントをおさえておいてください。 ポイント1: 工事遅延の場合の違約金は適切に定める。 ポイント2: 工期の延長について適切な規定を設ける。 ポイント3: 追加工事代金を請求しやすい内容にする。 ポイント4: 近隣からのクレームについての対応を定める。 ポイント5: 地中障害物の発見などの場面の対応を定める。 以下ではこの5つのポイントについて詳しくご説明し、あわせて、よく使用されている標準約款の問題点についてもご紹介していきたいと思います。 なお、以下では、民間建設工事標準請負約款(乙)を「標準約款」と呼んでご説明していきます。 (1)注意!標準約款は工事遅延の違約金が高すぎる この点、 標準約款は工事遅延の場合の違約金が高すぎるという問題があります。 標準約款第23条は、工事業者の責任により、完成・引き渡しが遅れたときは、代金全額に対して年14. 6%の違約金を請求できる内容になっています。 つまり、代金1億円の工事が3ヶ月遅れた場合、365万円もの違約金を支払うことになります。 しかし、 法律上は、通常、遅延に対してのペナルティーは年5%または6%で計算することとされており、14. 6%としている標準約款は法律よりも高い違約金を工事業者に課す内容になっています。 標準約款通り、年14. 6%もの違約金を支払うと、工事が遅れれば利益が一気に吹き飛び、場合によっては赤字になる危険がありますので注意が必要です。 (2)違約金は年5%程度が適切 自社でオリジナルの工事請負契約書を作成し、その中で、完成・引き渡しが遅れたときの違約金については法律どおり年5%で計算することを定めておきましょう。 年5%とした場合、代金1億円の工事が3ヶ月遅れた場合の違約金は125万円になり、標準約款の違約金の3分の1程度で済みます。 なお、工事遅延の場合の違約金を定めないという選択肢も一応ありますが、あまりおすすめはできません。 工事が何らかの事情で遅延してしまった場合に、発注者によっては法外な賠償を請求してくるケースもあります。 そのような 賠償トラブルに対応するためにも、あらかじめ契約書で工事遅延の場合の違約金を定めておき、トラブルになったときもあらかじめ決めた違約金の額で解決できるようにしておくことをおすすめします。 5,ポイント2: 工期の延長について適切な規定を設ける ポイントの2つ目として、工事請負契約書を作成する際は、 工期の延長が必要なケースについて適切な規定を設けることが重要です。 具体的には、「天候不順」や「施主側の仕様決定の遅れ」によって、工事が遅延した場合に、工期を遅延したとして違約金を課されることを避けるためにも、工期を延長できる規定を設けておく必要があります。 (1)注意!標準約款では工期の延長が難しい この点、標準約款第21条では、工事業者は「不可抗力によるとき又は正当な理由があるとき」は工期の延長を求めることができるとあります。 そして、その場合の延長日数は「発注者と協議して定める」ことになっています。 しかし、このような約款は、以下の2つの問題があります。 問題点1: まず、 「天候不順」や「施主側の仕様決定の遅れ」などのケースが「不可抗力や正当な理由があるとき」に該当するとして工期の延長が認められるのかどうか、不明であるという問題があります。 場合によってはそれは工事業者のせいだということを言われて、工期延期が認められず、工期に遅れた場合に多額の違約金が発生するということになりかねません。 問題点2: 次に、 標準約款では延長日数について「発注者と協議して定める」ことになっているため、発注者側が延長を承諾しない限り、工期を延長できないという問題もあります。 (2)発注者の承諾がなくても工期を延長できるようにしておく 工事請負契約書を作成する際は、例えば「天候不順により工事ができなかった場合」については、発注者が同意しなくても、工事業者からの通知により自動的に工期が延長される旨を定めておくことをおすすめします。 「受注者は、発注者に通知することにより天候不順により工事ができなかった日数分工期を延長することができる」などと契約条項を定めておけば、発注者が同意しなくても工期の延長が可能です。 同様に、 「施主側の仕様決定の遅れ」により工事が遅れるケースについても対策が必要です。 例えば、「工事業者からの仕様の問い合わせに対して施主が1週間以内に仕様を決定しなかった場合」には、発注者が同意しなくても、工事業者からの通知により自動的に工期が延長される旨を定めておくとよいでしょう。 「受注者は、発注者に通知することにより、仕様を決定するために要した日数のうち1週間を超える日数分について工期を延長することができる」などと契約条項をを定めておけば、発注者が同意しなくても工期の延長が可能になります。 このように、工期を延長できるケースを明確にし、また、発注者の同意がなくても工期を延長できるようにしておくことがポイントです。 6,ポイント3: 追加工事代金を請求しやすい内容にする ポイントの3つ目として、工事請負契約書を作成する際は、 追加工事が発生した場合に追加工事代金を請求しやすい契約書にしておくことが重要です。 (1)注意!標準約款では追加請求できない場合がある この点、標準約款第20条2項では、工事の追加や変更により工事代金を変更する必要があるときは、「発注者と受注者とが協議して定める」となっています。 これでは、協議の結果、受注者が追加代金の請求を承諾しなかった場合は、追加工事代金を請求できないことになりかねません。 (2)発注者の承諾がなくても追加請求できる内容にしておくべき 自社のオリジナルの工事請負契約書を作成する際は、発注者の承諾がなくても追加工事代金を請求できる内容にしておくべきです。 そのためには、以下の点を定めておきましょう。 1,追加工事代金の支払義務についての記載 まず、 工事の追加や変更の場合は、発注者は当然、追加や変更について追加工事代金を支払う義務があることを明記しておきましょう。 2,追加工事代金の決め方についての記載 次に、追加工事代金額の決め方についての契約条項を入れておきましょう。 追加工事代金額については別途追加工事契約書で決めることを原則とするべきですが、実際には発注者側が追加工事契約書の作成に応じない場合もあるでしょう。 そのため、 追加工事契約書が作成されない場合も、追加工事代金が請求できるようにしておくことが必要です。 例えば、「工事業者から追加代金について見積書を送付し、それに対して1週間以内に発注者が異議を述べないときは発注者はその追加代金の支払いを承諾したものとみなす」内容の契約条項を入れておくなどの対応が考えられます。 7,ポイント4: 近隣からのクレームについての対応を定める ポイントの4つ目として、工事請負契約書には、 近隣からのクレームが出て工事を中断しなければならないようなケースの対応を定めておくことが重要です。 (1)注意!標準約款では近隣クレームがあっても工期を延長できない この点、 標準約款では近隣からのクレームによる工事中止の場合も工期は延長できない内容になっています。 標準約款第12条で、施工のために第三者と紛争が生じたときは、受注者がその処理解決をしなければならず、これによって工期は延長されないことを定めているからです。 これでは、施工に対して近隣からクレームが入り工事を中止せざるを得ないようなケースであっても、工期が遅れたことについて、工事業者が違約金を支払うことになりかねません。 (2)近隣クレームの場合は工期を延長できることを明記すべき 自社のオリジナルの工事請負契約書を作成し、以下の点を定めておきましょう。 1,近隣からのクレームへの対応の責任 まず、工事業者に責任のない近隣からのクレームについては、発注者の費用と責任で解決しなければならないことを定めておきましょう。 2,工事中止の場合の工期延長 次に、工事業者に責任のない近隣からのクレームによって工事を中止せざるを得ない場合は、その中止期間の日数分、工期が延長されることを定めておきましょう。 このように、工期の延長について定めて、自社に責任のない近隣からのクレームが原因で工事を中止することになっても工期遅れによる違約金等が発生しないことを明確にしておくことが必要です。 8,ポイント5: 地中障害物の発見などの場面の対応を定める 工事請負契約書作成のポイントの5つ目として、 土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発見などによって、当初予定していなかった費用がかかる場合は、その費用を確実に請求できるようにしておきましょう。 (1)注意!標準約款では地中障害物などがあっても追加請求が難しい この点、 標準約款の内容では地中障害物などがあって思わぬ費用がかさんでも追加請求が難しいことが実情です。 つまり、標準約款第9条4項では、土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発見などによって請負代金を変更する必要がある場合は、発注者と受注者が協議して定めることになっています(9条4項)。 そのため、発注者が追加費用の請求を承諾しなければ、追加費用を請求できないことにもなりかねません。 (2)承諾がなくても費用が請求できるようにしておくことが重要 工事請負契約書を作成し、土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発見などによって、当初予定していなかった費用がかかる場合は、発注者の承諾がなくても費用を請求できるようにしておくことをおすすめします。 具体的には以下の点を盛り込みましょう。 1,追加費用の支払義務についての記載 まず、土壌汚染、地中障害物の発見、埋蔵文化財の発見などによって、当初予定していなかった費用がかかる場合は、その対応に要した費用を支払う義務があることを明記しておきましょう。 2,追加費用の決め方についての記載 次に、 追加費用の額の決め方についての契約条項も設けておきましょう。 追加費用の額については別途追加工事契約書を作成することを原則とするべきですが、発注者が契約書の作成に応じない場合もあるでしょう。 そのため、追加工事契約書が作成されない場合も、追加費用が請求できるようにしておくことが必要です。 例えば、受注者から追加費用について見積書を送付し、それに対して1週間以内に発注者が異議を述べないときは発注者はその追加費用の支払いを承諾したものとみなす内容の契約条項を入れておくなどの対応が考えられます。 9,咲くやこの花法律事務所なら工事請負契約書についてこんなサポートができます。 最後に 咲くやこの花法律事務所における工事請負契約書についてのサポート内容をご説明したいと思います。 咲くやこの花法律事務所におけるサポート内容は以下の通りです。 (1)工事請負契約書の作成のご相談 この記事でもご説明したとおり、 標準約款やひな形を安易に使用した場合、自社の利益を十分に守ることができず、思わぬトラブルに見舞われるおそれがあります。 工事を請け負うときあるいは下請に工事を発注するときは、トラブルを防止できるよう、自社オリジナルの契約書を使用するべきです。 もちろん、自社オリジナルの契約書であればどんなものでも良いというわけではありません。 会社の状況や工事内容などを踏まえて法的なリスクに的確に対処したものであることが重要です。 特に工事請負契約書は、事業の基盤となる重要な契約書ですので、工事請負契約書の作成に精通した弁護士への依頼をおすすめします。 咲くやこの花法律事務所には建設業の顧問先が多数あり、これまでも建築代金の未回収問題や工事現場のトラブル、あるいは瑕疵についてのクレームの事件を多数解決してきました。 その経験から弁護士は建設業界の事情に精通しており、独自のノウハウを集積しています。 ご相談、ご依頼いただければ、会社の状況や工事の内容、性質などを丁寧に伺ったうえで、契約書作成の経験豊富な弁護士が業界の実情も踏まえた最適なオリジナル契約書を作成します。 ぜひご相談ください。 発注者から工事請負契約書が提示された場合に、工事業者が何のリーガルチェックもなく、工事請負契約書を交わしていると、自社に不利益な内容の契約書にサインしてしまい、後日、大きな損害につながる危険があります。 咲くやこの花法律事務所には建設業の顧問先が多数あり、これまでも工事請負契約書のリーガルチェックを数多くご依頼いただいてきました。 咲くやこの花法律事務所にご相談、ご依頼いただければ、会社の状況や工事の内容、性質などを丁寧に伺ったうえで、契約書に不利な点、付け加えるべき点がないか十分なリーガルチェックを行います。 また、今すぐお問い合わせは以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。 11,工事請負契約書についてお役立ち情報も配信中!無料メルマガ登録について 12,工事請負契約書に関連するその他のお役立ち情報 今回の記事では、「工事請負契約書の作成ポイントを解説し、その中で標準約款や雛形の安易な利用は危険であること」についてご説明しました。 また以下では、工事請負契約書に関連するようなお役立ち情報をまとめておきますので、合わせてご覧下さい。 さらに、この記事でご説明した工事請負契約書のほかにも、下請業者との契約書、自社で雇用する従業員との雇用契約書、就業規則を常に整備し、万が一のトラブルにあたり、万全の対応ができるようにしておくことも非常に重要です。 日ごろの小さなトラブルのご相談や、万が一に備えて日ごろから進めるべき契約書の整備については、いつでも気軽に相談できる咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご利用が便利です。 顧問弁護士サービスについては以下も参考にご覧下さい。

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建設会社が、親方・職人の雇用責任を負わないための請負契約のポイント

請負契約書 雛形

「請負」とは、他人から頼まれた仕事を引き受けることで、仕事を完成させることが目的になっています。 請負契約は、当事者の一方(注文者)が相手方(請負人)に仕事を依頼して請負人がこれを引き受け、仕事の完成に対して後に注文者が報酬を支払うという意思表示の合致があれば成立します。 請負契約と似ているものに 委任契約がありますが、委任契約は仕事を完成することではなく仕事をすることが目的であるため、 仕事が完成しなくても報酬の支払いが必要です。 それに対して、 請負契約は仕事の完成の対価を条件に報酬を支払うことになっているため、仕事が途中で終了した場合には報酬を支払う必要はないのが原則とされています。 変更点 (1)仕事が完成しなかった場合の報酬に関する規定を新設 現行民法では、仕事によって完成した目的物の引渡しと報酬の支払いは同時に行うこととされています。 請負契約の報酬は仕事の完成後にその結果に対して支払われるものであるため、契約の解除などにより仕事が完成しなかった場合にどうするかが問題となりますが、現行民法は仕事が完成しなかった場合を想定した規定を置いていません。 報酬は仕事の結果に対して支払われるということから考えると、仕事が完成しなかった場合には注文者は請負人に報酬を支払う必要がないと思われます。 しかし、仕事が完成しなければどんな場合でも報酬を受け取ることができないとすると、請負人にとって不利益が生じます。 そこで、 改正民法は仕事が未完成に終わっても一定の場合には請負人が報酬を請求できることとしました。 一定の場合とは、注文者の責めに帰すべき事由によらずに請負人が仕事を完成できなくなったとき、または仕事の完成前に契約が解除されたときであって、請負人がすでにした仕事の結果のうち可分な部分を給付することにより注文者が利益を受ける場合です。 仕事の結果の一部を給付するだけでも注文者に利益が生じる場合には、その部分を切り離して考えて、注文者が受ける利益の割合に応じた報酬を請求できることとしました。 注文者の責めに帰すべき事由によらなければ、請負人の責めに帰すべき事由によって仕事が完成できなくなったときでもこの規定の適用があります。 (2)仕事の目的物に瑕疵がある場合の注文者の請求権、解除権に関する規定を変更 現行民法は、請負人の仕事の目的物に瑕疵(欠陥)があるときは、注文者が請負人に対して瑕疵の修補請求をすることができると定めています。 また、瑕疵の修補請求の代わりに損害賠償請求をすることもできます。 瑕疵の修補をしても損害が残る場合は、さらに損害賠償請求をすることができます。 ただし、瑕疵が重要でない場合であり、かつ修補するために過分の費用がかかる場合には瑕疵の修補請求をすることができないため、損害賠償請求のみをすることになります。 改正民法では、この規定が削除されました。 これは、 請負人の担保責任を認めないということではなく、売買における売主の担保責任の規定が請負に準用されるということです。 現行民法では、注文者が代わりになる物や不足分の引渡し請求、報酬の減額請求をすることができるという規定はありませんでしたが、 売主の担保責任の規定が準用されることによってこれらの請求ができるようになりました。 瑕疵の修補請求、代わりになる物や不足分の引渡し請求を合わせて追完請求といいます。 なお、 改正民法では「瑕疵」を「契約の内容に適合しない」という表現に置き換えました。 目的物の種類、品質、数量が契約の内容に適合しない場合には、注文者が追完請求、報酬の減額請求、損害賠償請求をすることができます。 現行民法は、請負人の仕事の目的物に瑕疵があることによって契約をした目的を達成できないときは、注文者が契約を解除できることを定めています。 ただし、仕事の目的物が建物その他の土地の工作物である場合は、契約を解除して取り壊すことになると請負人にとって過酷であり社会的な損失も大きいため、契約を解除することはできないとされています。 裁判所の判例では、仕事の目的物が建物である場合について、契約の解除は認めなかったものの、建物の建替え費用に相当する額の損害賠償請求を認めています。 これは、契約の解除を認めたことと同視でき、解除を認めないという規定は実質的な意味がないとされていました。 改正民法では、この規定が削除されました。 売買における売主の担保責任の規定が請負に準用されるため、契約の解除が認められなくなるわけではありません。 契約をした目的を達成できない場合にあてはまらなくても、相当の期間を定めた追完請求に請負人が応じてくれない場合には解除することができます。 また、 建物その他の土地の工作物であっても同じように解除できるため、むしろ注文者が契約を解除できる範囲が広くなったといえます。 (3)仕事の目的物に瑕疵がある場合の請負人の担保責任の存続期間を変更 現行民法は、請負人の仕事の目的物に瑕疵があった場合に注文者が瑕疵の修補請求、損害賠償請求、契約の解除をすることを認めていますが、目的物の引渡しから1年以内にしなければならないと定めています。 この期間は注文者が瑕疵に気付いているかとは関係なく進行するため、注文者が瑕疵に気付かないうちに請負人の担保責任の追及期間が終了する場合もあることが問題とされていました。 改正民法では、目的物が契約の内容に適合しないものであることを注文者が知ったときから1年以内にその旨を請負人に通知することとしました。 知ったときから1年以内に通知した場合には、実際の請求は1年以内でなくてもよくなったため、注文者に有利な改正です。 請負人が目的物の引渡しをするときにその不適合を知っていた場合や、知らなかったことに重大な過失があった場合には、1年という期間制限はなくなります。 契約書への影響 (1)仕事が完成しなかった場合の請負人の報酬請求権に関する規定を追加します。 変更例 新設(仕事未完成の場合の報酬請求権) 「次のいずれかに該当する場合において、請負人がすでにした仕事の結果のうち可分な部分を給付することにより注文者が利益を受けるときは、請負人は注文者が受けた利益の割合に応じて報酬を請求することができる。 瑕疵修補請求権は追完請求権に含まれるため、もとの規定は削除します。 変更例 変更前(瑕疵修補請求権) 「本契約によって完成した目的物に瑕疵がある場合、注文者は請負人に対して瑕疵の修補請求をすることができる。 ただし、瑕疵が重要でない場合であり、かつ修補に過分の費用がかかるときは、このかぎりでない。 」 変更後(追完請求権) 「本契約によって完成した目的物が契約の内容に適合しないときは、注文者は請負人に対して修補請求、代替物の引渡し請求または不足分の引渡し請求をすることができる。 ただし、注文者に不相当な負担になるものでないときは、請負人は注文者が請求した方法と異なる方法による追完をすることができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、注文者は催告をすることなく直ちに報酬の減額を請求することができる。 ただし、次のいずれかに該当する場合は、注文者は催告をすることなく直ちに本契約を解除することができる。 ただし、請負人が目的物の引渡しをするときにその不適合を知り、または重大な過失により知らなかったときはこのかぎりでない。 」 いつから適用になるか 改正民法は、 2020年4月1日に施行されます。 請負契約を結んだ日が施行日よりも前である場合は現行民法が適用され、施行日以後である場合は改正民法が適用されます。

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製造請負契約書の作成の20のポイント

請負契約書 雛形

建設会社の仕事の特徴は、1つの建設工事に、複数の会社や個人事業主がかかわり、「重層的な請負契約」を締結することにあります。 いわゆる、「元請・下請の関係」です。 「請負契約」とは、自社以外の個人、法人に仕事をしてもらうことをいいますが、これと似て非なるものとして「雇用契約」があります。 「雇用契約」の方が、「労働者に対する保護が手厚い」ことから、「請負契約」であると思って取引をしていたのに、いざ「雇用契約」であると主張されてしまうと、会社側は、残業代など、思わぬリスクを負うこととなります。 これを「雇用責任」といいます。 特に、建設会社ではたらく「一人親方」や「職人」の場合には、法人間の取引とは異なり、「請負」であるか「雇用」であるかの境目はとても曖昧になります。 今回は、建設会社が一人親方・職人に依頼するとき、雇用責任を負わないための「請負契約」のポイントを、企業法務を得意とする弁護士が解説します。 建設業と「請負契約」 建設業を営む会社(建設会社)にとって、「請負契約」は必須であるといえます。 というのも、工事現場ではたらく人の大半は、「請負契約」を締結しているか、もしくは「請負契約」を締結している会社の社員であるからです。 「請負契約」と「雇用契約」とでは、「人の労働力を利用する。 」という意味では同じですが、法的な性質はまったく異なります。 「請負契約」となると、独立した事業者同士の関係であり、働いている人は、いわゆる「個人事業主」となります。 したがって、時間については裁量があり、期限までに仕事を完成すればよいのであって、仕事の仕方については原則として自己責任、その分、会社の責任も軽くて済むわけです。 「請負」の特徴と、「雇用」との違い 建設業を営む場合、「請負契約」でなければ、その性質に合わず、「雇用責任を負う。 」という判断となると不都合なことが非常に多いのではないでしょうか。 今回は、「請負契約」と判断してもらうためのポイントを、弁護士が順に解説していきます。 自社の社員となっている者、他社の社員となっている者以外は、「職人」、「一人親方」はみな「個人事業主」です。 独立した「個人事業主」であると取り扱うことによって、建設会社側が「雇用責任」(残業代、不当解雇など)を負うといったトラブルを避けることができます。 直接の指示は禁止 「請負契約」の最も重要なポイントは、「直接、細かい業務指示をすることができない。 」という点です。 同じ建設工事現場で働いている場合には、つい指示をしてしまいがちですが、仕事のしかたを細かく指示することは、「請負契約」では禁止されています。 現場の監督が、「請負契約」をしている者にも具体的な指示・命令を行ってしまうと、後にその請負者が争いを起こした場合に、会社に対して「雇用責任」が認められてしまうおそれがあります。 したがって、「請負と雇用の区別」については、会社の社長だけが理解していればよいのではなく、現場の担当者への指導、教育も必要です。 仕事の完成が目的 「請負契約」の場合には、仕事の完成が「請負契約」の目的となります。 これに対して、「雇用契約」の場合には、決められた時間の間、労働力を提供することが「雇用契約」の目的です。 この「雇用契約」とは異なるという意味は、「請負契約」の場合には、必ずしも決められた時間の間働いていることは必須ではないということです。 「請負契約」の場合には、請負った者は結果に対して責任を持つのであって、そのプロセスを約束するわけではなく、したがって、直接指示をしなくても完成に対して責任を持つし、むしろ直接の指示をしてはならないのです。 「請負」と判断されるための職人の取り扱い 以上の「請負契約」の特徴を踏まえ、「個人事業主」である「職人」や「一人親方」が、御社の意に反して「雇用責任」を主張しないためには、「請負契約」として適切な取り扱いをしなければなりません。 請負契約とみなされるための要件は、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示」(労働省告示37号)によって、次の2つの要素によって判断されるものとされています。 請負者への具体的な作業指示があるかどうか• 請負者への労働時間の指示や管理があるかどうか• 服務規律や配置に関する指示や決定があるかどうか• 業務の評価を誰が行っているか この「独立性」の基準は、「個人事業主」として現場ではたらく「職人」、「一人親方」はもちろんのこと、請負先の会社の社員についても同様です。 したがって、請負先の会社の社員に対しても、直接具体的な作業指示をしてはなりません。 事業経営上の独立性とは? 次に、「請負契約」とされるためには「事業経営上の独立性」がなければいけません。 これは、「職人」、「一人親方」が、自己責任で資金を調達し、事業者としての責任を自ら負っている必要があるということです。 逆にいうと、職人などに対して仕事をお願いする立場からすれば、「職人」、「一人親方」の、事業経営上の独立性を奪ってはならないということです。 一人親方に仕事を発注するときの注意点 最後に、「職人」、「一人親方」に対して、建設会社が業務の一部をお願いする際の注意点について解説します。 建設会社が「職人」、「一人親方」に対して仕事をお願いすることは、下請契約によって行うこととなります。 丸投げ(一括下請け」は禁止 「建設業法」によって、「一括下請け(丸投げ)」は禁止されています。 この「一括下請けの禁止」は、建設会社が、「職人」、「一人親方」に仕事をお願いするときにもあてはまります。 ただし、公共工事を除いて、発注者が書面で承諾した場合に限っては、例外的に「一括下請け」が可能となります。 建設業許可が必要か確認 「職人」、「一人親方」の場合には、建設業許可がなければ請け負うことのできない工事の場合、発注をひかえなければならないケースがあります。 すなわち、1件の請負代金が「500万円以上の建築一式工事」以外の工事の場合には、建設業許可がない「職人」、「一人親方」に発注することはできません。 したがって、「職人」、「一人親方」に対して仕事をお願いするときには、工事金額について注意が必要です。 労災保険の加入を確認 「職人」、「一人親方」の場合、通常の労災保険に加入することはできません。 通常の労災保険は、会社との間で「雇用」されている「労働者」を対象としているのであり、「職人」、「一人親方」などの「個人事業主」を対象とはしていないからです。 万が一の労災事故にそなえて、「職人」、「一人親方」は、労災の特別加入制度を利用できます。 したがって、「職人」、「一人親方」に対して仕事をお願いするときには、労災の特別加入制度に加入しているかどうかを事前に確認しておいてください。 建設工事請負契約書を作成すること 「建設工事請負契約書」を作成することは、わかりやすく「請負契約」であることを示すために非常に大きな効果があります。 とはいえ、「請負契約」という題名の契約を締結したとしても、裁判での争いになった場合、契約の性質は「契約書の題名」ではなく、「内容」と「実質」で判断されますから、油断は禁物です。 「建設業法」において、一定の規模以上の建設工事の場合には、「請負契約書」を作成しなければならず、必要記載事項にもルールがあります。 少なくとも、請負契約書すら締結しておらずに具体的指示を逐一行っているようでは、「雇用契約」であると評価されて責任を負わされても仕方ありません。 まとめ 建設会社の経営者にとって、「職人」、「一人親方」などは、取引先にあたります。 しかし、「職人」、「一人親方」の中には、独立した「個人事業主」だという感覚はあまりなく、会社に「雇用」されているのだと考えている人も少なくありません。 特に、特定の「職人」、「一人親方」と、常に仕事を継続しているような場合には、このような意識を生み出しかねないので、注意が必要です。 「職人」、「一人親方」との間で、労働問題、人事労務トラブルに発展しそうな場合には、早め早めの対処が必須です。

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